採用ノウハウ

根気強さとクリエイティブ性が必須。商品企画・開発の未経験者を採用・育成するコツ

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「商品企画・開発職」は、企業の将来的な売上を作っていくために重要な職種。採用市場が慢性的に人手不足となってきた最近では、未経験から積極的にやる気のある若手を受け入れる企業も増えてきました。

商品企画・開発職はメーカーなどの花形とも言われる一方、実際は非常に地味で、長期間にわたるプロジェクトでコツコツと忍耐強く取り組んでいかなければなりません。決して誰にでも任せられる仕事ではなく、人事や会社側としてはプロ意識を持って職務を全うできる人材を配置したいもの。

そういった背景があるからには、未経験者の採用選考においても、ポテンシャルを秘めた適性のある人材を採用することが不可欠です。今回は、「商品企画・開発職」の未経験者を効率よく採用・育成するヒントを提示していきます。

ゼロから創造し、新しい価値を提案できる人材を採用する

商品企画・開発職にとって最も求められるコアな職務要件は「ゼロから新しいモノ・サービスを考え出すこと」です。つまり、すでにある消費者の需要に応える商品を生み出すだけでなく、顧客の潜在的な需要を先回りして見つけ出し、まだ世の中に出回っていないモノ・サービスを創造していかなければなりません。

ここで気をつけたいのが、採用過程で一緒に募集をかける場合も多い隣接する職種である「マーケター」とは、求められる資質がまるで違うということです。(マーケターとの区別があまりない場合もあります。)

先に市場や需要があって「世の中に潜在的にあるNEEDS(=消費者が必要としているもの)を拾い出す」のが、マーケター。対して、現在の自社が持てる開発資源をベースとして「独自の技術力や発想で、市場にSEEDS(=ビジネスの種。新しく開発する技術・ノウハウなど)を問いかけていく」のが、商品企画・開発職の仕事なのです。

一般的に商品企画・開発職では、以下の5つの能力・資質が必要となります。

  • 徹底的に考え抜く「論理的思考力」
  • 情報を収集するための徹底的な「リサーチ力」
  • 長期間のプロジェクトに耐え抜く「忍耐力」
  • ゼロからアイデアを絞り出す「発想力」
  • 自社製品・サービスへの「強い思い入れ」

このように、商品企画・開発職にはクリエイティブな視点はもちろんのこと、現状を分析したり、そこから筋道を立てて深く思考したりするスキル、さらには、地道に求めるものを実現に近づけていく根気強さが不可欠です。

厳密に言えば、その他にもプロジェクト管理能力やプレゼンテーション能力などのスキルも上級職では必要となりますが、未経験からキャリアをスタートさせる場合はあまり気にしなくてもよいでしょう。むしろ、育成の過程で数年をかけて補っていけば十分間に合います。

商品企画・開発職はルーティーン業務を覚えこんでいくだけの仕事ではないため、数ヶ月程度で一人前に育成することは不可能です。一人前になるまでには、最低でもいくつかの大きなプロジェクトをひと通り経験し終わるまでの2~3年が必要と考えてください。当然、採用では資質を持った人材を慎重に選びぬく必要があります。

選考ではスキルとともに事前準備や理解の深さを見抜く

上記のとおり、商品企画・開発職を担当すべき人材は、リサーチ力や発想力だけでなく、自社製品への愛情までを兼ね備えていることが重要。そういった特質を持つ人材を採用するために選考で注視すべきポイントは、「どれだけ選考の事前準備をしてきているか」です。

新しい商品やサービスを生み出すためには、事前の地道なリサーチ・準備が何よりも大切です。そして、それを根気よく実行できる素質は業務以外の部分にもよく表われます。つまり、自分が受ける選考の準備すら満足にできていない人材では、入社後に忍耐強くリサーチを行い、新しい商品をひたすら考え抜くことができるはずがありません。

それを踏まえたうえで、商品企画・開発職の人材を未経験から採用する際は、以下の3つのポイントについて重点的にチェックできるような選考フローを設定しましょう。

①職務経歴書・履歴書に表れる論理的思考力

特に職務経歴書の記述内容について、緻密かつ論理的に整理されているかをチェックします。自分の経歴や志望職種について、丁寧にわかりやすくまとめられないようでは、商品企画・開発の仕事は難しいでしょう。

②緻密なリサーチ力とクリエイティブな発想力

選考プロセス内で必ず取り入れたいのが、企画書を作成させる選考です。1週間ほど準備期間を設け、自社サービスや製品の新規開発に関する企画を立ててもらいます。

課題としては、あなたの会社の既存サービスや商品・製品を例に取り、自由な発想を試せるような題材がよいでしょう。例えば、以下のようなテーマです。

例:当社の経営資源を使って、まったく新しい製品のアイデアを自由に考えてください。
例:当社の主力商品Aのシェア拡大に向け、どのように商品を改善すべきか提案してください。

課題に沿って、あらかじめ自宅でパワーポイント・エクセル等で自由に資料を作らせ、選考当日は持参した資料を用いながらプレゼンテーションをしてもらいます。

このとき注意したいのは、プレゼンテーションスキルを見るのではなく、物事を深く考え抜き、クリエイティブな独自視点を持っているかどうか、または綿密なリサーチに基づいた提案となっているかどうかを見極めることです。プレゼン能力の巧拙に惑わされないように気をつけて内容をしっかり吟味しましょう。

③自社商品や自社業種への問題意識や愛情

「自社商品や自社業種への思い入れや問題意識」について、抜き打ちで筆記試験中に作文・小論文を書かせたり、面接の場でそれを掘り下げる質問をしたりして、どの程度研究してきているかをチェックします。

当然、しっかりリサーチをしている人や愛情を持っている人であれば、今後関わるかもしれない商品・サービスについてはっきりとした意見を持っているものです。また、こちらから指示しなくとも自発的に提案書や企画書を持ち込んだ人には、高評価を与えてよいでしょう。

現場の意思が肝心。連携をとりながら採用から育成に進める

商品企画・開発職を未経験から採用する場合、必ず所属予定部署の意見を聞くようにします。なぜなら商品企画・開発職という職種は、チームメンバーとの長期的なOJTによって、暗黙知に基づく現場のノウハウを少しずつ身につけていくべき職種だからです。

採用後のパフォーマンスや成長速度は、配属部署メンバーとの相性に大きく左右されます。したがって、採用から育成をスムーズに行うためには、やはり現場担当者の直感的な意見も取り入れるべきなのです。

配属予定部署の責任者や育成担当者が、選考初期段階から採用に関われるように段取りを組めればベスト。能力的にも人間的にも、配属部署に適した人材を採用する可能性が高まるでしょう。

じっくり時間をかけたOJT中心の育成

能力・素質のある未経験者が採用できたら、OJTを中心に、じっくりと時間をかけて育成に取り組みます。育成担当の先輩社員の下につけ、簡単な資料作成やリサーチの手伝い、会議資料作成など、既存案件をいくつか経験させながら、できることからどんどん任せていくようにしましょう。

最初はできる仕事が少なくても仕方ありませんので、インターンシップ以上・社員以下といった戦力感で捉えるようにします。そして、地道にノウハウを蓄積する方法しかないからには、きちんとした成果が出なくてもよいので、とにかく一定期間中にできるだけ多くの経験を積ませることが早期的な成長につながるでしょう。

時として、自社や子会社・協力会社の製造現場に「研修」として短期間派遣し、実際にものづくりの現場を体験させることで、現場感覚を身につけさせるのも有効です。

そして、ひと通り会社でのプロジェクトの進め方を覚え、先輩社員の下働きを十分にできるようになった段階で、少しずつ任せる業務領域や責任範囲を広げていきます。最終的には2年程度で小規模案件をひとりで回せる程度になるように、段階ごとの目標設定をして確実に育成を進めていくとよいでしょう。

Off-JTではマーケティングを基礎から学ぶ

Off-JTとしては、論理的思考力や発想力を磨くための思考のフレームワークや、マーケティングの基本的な考え方を基礎から体系的に学べるような研修が非常に有効です。

研究開発部門に近い業務にあたる「商品企画・開発職」の場合は、外部講師による研修会よりも、自社オリジナルの研修プログラムを内製化し、社内で実力・影響力のある社内講師が直接指導する方法も非常に効果的です。

受講者たちにとっては、SEEDS(=ビジネスの種。新しく開発する技術・ノウハウなど)への理解をうながす独自技術のインプットや、現場とのネットワークを構築する機会になるでしょう。

適性のある人材は、磨けば必ず輝く

「商品企画・開発職」の仕事は、ひとつのテーマをとことん突き詰め、徹底的にリサーチ・分析を重ねていくと言う点で、非常にストイックで根気のいる業務です。これは決して誰にでもできることではなく、育成にも時間がかかることから、採用の場面では慎重に素養のある人材を選ぶことが求められます。

しかし適性のある人材であれば、未経験からでも十分に育成する価値がある職種。今回紹介したものをひとつのモデルとして、ぜひ自社に合った採用・育成の手法を現場担当者とともに作り上げていってください。

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