工場の運営を効率化!スマート工場の実現に向けた各種IoTセンサーの導入

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プロフィール
安藤隼人
某国内メーカーにてシステムエンジニアとして10年以上勤続中。現職の傍らITライターとしても活動。
英語の論文や各種展示会などから最先端の情報を仕入れ、IT業界の動向を追う。専門用語の羅列は控え、常に分かりやすく伝えることをモットーに各媒体にて執筆中。

皆さんは、「IoT」という言葉をご存知ですか?

IoTとは「Internet of Things」の略で、「全てのモノがインターネットに接続される」という概念です。その利便性から世界各国において導入が加速しています。日本も例外ではありません。

IDC Japanの「国内IoT市場 テクノロジー別予測、2018年~2022年」によると、とくにハードウェア分野の割合は、国内IoT市場の約40%を占める結果に。

この結果は製造業分野のIoT関連支出が多いことに起因しています。最近では比較的コストメリットが出やすい「スマート工場」が注目されており、各企業で積極的なIoT導入がなされているのです。

今回は、スマート工場とは何なのか、またスマート工場におけるIoTセンサーの具体的な活用方法についてお伝えしていきます。

工場のあり方を大きく変革させる「スマート工場」とは?

スマート工場とは、あらゆる機器・設備・作業のデータを収集し、分析して活用できる仕組みを構築した工場のことを指します。

このデータ収集で活躍するのがIoTです。各種センサーを工場内に設置することで、例えば次のような動作が可能です。

  • 生産管理の自動化
  • メンテナンス対象機器を自動検知
  • 危険個所へ近づいた際のアラーム
  • 作業員の動線を最適化
  • 無人搬送車(AGV)の自動運行による作業最適化

上記の他にも、あらゆるデータを収集することで、従来では不可能だった効率化ができるようになります。

スマート工場化による経営的メリットとは

例えば、生産管理の自動化が考えられます。1個50円のセンサーを複数使って生産管理を実施し、年間2億を超える労務費を削減した事例もあります。

IoTによって生産管理を確実に実施することで、人や機械の動作などのデータから課題を浮き彫りにし、確実に改善していくことができます。

スマート工場化における各種センサーの活用

それではスマート工場では、各種センサーはどのように使用されているのでしょうか。事例ごとにみていきましょう。

生産管理には光センサーや磁気センサーを活用

光センサーは、ランプに取り付けることでランプの消灯・点灯を検知できます。一方、磁気センサーは、磁気パーツをセンサーに近づけることでカウントするものです。

どちらのセンサーも、製品が完成するタイミングで動きのある部分に取り付け、確実な生産管理を実施できます。

例えば同じ製品を作る2台の機械で、製作時間に大幅な差異があることを検知、プログラムの最適化を図るなどで、適宜改善していくことができます。

作業員や機器の位置把握には「ビーコン」を活用

ビーコンとは、「Bluetoothを利用した発信機」です。スマート工場でのビーコン通信には「BLE(Bluetooth Low Energy)」と呼ばれる省電力のBluetooth通信技術が使われます。

このビーコンを機器や作業員の衣服などに取り付けることで、数センチ~数10センチの誤差で位置情報を取得可能です。これによって作業員の動線把握や危険個所への接近検知、メンテナンス対象機器の検知ができます。

2020年に5Gが実用化されると、無線回線の高速化、多接続化、超低遅延化が実現されるといわれています。そのためスマート工場におけるIoTも運用が容易になり、さらに普及していくでしょう。

製造分野で増える知的労働の需要

IoTの導入によりスマート工場化が進むと、生産管理や荷物運搬などの単純労働は人の手からシステムへ置き換わっていきます。

代わりに、取得したデータを分析して、異常や改善点を発見する人材、IoTシステムの開発や保守・管理ができる人材も必要となってくるはずです。

「データ分析」と書くと、複雑なデータ収集・解析を連想される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、各センサーにおけるデータの取得目的がはっきりしていれば、データ収集や解析自体は難しくはありません。

さらに業務経験があれば、複数のデータを見た段階で、ある程度現場で起こっている事象を把握できるでしょう。また、状態をさらに深く見るために必要な追加データも見えてくるはずです。

AIを導入することで、分析のプロセスを自動化するという手段もあります。ただ、AIの導入にはまだまだコストがかかり、多くの企業にとってハードルが高いのも事実です。まずは業務経験をある程度積んだ人の目でみていくのがベターです。

以上、スマート工場化とは何なのか、またスマート工場におけるIoTセンサーの具体的な活用方法、今後の人材需要について考えてきました。

IoTを導入することにより、生産管理の自動化や作業員の位置把握、無人搬送車の運用などの機能をもったスマート工場へ変革させることができます。しかし、IoTを導入するならITの知識をもつ人材は必要不可欠です。今後は業務知識を持ちつつ、ITを活用できる人材の需要がさらに高まっていくでしょう。

次回以降も、ビジネス各分野の5G実用化による発展について詳しく記事を執筆していくので、どうぞ宜しくお願いします。