【所轄省庁別】新型コロナウイルス関連の補助金・助成金

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プロフィール
行政書士/井手 清香
滋賀大学経済学部ファイナンス学科卒業。大手システム会社に勤務後、退職。ライターとして各種記事を執筆。2014年、ライター事務所「ライティングスタジオ一清」を開設。2018年度行政書士試験合格、2019年、滋賀県大津市に「かずきよ行政書士事務所」を開業。法律関連のライター兼現役の行政書士として活躍中。楽しく、分かりやすい法律の記事をお届けするために、日々奮闘中。

新型コロナウイルスの影響により、様々な事業所が営業の自粛や休業を余儀なくされています。今回は、所轄省庁別に新型コロナウイルス関連の補助金や助成金をご紹介します。なお、以下の情報は2020年4月23日時点のものであり、詳細は変更される場合があります。補助金・助成金を利用する際は、必ず所轄省庁のページを確認してください。

厚生労働省

まず、厚生労働省が用意している助成金についてご説明します。

厚生労働省の助成金の特徴

厚生労働省の助成金は、特に業界を問わず申請できるものが多いです。

雇用に関する助成金制度がかなり充実しており、また種類も豊富です。事業主向けの支援が多い一方で、「主体的能力開発を行う雇用保険の被保険者等への給付」(教育訓練給付金)は雇用されている人への給付です。業界を限定した制度では、建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)や障害者福祉施設設置等助成金があります。

助成金の概要

厚生労働省の助成金は、原則として雇用保険の適用事業所であることが第一条件です(雇用調整助成金は特例により、雇用保険の適用事業所でなくとも申請可能)。厚生労働省のホームページには、雇用関連の様々な助成金が掲載されています。 現時点で他の助成金を受けたことがある事業所にとっては、申請に必要な書類を揃える手間はかなり省略できるのではと思います。

一方、法人成りしたばかりで、助成金などを受けたことのない事業所の場合、就業規則や賃金台帳など、基本的に必要なる書類を作っていく必要があります。一から作るのが大変な場合や、時間的に厳しい場合は、お近くの社会保険労務士に相談するか、全国社会保険労務士会連合会が臨時開設している無料電話相談ダイヤルを活用してください。

休業補償に使える「雇用調整助成金」

雇用調整助成金は、新型コロナウイルスの影響によって業績が悪化したなどの理由によって従業員を休ませた場合に、従業員に支払う「休業手当」の一部が助成される制度です。 事業所が労災保険に加入していれば助成金を申請できる、雇用保険被保険者ではなくても助成金を受けられるなど、緊急事態宣言を受けて助成の対象が拡大されています。 厚生労働省としては、緊急事態宣言を受けて休業する事業主にできるだけ雇用を維持してほしいということでしょう。

雇用調整助成金は休業補償の支払いの後に受給

ただし、この助成金は休業補償を払った後に受け取るものです。申請から支払われるまで1ヶ月程度かかるので注意してください。

つまり、一旦手元に休業補償のための資金を用意できない事業主は利用しづらい制度と言えます。その場合は、経済産業省や公的金融機関の各種融資を利用し、資金を用意するのも一つの手です。

休業等を支援する「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」

小学校の臨時休校により、休業を余儀なくされる保護者が増えています。小学校の臨時休校に伴う保護者の休暇取得支援「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」を活用し、休業する保護者への休業補償に充てることができます。

「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」

新型コロナウイルス感染症対策として、テレワークを新規で導入する場合に利用できます。新たに就業規則や労使協定を作成したり、外部専門家のコンサルティングを受けたりする場合の費用が補助されます。

経済産業省

次に、経済産業省の支援策について解説します。

各種融資が充実している経済産業省の支援策には、資金繰り支援の他に、IT導入補助金や、中小企業庁のものづくり補助金などがあります。

中小企業庁の補助金は、中小企業や個人事業主に的を当てています。2020年に関しては、新型コロナウイルス感染症の特例措置を設けており、補助率がアップしたり新しい枠ができたりしています(販路開拓に使える、小規模企業持続化補助金など)。

資金繰り支援

従業員の休業補償や、休業中の家賃の支払いなどのために手元に資金を増やしておきたい場合には、経産省の資金繰り支援を活用できます。新型コロナウイルスに関連するのは、セーフティネット保証の4号と5号です。融資では、「商工組合中央金庫」や「日本政策金融公庫」の新型コロナウイルス対策関連の融資を利用した場合に、実質無利子になる制度(特別利子補給制度)などがあります。

持続化給付金

法人は200万円、個人事業者は100万円まで、昨年1年間の売り上げからの減少分を上限として給付されます。事業全般に幅広く使えることが特徴です。ただし新型コロナウイルスの影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者であることが条件です。

IT導入補助金(特別枠・C類型)

IT導入補助金(特別枠・C類型)は、中小企業や小規模事業者がテレワークを導入するときの補助金として使えます。ITツールの他にも、パソコンやタブレットのレンタル費用も補助対象になります。

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)」

ものづくり補助金は、中小企業生産性革命推進事業の一環として実施されてきました。新型コロナウイルスの影響を乗り越えるべく前向きに投資を行う事業者に対して、補助率を引き上げた特別枠が用意されています。

その他

この他の支援策については、経済産業省のホームページをご覧ください。一覧にまとまっているため、分かりやすいかと思います。どの補助金を利用すれば良いのかわからないときは、日本行政書士会連合会の電話無料相談を活用して、補助金や経営支援に詳しい行政書士に相談してみるのも一つの手です。

自治体の取り組み

自治体においても、独自の補助金・助成金が増えてきました。東京都の「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」では、テレワークの導入に必要な機器やソフトウエアといった関連費用の一部が助成されます。

機器等の購入費用も助成対象になるところが、厚生労働省のテレワーク助成金との大きな違いです。「常時雇用する労働者が2名以上999名以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等」という条件を満たしている場合で、テレワークを始める企業は活用を検討してください。

上記以外にも、休業要請に応じた事業主への支援など、今後各自治体で支援策が次々と発表されていくと考えられます。

まとめ

補助金や助成金の他、融資における優遇措置などを利用して、新型コロナウイルスの流行が収束し、社会が活気を取り戻すまで事業を継続しましょう。

補助金や助成金を活用する際は、組み合わせることがポイントです。一つだけではなく他の制度と組み合わせることで、より充実した支援を受けることができます。例えば、小規模企業共済に入っている企業の場合は、掛け金の積立から借り入れができますので、まずはそちらを借りつつ補助金や助成金を申請し、足りない分を緊急融資で借り入れるといった具合です。

なお、総務省が推進している「ふるさとテレワーク」では、今後地方にテレワーク拠点を作りたい事業主向けの補助事業を行っています。今後の事業展開を考えるうえで、災害対応としてのテレワークだけでなく、拠点の分散といった経営戦略としてのテレワークを考える場合は、ふるさとテレワークを活用するのも良いでしょう。

新型コロナウイルス関連の補助金や助成金は各省庁にまたがっているので分かりづらい部分もあると思いますが、社労士会、行政書士会の無料相談を利用するなどして、ぜひ活用してみてください。