会社経営に必要な基礎知識や成功・失敗要因などを解説!

目次

経営の知識を深めておくことは、戦略的な採用活動を実現するためにも有効です。そこで、経営の知識をより深めていくために、会社経営の基礎知識や成功要因、失敗原因など経営の知識を増やしたい人に役立つ情報をお届けします。

会社を経営する目的

経営とは、事業目的の達成に向けて、継続的に事業を遂行しつつ計画的に管理することであり、ひと言でいえば「事業目的を達成するために営みを続ける」ことです。総務省が公表している最新データによると、日本の企業数は約386万社あるとされており、それらすべてが全く同じ経営スタイルをもっているわけではなく、その内容も千差万別であることは想像できます。一方で、会社経営を継続させるうえでの共通点は「新規顧客の開拓」と「利益の拡大」です。経営基盤が安定している企業は、事業目的や企業理念などが明確であり、競合との差別化に成り得るオリジナリティを持ち合わせているケースが多い。すなわち、ブランディングが図れているため、採用時にもより強力なPRが可能になるといえます。

出典:総務省統計局「産業別企業等数と売上(収入)金額

健全な経営にはキャッシュフローが重要である理由

これは当然のことですが、会社は資金を失えば倒産してしまいます。そのため、企業における現金の出入りを指す「キャッシュフロー」を回し続けることが重要です。利益の状況に関して、損益計算書を把握することはもちろん大切ですが、損益計算書には後払い(売掛金など)で支払われる額も記載されているため、企業の手元にある現金とは異なるケースがあります。つまり、計算書上では利益を上げられていても、リアルな現金が不足してしまうことで、黒字倒産してしまうケースも珍しくありません。そうならないためにも、キャッシュフローを回し続け、今後の資金繰りをしっかりと見立てることが重要です。

中長期的な財務体質の改善が重要

経営破綻してしまう企業の財務体質として多く見受けられるのは、経費の使用目的が明確ではなく、制限もかけられていないケースです。経費を使うこと自体は問題ではありませんが、公私混同してしまいがちな経費として特に注意すべきは交際費です。資本金1億円以下の中小企業における法人税法では、年間800万円まで交際費の支出額を経費にできますが、自主的に制限を設けていないと上限に近い多額の交際費を使ってしまう経営者は存在します。この考え方が赤字経営へと転落する要因になることは言うまでもありません。

一方で、黒字経営を継続できる経営者は、法人税法の知識を持ちつつ、交際費として使用する年間予算の大枠を決めており、毎月の使用実績を把握したうえで経費を使っています。また、経費の使用目的を明確にしつつ、既存顧客と新規顧客とで交際費を使用する比率も戦略的に考えている方も少なくありません。もちろん、私的な交際費については個人負担として経費を使わないことをルール化しています。ポイントは、現状ではなく未来の売上や利益につながる経費の使い方を心掛けることです。

創業してから10年後の生存率

株式会社を設立する際の最低資本金や役員数などの制約が緩和された2006年を境に、起業のハードルが下がり、法人数も増加しました。一方で、会社経営の維持や事業の発展に困難が生じる数も増え、倒産した企業も増えているのが事実です。中小企業庁が発表した中小企業白書2017年版では、創業1年後の企業生存率は95.3%、創業5年後は81.7%という結果が出ていますが、これらの数値はある程度規模の大きな起業の集計結果であるため比較的生存率は高い印象です。

しかし、創業時の実態に近い小規模企業に基づいて集計された中小企業白書2006年版をベースに計算すると、平均で創業1年後の生存率は62.3%、5年後は25.6%、そして10年後には11.6%と大幅に減っているのが分かります。つまり、企業が100社誕生しても、10年後に生き残るのは10社程度ということなので、経営の難しさを証明している結果といえるでしょう。

出典:中小企業庁「中小企業白書2017年版

出典:中小企業庁「中小企業白書2006年版

経営が失敗に向かうシナリオ

経営が失敗に向かう際には、予兆や原因が必ずあります。経営破綻に陥るシナリオとしては、まずは黒字から赤字への転落が序章といえるでしょう。国税庁の調べによると、法人数約270万社の内およそ62%が欠損法人、つまり赤字経営であるという結果が出ています。このように全体の過半数以上におよぶ企業が倒産することなく赤字経営を続けていられるのは、減価償却費よりも純資産の赤字額が少ない場合や、経営者の自己資金にて補っている、または金融機関などの融資により資金を補填している場合がほとんどです。

しかし、赤字となる額がある一定ラインを超えてしまうとこれまでの資金繰りでは追い付かなくなり、経営を続けることが困難になっていきます。また、自然災害やパンデミック、国内外の景気変動が引き金となり、一気に経営破綻に陥る可能性も大いにあるでしょう。

経営破綻に陥る原因

・販売不振

企業が倒産する理由の第1位として挙げられるのが販売不振です。衰退業種や競合に仕事を取られるなどの影響により売上が減少し、収支のバランスがとれなくなってしまう状況。例えば、メーカーや商社などでは産業構造の変化によって製品やサービスが使われなくなることで、販売不振に陥るケースがあります。

・既往のしわ寄せ

既往のしわ寄せとは、俗に「ゆでガエル状態」と言われ、ゆっくりと変化する危機に対応することの難しさを説く警句としても表現されます。つまり、既存の経営によって少しずつ状況が悪化していき、気付いたときには手遅れになってしまっている状態のことです。

・放漫経営

経営者が会社を運営、管理する能力が乏しい、または会社を私物化することにより、経営状況を混乱させてしまうのが放漫経営にあたります。指示に振り回される社員は視座を高める意欲を失い、仕事を淡々とこなすだけの受け身体質になる。経営計画はもはや絵に描いた餅になってしまうでしょう。

・連鎖倒産

連鎖倒産とは、その名の通り親会社の倒産や、事業に関わりのあった取引先の倒産などの経営悪化に引きずられる形で売掛金などが回収できなくなり連鎖的に倒産してしまう状態のことを言います。取引先などの業績が悪化する可能性があることを想定せず、1社に執着してしまうとリスクは高まるでしょう。

・過小資本

旧会社法では、株式会社の設立には最低資本金として1,000万円が必要でしたが、2006年5月から施行された新会社法では、設立時の資本金制限が撤廃されました。これにより、十分な資本金を準備せずに経営を開始した企業が、能力不足や無理な事業拡大による貸し倒れで資金不足に陥るケースがあります。この資本金不足の状態を過小資本といい、わずかな赤字でも倒産するリスクをはらんでいます。

経営を成功に導く方法

経営を成功に導くことは、すなわち会社をつぶさずに継続成長させることであると言えます。その状態を実現させるためには、「社会における経営」と「企業内部における経営」という2つの側面から経営の在り方をしっかりと見定めたうえで、実行に移す必要があります。

まず、社会における経営は、CSR(Corporate Social Responsibility)経営とも呼ばれており、企業は自社の事業活動を通じて社会に有益な商品やサービスを提供し、社会に必要とされつつ信頼を得る存在で在り続けることが求められます。

次に、企業内部における経営は、企業の成長や発展を促し、事業価値を向上させることです。例えば、事業と顧客のクリエーション(創造)と成長や技術革新を実現すること。また、経営資源の中核となる人材開発と生産性の向上などが重要なポイントになります。

本質的な原因を知り戦略を練る

倒産のリスクとなる「販売不振」や「既往のしわ寄せ」などの本質的な原因を探ることも、経営を成功に導くための根本的な対策につながります。例を挙げると、販売不振の本質的な原因は“売上の減少”なので、営業戦略を新たに練り直す必要がある。既往のしわ寄せが起きるのは“対策の遅れ”が原因であるため、定量的な経営状況の見える化やチェック体制を構築することが解決策となるはずです。

こうした経営の課題となる本質的な原因に気付くことで、ひとつずつ確実に解消していくことができます。また、あらゆる戦略を練ることでノウハウも蓄積され、再度経営不振に陥るような予兆があっても悪化する前の早期に対応ができるようになるでしょう。

資金繰りの方法を知る

利益が出ているのに資金不足に陥ってしまい、事業の継続が難しくなってしまうケースがあります。このような「勘定合って銭足らず」の状態を回避するためには、資金繰りの改善が必要不可欠。その改善法のひとつが、売掛金の回収期日を早めることです。例えば、顧客との取引が掛取引の場合は、商品・サービスの販売時に資金は動かず、定められた期日までに先方から支払われます。帳簿上は利益が計上されるものの、入金されるまでの間は手元に資金がない状態になり、思わぬところで資金不足になってしまうケースも。つまり、売掛金の回収期日を早めることができれば、買掛金などの支払期日より前に資金が確保できるので、資金繰りがとてもスムーズになります。

また、大規模な設備投資が必要になった場合など、日々の資金繰りだけでは解決できない場合は、“経営セーフティ共済”や“公的機関の資金・助成金”といった制度の活用を検討することも、資金繰り対策として重要です。

経営の在り方を見直すことが成功の秘訣

企業の規模によって経営戦略は異なるため、大企業で成功した事例を中小企業で実施しても、100%成功するとは限りません。つまり、企業ごとに状況を把握し、オリジナルの戦略を練る必要があるということです。特に、大企業と中小企業とでは、従業員との距離感が大きく異なります。少人数になればなるほど経営者と社員間のコミュニケーションは図りやすくなるのは当然のこと。しかし、社長と従業員との距離に隔たりがある中小企業も決して少なくありません。そのような場合は、経営者側から積極的に想いを伝える機会を増やしましょう。その行動変容だけで、従業員のモチベーションは効率的に高まります。

モチベーションが高まれば、仕事への積極性が増して社員一人ひとりがイノベーターになる。ぜひこの機会に、自社の現状と目指すべき将来像にマッチした経営戦略を再構築しましょう。