後出しジャンケンで希望条件を変更してくる応募者・社員の心理とは?!その対策について

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プロフィール
株式会社アウトソーシングテクノロジー
採用キャリアアドバイザー 若林聖子
求人広告代理店で営業職、エンジニア派遣会社で人事労務事務を経て現職。どんな任務にアサインされても常に1カ月目で成果を報告できるよう、垂直立ち上げを自らのテーマとしている。メンバーと共に業界トップクラスの採用に向けての組織構築を実行中。

こんにちは、若林です。内定通知後に希望条件を変更してくる応募者や、入社後に「実は……」と切り出してくる新入社員、人事の皆さんご経験は無いでしょうか?

こちらからラブオファーを出した後に希望条件を変えられてしまうと、内定出し条件の判断材料がそもそも違っていたことになるため、採用リスクも離職リスクも高まり、内定出しをそもそもするべきできなかった応募者に内定を出したことになります。

希望条件を後で変更してくる応募者は、どのような心理状況で、何を望んでいるのでしょうか。今日は候補者の心理状況を考えながら対策について検討していきたいと思います。

内定後や入社後に、変わりやすい希望条件とは

内定提示後、給与条件の交渉に入る応募者は少なからずいますが、ご本人が言った給与額内に収まった金額で提示したにも関わらず給与交渉をしてくる応募者もいます。

他社比較の状況など、様々な背景はあると思うので、給与条件については交渉が入ったとしても理解出来る範囲です。それよりも人事が困ってしまうケースとしては、“希望勤務地の条件を変更してくる”ことや“希望職種の縛りを強めてくること”など、入社後の人事配置に関わる内容での要求です。

人員を増やしたいポジションがあって採用を行っている企業側としては、そのポジションマッチングの結果を元に内定合否を出すにも関わらず、その条件が事前に聞いていたものと違う場合、各部署への影響も大きく、他部署を巻き込んだ混乱にも繋がります。採用側にとって、人事配置に影響が出る条件の変更は絶対に許されないミスになります。

希望条件を変更してくる応募者の心理的背景とは

条件変更を後で依頼してくる応募者の心理的背景として考えられるのは2パターンです。

まず【内定を得るためにわざと条件を隠しているケース】。次に、【その時は本当にそれでいいと思っていたけど、希望を後で思いついたケース】です。

内定を得るためにわざと本来希望している条件を隠している応募者は、非常に多いと思います。基本的に不利な情報は隠そうとするのが応募者の心理になりますので、希望条件を柔軟に対応できる姿勢を伝えるだけでなく、退職理由として前向きな情報しか述べなかったり、業務成果を少し見栄えの良いように記載したりと、少しずつ自分の状態をプレゼンでカバーできる範囲で修正をかけてくることがあります。

しかし、条件交渉時の変更よりも厄介なのが、「その時は本当にその条件でいいと思っていた」というケースです。このケースは内定承諾の時にはまだ発覚することが少なく、入社後、内定者の身に降りかかってきた際に改めて考えて要求が出てきます。

場合によっては、「親に反対された」や、「体調不良で」という外部要因を交えながら拒否の姿勢を取ってくる社員もおり、人事としても対応が非常に困難になります。こういったケースは、どのように防いでいけばいいのでしょうか。次に採用担当側の課題についても考えてみたいと思います。

内定後入社後のトラブルが発生してしまう要因は?

採用担当側の課題として挙げられるものは、2つあります。

1つ目は、ヒアリング時に相手のプレゼンの“嘘”、つまり矛盾を見つけられないことです。求職者の話から違和感を覚えることが出来なかったために発生します。これは、採用担当者の論理的思考能力不足が要因として起こっていることが考えられます。つじつまが合わなくなる候補者の話に、的確な疑問出しが出来ると、違和感があることを本人に伝えられ、本音を引き出すきっかけとなります。採用担当として、退職理由や、給与条件、希望条件のヒアリングをする際は、冷静な対応の裏でロジックが成立しているかどうかに十分意識を持って頭をフル回転させて頂きたいと思います。

2つ目に関しては、求職者の動機形成が至っていない、覚悟が固まっていないままクロージングに入ってしまったことによって発生します。主に未経験採用で発生することが多く、採用担当者の傾聴力不足が背景にあります。傾聴が弱いと、求職者がどの欲求段階にいるかを見誤り、動機形成・キャリアシフトの提案にも誤りが発生しやすいです。その結果、求職者が希望していない目標設定を置いてクロージングをかけてしまうため、注意が必要です。

次にこれら2つの要因に対する対策について、考えていきたいと思います。

内定後・入社後の条件変更を未然に防ぐために

1つめのケースについては、課題が論理的思考力。2つめのケースについては、課題が傾聴力とした場合、傾聴力を高める研修を導入するほか、それぞれの課題に則したテーマのロールプレイングを行うなどしてスキルを高めていくのが最も重要であると考えます。

即効性のある改善策があれば一番良いですが、応募者の本音を引き出す力というのは、一日二日で養えるものではないと思っています。実際のケースを分析して人事部内で話し合い、どこに論理の落とし穴があったかを振り返ることなど、地道に違和感を覚えるポイントを人事メンバー全員が掴んでいくことが重要だと思います。

特に2つ目のケースについて、人事担当もリスク防止を意識しすぎるあまり高圧的な面接対応をしてしまう場合があります。ある程度は必要かもしれませんが、ストレスチェックをかけながら覚悟を問うような話をすれば防げるという単純な問題でもないため、また会社のブランドイメージ面と信頼関係を築く上でも、正解とは言い難い部分があります。プレッシャーによって覚悟を決めさせるのではなく、傾聴を深く行うことでその人の欲求段階を探りながら、求職者自身が覚悟を決められるよう、アシストできる採用担当を目指して頂きたいと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。正直、どんなに有能な採用担当であっても、応募者の心理状況を100%コントロールすることは難しく、こうしたエラーを撲滅することは非常に困難です。ですが、状況を分析し、繰り返しトレーニングすることで極力少なくしていく努力を行っていくことが重要になりますので、是非試して頂ければと思います。