採用通知書とは?通知書の種類や違い、書き方などを詳しく解説!

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近年の働き方改革や女性活用促進法により、国民一人ひとりの働き方は大きなターニングポイントを迎え、多様化が進んでいます。一方で、内閣府の調査によると生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに年々減少しており、2040年には6000万人弱になるとの推計が出されました。現状は上昇している労働力人口も、今後は徐々に減少していくことが予測されます。

これらの理由から、採用市場では貴重な人材をいかに採用し、入社してもらうかに各企業が力を注いでいます。中でも、欲しい人材を確保するための採用通知書に関する知識は必要不可欠といえるでしょう。そこで、本記事では採用通知書の種類や違い、書き方など、採用力を高められる情報をお伝えします。

出典:内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局「将来に予想される社会変化」より

知って使い分け!3種類ある通知書の中身

書類選考や面接などを終えて、求職者に送る通知書は3種類あります。まず、採用したい求職者に対して送るのが「内定通知書」と「採用通知書」の2種類。共に採用を意味する内容であるため、混同されるケースも少なくありません。そして3種類目は不合格者に送る「不採用通知書」です。これらの書類は、企業側に発行義務はありませんが、どのような違いがあるかを理解したうえで活用すれば、採用力を高める効果を発揮します。ここでは、各通知書の特徴や意味について詳しく解説していきます。

「内定通知書」とは

最終選考(面接など)を終えた求職者に、内定を通知する役割を担うのが「内定通知書」です。どのようなタイミングで発行するのかは、新卒を採用する際が最もイメージしやすいでしょう。新卒採用は通年化が進んでいますが、6月1日以降に選考が始まり10月1日に内定を出す一括採用が未だに主流。入社までの期間が数ヶ月と長いため、内定の証拠として送付します。

そのため、内定から入社までの期間が短い中途採用などの場合は、発行しない企業も。また、形式的な記載事項などは法律で定められていないので、通達内容は企業ごとにさまざまです。

「採用通知書」とは

企業が最終選考を行った求職者に対して、正式な採用決定を伝えるために発行するのが「採用通知書」です。一般的な流れは、内定通知書を送り承諾を得た後に採用通知書を送るのですが、採用通知書のみを送るケースや雇用形態によっては電話やメールで伝える企業も珍しくありません。

また、合否の結果を待つ求職者の心理を汲み取り、できるだけ早めに通知することが重要です。タイミングとしては、最終選考日から遅くとも一週間以内に送付するのが理想的でしょう。この期間が長くなれば、求職者も生活があるので新たな企業への就活を始めたり、早めに採用を通知された他社への入社を決めたりと、さまざまなリスクを招く恐れがあります。

内定通知書と同様に、記載事項に法的ルールはないので、求職者の入社意欲がさらに高まる内容を心掛けましょう。

「不採用通知書」とは

面接などの選考を経て、採用ターゲットにマッチしなかった求職者に対して通達するのが「不採用通知書」の役割。近年では、電話やメールなどで通知する企業も多いですが、ここで注意が必要なのは個人情報の取り扱いです。履歴書や職務経歴書を面接時に預かる場合や郵送で送るよう指示している場合は、選考後に返却する必要があります。

しかし、応募数が多い場合などは、企業側の工数が増えてしまうこともあります。そのような場合は、選考時に必要な書類をこちらで破棄する旨を伝えるか、求人広告の応募要項などに“選考を通過されなかった方の履歴書や職務経歴書などは責任をもって破棄いたします”などの文言を前もって記載すれば、返却せずに対応することが可能です。

通知書の書き方・記載内容

企業が発行する各通知書は、求職者に対する真摯な姿勢を示すものでもあります。労働力の流動化が進む今、優秀な人材であれば複数の企業から内定・採用のオファーを受けている可能性があるため、迅速な対応はもちろん、誠意のある通知書を作成することが重要となります。また、不採用の場合であっても、通知書の書き方によっては今後のトラブルに発展しかねません。求職者に対してより良い印象を与えるためにも、各通知書の書き方や記載内容を知っておきましょう。

内定・採用・不採用通知書の書き方や記載すべきこと

3種類の通知書で共通した書き方としては、書面の左上に求職者の氏名(様)、右上に通知書を作成した日付と会社名、担当部門・氏名を記載することです。

内定・採用通知書の場合、書面の表題(タイトル)は「内定通知書」や「採用内定のご連絡」など、明確に伝わるよう記載しましょう。本文では、ご応募いただいたことへのお礼と内定・採用したことの通知を記載。さらに、入社までに必要な手続きを明記した上で、詳細は本文後の別記にて伝えしましょう。最後は結びの挨拶で締めくくり、右下に「結語(敬具)」と記載します。なお、別記の書き方は書面中央に「記」と書き、詳細や問い合わせ先などを箇条書きで記して最後に右詰めで「以上」と書きます。

ちなみに、新卒採用時の内定通知書は、入社前研修がある場合はその旨も伝えること、また学校を卒業できない場合などの内定取消事由の記載もお忘れないようお気をつけください。

不採用通知書の場合は、求職者の気持ちを配慮して表題を「選考結果通知」とするのが一般的です。本文では、ご応募いただいたことへのお礼を述べた上で不本意ながら不採用となった旨を伝え、文末に求職者の今後の活躍を期待する内容を添えて締めくくります。不採用時に履歴書などの書類を返却と伝えている場合は、書類を同封する旨も記入しましょう。

通知書の例文

各通知書で企業側が工夫できるのは、書面の本文にあたる部分です。現在では、多くのWEBサイトで文例のテンプレートをダウンロードできますが、記載事項に漏れがあるとトラブルの原因となり、企業のイメージダウンにも繋がりかねません。そのため、一般的な文例を参考にしつつ自社の規定に則った内容に変更すると良いでしょう。

内定・採用・不採用通知書の例文

内定通知書と採用通知書について

採用通知書と内定通知書は、発行自体が義務付けられているものではないため、基本的に書面の文章に関しても明確な違いはありません。ただし、入社までの期間が長い新卒募集などの場合は、「内定取消事由」を記載することが一般的です。この内定取消事由は、企業ごとに採用基準が異なるため、自社のルールに従って作成してください。

例文

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

このたびは、弊社の求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。
また、先日はお忙しい中、ご足労いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。

さて、慎重かつ厳正なる選考の結果、このたび貴殿を弊社社員として採用することに決定いたしましたので、ご通知申し上げます。つきましては、後記のとおり社員採用に伴う手続きを行いますので、同封しております書類のご記入など、ご準備のほど宜しくお願い致します。

なお、応募書類は当社人事部にてお預かりさせていただきますのでご了承ください。
今後とも引き続き、宜しくお願い申し上げます。

不採用通知書について

不採用通知書では、求職者が面接を受けている場合はご足労いただいたことへのお礼を伝え、書類選考のみの場合は書類を送付いただいたことへのお礼を伝えます。また、不採用となった詳細は記載しないことがポイントです。不採用理由を知った求職者の中には異議を申し立てたり、悪い評判を周囲に流したりするリスクがあるため、具体的な表現は控えるよう注意しましょう。

例文

謹啓 このたびは弊社の求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。

また、先日は面接にご足労いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
厳正なる選考の結果、残念ながら今回は採用を見合わせていただく結果となりました。ご希望に添えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますよう御願い申し上げます。
今後のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。

なお、ご提出いただいた関係書類をすべて同封、ご返却させていただいておりますので、併せてご確認ください。

通知書と一緒に送る書類とは

企業側が「採用したい」という気持ちで求職者に送る内定通知書や採用通知書ですが、通知だけでは入社直前になって断られてしまう可能性もゼロではありません。そうなった場合、採用計画に支障をきたしてしまい、再度求人を再開する破目になります。時間と費用などのコストが大幅に増加してしまいます。

これらのリスクを回避するために、各通知書に同封すると有効な書類が「承諾書」です。書類自体には法的拘束力はありませんが、企業と求職者との間で行う約束事を記した内容なので、心理的な効果が期待できます。

通知書に同封する書類

内定通知書や採用通知書に同封する書類は、「内定承諾書」「入社承諾書」「入社宣誓書」などがあります。いずれも、正当な理由を除いて求職者の内定や採用といった意思を明確にする内容です。各書類の共通項目は、書類の上段に記載する「日付」「宛名(主に代表取締役社長)」「承諾書のタイトル」になります。

本文では、「通知書を受領した旨と日付」「入社または内定の承諾」「承諾書提出後の無断拒否をしないこと」「指定のあった書類を納期内に返送すること」「応募時からの変更点がある場合の連絡(住所など)」などの内容を記すのが一般的です。書面の最後には本人氏名欄と捺印欄を配置し、企業によっては保証人氏名欄と捺印欄を設けているケースもあります。

また、書類返送用の封筒も併せて同封するなどの配慮も大切です。入社までの期間が長い場合は、スケジュール案内などを同封すると、求職者の安心感や信頼感はより高まるでしょう。

通知書は採用力を高める切り札になる

多くの時間と費用を投資して採用活動を進めていく中で、採用したいと思える人材との出会いはとても貴重です。その好機を逃さないためにも、内定や採用の結果を喜びの想いを込めてスピーディーに届けることで、求職者の入社に対するモチベーション向上に繋がります。

「内定通知書」「採用通知書」「不採用通知書」はどれも法的書面ではありませんが、求職者に対する企業側の姿勢が伝わる書類といっても過言ではありません。採用の合否に関わらず、それぞれがもつ意味や内容、送付シーンを正しく理解し、企業の採用力を高めるツールとして活用しましょう。