採用ノウハウ

客観的データで離職率改善!人事・マネジメント現場での適性テストの活用方法

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適性テストは選考の「足切り」に使うという固定概念が根強く残るなか、近年では、採用だけでなく「退職リスクの予測」や「タレントマネジメント」に活用するなど、人材活用に関する様々な課題を解決するツールとしても進化を遂げています。

今回は、「パーソナリティ検査OPQ」(以下OPQ)を提供する日本エス・エイチ・エル株式会社の武田幸祐さんに、適性テストの選び方やその活用事例についてお話を伺いました。

適性テストを選ぶ前に、「優秀な人材」の定義を整理すべき

「優秀な人材」を採るためには、どのような適性テストを選ぶべきですか。

武田:まずは、「自社」にとっての「優秀な人材」を把握することが非常に重要です。なぜなら「優秀な人材」というのは、企業や職種によって、異なる場合が多いからです。

例えば、ある大企業の営業職では、「育成能力」の高い人が「優秀な人材」かもしれないですし、ある中小企業の営業職であれば、「突破力」のある人が「優秀な人材」と言われているかもしれません。

企業や職種によって、「優秀」や「活躍できる」人物像は、差異があることを理解した上で、必要な人材の基準を明確にし、共通認識を持つ事が重要です。

自社にとって「優秀な人材」であるかを見極めるためのポイントはなんですか?

武田:自社で活躍している人の特徴を一度整理し、その人が持っている「能力」を「客観的」に捉え直してみることが重要です。

自社で成績を残している営業には「エネルギッシュ」な人が多いと思っていても、実際には「繊細で几帳面」な人の方が、営業成績が良かったというケースも往々にしてあります。

活躍する人材の特徴を知るためには、現場の声を聞くことも重要ですが、「客観的な特徴」の把握には行動特性から分析できる適性テストが最も適しています。

自社で活躍する人材の特徴を特定できると視点も変わってくるのですね。

武田:はい。活躍する人物像の特徴を特定することで、現時点で必要な能力が把握できます。さらに将来的な企業の展開を見据えた上で、今後自社の成長に必要となる知識やスキルをそれにかけ合わせて、独自の「優秀な人物像」を作ることができます。

そうすることで、「マネジメントスキルと状況適応力の高い人を中心に採ろう」など、戦略的な採用活動が可能になります。

また、最近では、適性テストを「雇用のミスマッチ防止」目的として使用することも増えてきています。せっかく採用しても「社風が合わない」などの理由で早期退職されてしまっては大きな痛手となるので、採用に十分なコストをかけられない中小企業は、特にそう感じています。

「ミスマッチ」の理由も企業様によって様々ですが、採用のリスクを最小限にするためにも、「何のために、どんな人材を求めているのか」、そして、「どんな特徴をもった人が活躍できそうか」、採用を進める前に整理し、それらを理解したうえで選考で見るべきポイントを設計していく事が重要なのです。

面接の効率化、退職リスクの予測、タレントマネジメント…失敗しないためのOPQ活用事例

適性テストは具体的にどのような形で活用されているのか教えてください。

武田:先述した、自社で活躍する人の特徴を整理し、考えを深めていけば、適性テストは様々な用途で使うことができます。

参考として、弊社の適性テストOPQの活用事例を3つほどご紹介します。

1.面接の効率化

1つ目は、「面接の効率化」を図るために使用される例です。多くの企業は選考の後半で適性テストを行いますが、選考の序盤に利用するケースもあります。例えば、書類選考を通過した方にOPQを受検してもらい、「自社に必要な能力や特性を持つ人材かどうか」、という視点で、それに合致する人と面接するという具合です。

従来の感覚頼みの選考では、「職務経歴書では良かったけど会ってみたら、うちの風土には合わないな…」というように、お互いに時間を無駄にしてしまうこともあります。

その点、適性テストを選考の早期に用いることで、自社にフィットするかを見極めるだけでなく、受検者の特性を面接前に予測でき、ピントの合った想定質問が準備できます。

選考時の見極めのポイントが把握できているのであれば、面接では確認したい点を質問するだけで良いので、「面接時間の削減や効率化」に繋がったという声も上がっていますね。

2.早期離職の防止

2つ目の事例はなんでしょうか。

武田:退職リスクを予測することで、「早期退職者の防止に貢献した」という事例です。常に現場の人手が足りないという企業様の多くは、「とにかく人が欲しい」と大量採用に走りがちです。また、採用した人材が、うまく定着しないというケースもよく耳にします。

そういったケースでは、「早期退職してしまう人材の共通項を特定すること」が重要になります。

我々が担当した案件では、「早期退職者の共通項」を明確にするため、OPQのデータをもとに、早期退職者と定着されている方の性格傾向や行動傾向の違いを分析し、あるタイプの性格傾向を持つ人は1年以内の離職確率が70%になる性格傾向を持つタイプなど、グルーピングをしていきました。

さらに、分析したデータを選考にも活用することで、退職リスクの高い人が持つ特性に合致する人を、選考の序盤で発見できるようになったんです。結果として定着する人材を採用でき、現場の人手不足の解消に繋がりました。

このケースでは、「なぜ、入社した人材がすぐに辞めてしまうのか」、一度時間をかけて見直したからこそ、問題の原因が特定され、事前に退職する可能性の高い人をはじく事ができました。

適性テストを活用することで、「面接時の盛り上がり」などの勘ではなく、 自社の分析結果と応募者のデータを元に冷静に判断する事で、早期退職が是正され、ひいては定着率の向上に繋がることが分かった事例となりました。

3. マネジメントでの活用

採用以外での活用例もあると伺いました。

武田:3つ目の例としては、「社内のタレントマネジメントにおいて、データから適性人材を判断するため」に活用する例です。

タレントマネジメントにおいては、過去の実績や業績、担当案件など表面的な事でしか判断できない (していない)会社も多いと思います。

しかし、「マネジメント職」など特定の役職の場合には、「自社のポストに適した人材に持っていて欲しい能力」が重要で、その指針を行動特性として明確化すれば配置のマッチング精度が高まります。

また、その際の判断材料として、適性テストは有効な手段になりえます。

1つの例として、「社内の人事制度」から見直したいというお話がありました。これまでは、「プレーヤーからマネージャー」に昇進することを前提として人事制度を設計されていた企業様なのですが、プロフェッショナルを目指すラインを新たに設けたいとのお話でした。そこで、マネージャーとプロフェッショナル、それぞれどういった傾向を持つ人が向いているのかを、データ分析しました。

すると、マネージャーになる人は「対人影響力が非常に強い傾向にある」ことや、プロフェッショナルの人は「対人影響力は弱いけれど技術力や分析力が優れている」という違いが出てきました。

ちょうど、次のマネージャー候補を探していたタイミングということもあり、数名いた候補者の中から「対人影響力」がある方に絞って選考を進めていったそうです。このように、社内人事における「必要なポスト」と「候補者」をマッチングさせるための1つの指針として、適性テストが活用される事例もありますね。

「客観性」が「多様性」のあるチームをつくる

中途採用で求める人物像と、実際に活躍している社員の方の特徴に「ギャップがある」ということは多いのでしょうか?

武田:活躍している方のデータを取ってみると、思っていた印象と乖離があることはよくあります。例えば、自社の営業は“人当たりのいい人が活躍している”と思っていて、同じタイプの人を中心に採用しようとなります。

しかし、データを取ってその傾向を見ると、想定と違う特徴が出るということもあります。例えば、OPQでいうと人当たりに関する項目である「面倒み」や「謙虚さ」が低く、その代わり「説得力」や「指導力」など人を指導する能力が優れていたというケースもあるんです。

なぜ、そういったことが起こるのでしょうか?

武田::この原因として考えられるのは「人当たりのいい人」という「言葉の定義」が不明確であるためです。本来であれば一つの言葉から連想される特徴や能力は誰から見ても同一であるべきでしょう。その意味で、適性テストの結果は言葉の認識を合わせるための「客観的な指標」としても役立つのです。

適性テストの結果から自社で活躍する人の「共通項」と「特徴」をデータによって特定し、それをもとに次の採用の「求める人物像」を考えることもできる。このように「印象と実態」の把握や、関係者間での「言葉の認識」を擦り合わせるという場面においても、適性テストは役立つのではないでしょうか。

適性テストの結果をもとに採用を行うと、同じ傾向の人ばかり採用することに繋がらないのでしょうか?

武田::テストを使わずに、面接官の好みや勘などの主観に頼った採用の方が、同じタイプの人が集まりやすくなると思います。というのも、この選考方法ですと面接官の好き嫌いによって判断される場合が多く、その方と合う人ばかりが選ばれていってしまう可能性が高いからです。

カルチャーフィットいう観点では、感覚的な部分ももちろん大事です。ですが、そこに「客観的な指標」というスパイスを加えると、採れる人材の幅はもっと広がります。

客観的なデータによって、「カルチャーフィットしていることだけでなく活躍が期待できる人材に共通する要素」は何か、今社内に不足していて「強化すべきポジションや能力」は何かを判断していく。適性テストをもとに戦略的な採用活動を行なっていくことでこそ、「偏りのない多様性のある組織づくり」に繋がっていくのだと思います。

適性テストにご興味をお持ちいただいた皆さまへ

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