採用ノウハウ

逆境に強い人材を採るには、ストレス耐性ではなく「志」を見よ|ヒアリングの技術

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ビジネスの流れが加速し、製品やサービスのライフサイクルが極端に短くなった昨今。どんなに優秀な会社であっても、景気変動や売上不振によって苦境に陥ってしまうことがあります。

会社にとって、採用した人材の真価が問われるのは、経営が苦しくなったときです。その状況で踏ん張り、再び成長するきっかけをつかめるかは、「逆境に強い人材」がどれだけ社内に定着しているかにかかっています。

では、採用面接でどのような質問をすれば「逆境に強い人材」を見分けることができるのでしょうか。今回は、その方法を解説していきます。

「逆境に強い人材」=「根性がある人材」ではない

「逆境に強い人材」を選び出す際にやってしまいがちな失敗として、「根性があるか」をチェックするというものがあります。その手法として、たとえば以下のようなものが採用面接の場で実施されてきました。

①適性検査をし、ストレス耐性の高い人材を選ぶ
②圧迫面接をし、ひるまない人材を選ぶ
③体育会系の人材を優先的に採用する

これらの伝統的な採用手法は、ある程度までは有効な局面もあります。しかし、残念ながら長期的に成果を見ていくとほとんどが的はずれです。それはどうしてか、1つひとつ解説していきましょう。

①「適性検査によるストレス耐性チェック」だけではなぜ意味がないのか?

適性検査でストレス耐性の数値が高い人材は、確かに逆境下でプレッシャーやストレスによって潰れてしまうことはありません。しかし、ストレス耐性が高すぎるというのは、裏を返すと状況や局面に“鈍感過ぎる”ということでもあります。

つまり、目の前で起こっている課題や問題を正しく把握できないため、危機感をバネにして粘り腰で働くことが苦手という欠点があるのです。だからこそ、ストレス耐性の数値だけでは「逆境に置かれたとき能力を120%発揮できる人材」を判別できません。

②「圧迫面接」はなぜ意味がないのか?

圧迫面接は、確かに1対1のコミュニケーションにおいて怒りを抑え、冷静に対処できる人材をスクリーニングするのに有力な手法ではあります。ただし、それはあくまで「短期間において粘り強く対処できるスキル」の有無がわかるだけ。長期的に継続する会社の苦境や不況下での粘り強さを測ることはできません。

また、経験者を採用するための中途採用で圧迫面接を使うと、求職者は会社へのモチベーションが確実に下がった状態で入社することになります。それでは、パフォーマンスを十分に発揮してもらうことは不可能でしょう。中途採用においては、圧迫面接は基本的に「禁じ手」であると肝に銘じてください。

③「体育会系の人材を優先的に採用すること」はなぜ意味がないのか?

遊びたい盛りの学生時代に、ストイックに厳しい部活に打ちこんできた。そんな体育会系の人材は、厳しい状況下でも頑張れるポテンシャルは確実にあるでしょう。ただし、それはあくまで「昔の話」。人の内面は年齢を重ねるにつれ、どんどん変化していきます。その人材が、今も逆境に強い性格かどうかはわかりません。

中途採用において、逆境を耐え抜くスキルを過去の実績から測るならば、学生時代の経験ではなく「直近の職務経歴」を掘り下げる方が確実でしょう。

逆境に強い人材を見分けるための3つのポイント

では、どのような点をチェックすれば「逆境に強い人材」を見分けることができるのでしょうか。具体的には、以下の3点を見ることが重要となります。

①仕事への「志」を持っているか
②前職の業務を、きちんとやりとげているか
③求職者のマインドが社風にマッチしているか

ここでは、これらの意味を順に解説していきましょう。

①仕事への「志」を持っているか

苦しい状況において、最後まで投げ出さずに仕事をやりきれるか。それを左右するのは、体力の有無やストレス耐性ではなく、実は「本当にその仕事が好きかどうか」にあります。人は、好きなものであれば苦労を苦労として認識しなくなるからです。

逆境下で試されるのは、その人の仕事に対する想いであり、志です。だからこそ、面接で確認しなければいけないのは、その人が応募している職種や業務内容への熱意がどれくらいあるか。それを判定するには、「志望動機を徹底的に掘り下げること」が効果的です。

②前職の業務を、きちんとやりとげているか

中途採用において、前職の担当業務や退職理由などをチェックすることは非常に重要です。これらをしっかり掘り下げてヒアリングすることで、その人の仕事に対する基本的な姿勢や考え方が明らかになります。具体的にチェックすべき点は以下のとおりです。

過去の職務経歴で、勤務期間が短すぎるものがないか

2年以下で退職している職務経歴がある場合には、その理由を特に掘り下げて確認します。どんな仕事でも、習熟して一人前になるには約3年はかかるもの。それ以前に辞めている場合には、何かネガティブな理由があるケースが多いのです。

携わった業務をきちんと完遂しているか

在職中に携わったプロジェクトや業務の完了状況をヒアリングし、自分や周囲が納得する形できちんと完遂・離任できているかを確認します。

業務において経験した苦労や逆境に、どう立ち向かってきたか

在職中に経験した苦労や逆境についてヒアリングし、それに対してどのように対処し、どう前向きに解決してきたかを確認します。

これらの質問について掘り下げて聞いていく中で、それぞれの回答に整合性があり、納得感のある内容になっているかを確認しましょう。このとき注意したいのは、スラスラ立て板に水の如く答えることが重要ではないということ。熟考しながら、ゆっくり回答したものであっても、内容がしっかりしていればきちんと評価してください。

③求職者のマインドが社風にマッチしているか

苦しい状況において仕事を完遂できるのは、自分自身の志だけではなく「仲間のため」「会社のため」といった他己的な理由もあります。だからこそ、どんなに大変な業務・業態でも、雰囲気の良い職場や人間関係が良好な会社は離職率が低いものです。これは、多くの方が感覚的に理解できるでしょう。

逆に言えば、社員のマインドが社風にマッチしていれば、その人材はそれだけで「逆境に強い」能力を身につけることができるのです。だからこそ採用面接の場では、会社理念や社風を説明・強調しながら、その内容に共感できるかを求職者に確認してください。

このとき、単純に「◯◯に共感できますか?」というYES/NOで答えられる形式ではなく、「当社は◯◯を何よりも大切にしています。これについてどう思われますか?」といった自由回答形式で聞くようにしましょう。そうした上で、回答を丁寧にヒアリングして掘り下げていきます。

奇をてらう必要はない。オーソドックスな質問こそが、何よりも重要

ここまで見てきた通り、どんな状況でも前向きに業務に取り組める「逆境に強い人材」を見分けるには、採用面接で奇をてらった質問やコミュニケーション手法を試す必要はありません。

志望動機や実績について、オーソドックスな質問を丁寧に掘り下げること。その過程で、求職者の特性を理解すること。それが何よりも重要なのです。

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