採用ノウハウ

戦力化する人材を見極める。中途採用の現場で適性テストが必要不可欠な理由

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近年、中途採用の選考において適性テストを活用する企業が増えていると言います。しかし、様々なアセスメント手法がある中で、どういったツールを用いればいいのか、またそれをどう活用すればいいのか、頭を悩ませる人事担当者も多いでしょう。

そこで今回は、ビジネスにおける個人の行動特性の測定を目的とした適性テストを提供する日本エス・エイチ・エル株式会社(以下SHL)の竹沢公規さんに、適性テストを導入する企業が増加した背景や企業の適性テスト活用の現状についてお話を伺いました。

採用の「売り手市場」が持つ課題

中途採用の動向について教えてください。

竹沢:採用の売り手市場である今、新卒・中途問わず採用が加速しています。その中で、どれだけその会社や職種にマッチし戦力化する人材を採用できるか、という悩みを多く聞きます。

特に中途採用に関しては、企業の求めるスペックが上がる一方で、応募者の過去の実績だけ見ると、企業側の求めるスペックと乖離が見られたりします。また、未経験者採用や第二新卒採用では新卒採用同様、「ポテンシャル採用」となるので、過去の実績だけでは見極めが難しく、戦力化する人材を見極めるのが難しいというのが現状です。

近年、適性テストを活用する企業が目立ってきました。

竹沢:中途・新卒の採用で適性テストを導入する企業数は、ここ数年の傾向を見ていても年々増しています。

適性テストは、過去の実績だけではない「ポテンシャル」の測定に適していますので、中途採用においても適性テストの導入企業が増加していると考えています。

また、現在40歳前後の「就職氷河期世代」は、多くの会社で管理職になるという時期に差し掛かっていますが、どこの会社もその層の人材が不足しています。そうすると、次世代のリーダーとなる人材が不足し、外部からも採用する必要が出てきます。

そのため、外部から採用するとなった際に、管理職としてのポテンシャルを事前に予測したいというのが、適性テストを導入するという企業が増加しているもう一つの理由だと考えています。近年、中途採用における「応募年齢」が上昇傾向にあるのも、そういった事情があるからですね。

これまでは、特に中途採用ですと「書類選考後、面接のみ」という選考方法が多かったのですが、既存の採用方法に、企業が限界を感じてきています。今までのフィーリングや勘に頼った選考手法で失敗してきた企業も多く、その反省として「データ」から受検者の特性を見て、活躍できる人なのかを「客観的に判断したい」と考えるようになりました。そうした背景と先ほど申し上げた「ポテンシャル評価」をする目的で、適性テストを導入する企業が増えてきているのです。

限界を迎えた従来の採用手法。仕事、ポジションへの「適性」をテストで“可視化”する時代へ

雇用環境の変化なども影響しているのでしょうか。

竹沢:近年、「ジェネラリストよりもスペシャリスト」が求められる風潮が強くなってきています。その背景にあるのは、業務内容の専門化と終身雇用制度の崩壊による転職市場の活性化です。

戦後から高度経済成長期、バブル期にかけての企業採用は、学歴中心の新卒一括採用、年功序列、終身雇用と、いわゆる「日本型雇用システム」の考え方が前提にありました。

そのため、社員の育成方法もジョブローテーションを中心として、営業や人事、経営企画など様々な部署を経験させ、幅広い業務知識を身につけさせる「ジェネラリスト」の育成に主眼が置かれていたのです。

しかし、バブル崩壊後、日本経済は低迷。IT技術の進化やグローバル化の影響もあり、これまで上手く機能していた「日本型雇用モデル」にも限界が出てきました。

また、業務の細分化や高度化が進み、業務の変化やスピードが格段に速くなった事もあり、特定のスキルを持つ人や特定の分野に明るい人など、スペシャリストの必要性が高まってきています。

こうした業務内容の高度化と終身雇用の崩壊による転職市場の活発化が、中途採用市場で「スペシャリスト」のニーズが高まった要因と言えます。

中途採用の現場ではなぜ、適性テストが注目を集めているのでしょうか?

適性テストが注目されている理由は「標準性」と「網羅性」、「妥当性」にあると考えています。

標準性とは、「物差し」としての精度を指します。適性テストは「刺激(設問)に対する反応の個人差」を比較母集団(=日本の成人)と比較して定量的に表す事が可能な道具です。

網羅性とは、「測定領域」を指します。現在、様々な適性テストがありますが、それぞれ複数の領域を測定しているものが多く、面接などの手法に比べると網羅的に受検者に対する情報を収集する事が可能です。

最後の妥当性とは、「測りたいものが測れているか?」というものです。適性テストのある得点と入社後の業績等に関係性が見られる場合、妥当性があると判断されます。

中途採用で適性テストを活用する事で、限られた面接時間で収集された情報を補完し(網羅性)、かつ採用職種毎に求める能力の見極めを面接とセットで行い(妥当性)、かつ定量的かつ客観的な形でデータが提供される(標準性)という点からメリットがあると考えられます。

人材の流動化が高まるなか、中途採用で重要視されてきているのが「自社の風土に合い、戦力化する人か」です。その「戦力化」の部分の判断材料の一つとして適性テストを活用する企業が増えてきています。

適性テストは「ミスマッチ防止」の事前対策にも活用されている

適性テストにはどんな種類があるのでしょうか。

竹沢:一般的に適性テストは「能力検査」と「性格検査」の2つから構成されています。

能力検査には、学校の入学試験などのイメージに近い一般知能を測定するものから、一般常識テストや論理的思考力に特化したものなど様々な種類があります。「学力」と言われる「知識」に関連するものは履歴書などで確認も可能です。弊社では、論理的思考力や頭の回転の速さといった、実際の職務遂行において必要とされる「知的能力」に特化した知的能力テストをご提供しています。

性格検査は、「内田クレペリン検査」や「YG性格検査」などが有名です。受検者の思考的側面や感情的側面を測定したり、性格類型に分類したりと様々な種類の検査があります。弊社SHLの商品“OPQ “もこの性格検査の一種となっています。

企業は適性テストをどのように活用しているのでしょうか。

竹沢:中途採用の選考で用いられるのはもちろん、入社者の適材配置や社内での昇進昇格、異動などにも活用されています。

例えば、選考の場面では、適性テストの結果をもとに受検者の「強み弱み」や「行動特性」を事前把握し、採用候補者の「仮説情報」を立てて面接に臨むことで、その時間を有効に活用したいとする企業もあります。

また、社内での配属転換の際に、適性テストの結果からその社員が「何に向いているのか」を知った上で、既存人員とのバランスを踏まえ、「どこに配属すべきか」を検討するための判断材料として活用する場面も見られますね。

なかでも最近増えているのが、「雇用のミスマッチを防止」するために適性テストを活用するケースです。

「自社に合うかどうか」という視点は、面接などを通した印象評価で評価されますが、「自社に合う=戦力化する」ではありません。戦力化の視点でのミスマッチを防止する為に適性テストは活用されます。

この時に大事になるのが、「採用基準の明確化」です。

いま自社に必要なのは、どんな職種のどんな人材なのか、その中でもどういった特徴を持つ人が、自社にフィットし活躍しているのか。そこがはっきりしないまま、選考を始めてしまうと、ミスマッチが発生し、早期離職に繋がってしまうので、求める人物像は明確にした方がいいでしょう。

良い人材の“行動特性”が分かれば、良い人材か“予測”できる

採用の現場でよく聞く困りごとは何でしょうか?

竹沢:面接で採用候補者の「ウソが見抜けない」、せっかく採用した人材が、入社後に「風土が合わず、期待した活躍ができない、あるいは早期退職する」などが挙げられますね。

当社のライセンス元である英国SHL社での研究によると、適性テストは面接に比べ、入社後の業績評価の予測力が高いと言われています。適性テストを上手く活用し運用すれば、採用の現場の課題も解消でき、面接よりも高い確率で良い人材を見つけることができるのではと考えられています。

日本エス・エイチ・エルが提供する適性テストの特徴を教えてください。

竹沢:弊社が提供する適性テストは、「知的能力」「パーソナリティ」「価値観」「意欲リソース」など様々な種類があります。

その中で、代表的なものは「知的能力」と「パーソナリティ」です。

知的能力については先ほどお伝えした「論理的思考力」や「頭の回転の速さ」といった実際の職務遂行に関連する能力を測定している事が特徴です。知識を問う問題のように「覚えたら得点が上がる」というものではない為、傾向と対策が難しい設問となっています。

パーソナリティについては、受検者の行動スタイルの測定を目的としています。 もっと詳しく言うと、パーソナリティを「ある人の、典型的な、または好む行動スタイル」と定義しています。くだけた言い方をすると、「本人が取りがちな行動とそうでない行動」です。

仕事の成果にダイレクトに繋がる要素はその人の「行動」です。ひいては、それがコンピテンシー(行動特性)となります。この「行動のスタイルの個人差」の把握がOPQで一番力を入れている部分となっています。

「OPQ」とはなんでしょうか?

竹沢:OPQとは、「Occupational Personality Questionnaire」の略で、弊社ではパーソナリティ検査と呼んでいます。

OPQを受検頂くと、「独自性」、「創造的」、「心配性」などの30ある行動因子(その人の行動を構成する要素)がそれぞれ数値化され、「人との関係」「考え方」「感情・エネルギー」という3つの評価軸からなる「パーソナリティ・チャート」で受検者の行動のスタイルを表します。

採点結果としては、他にも職務遂行上必要とされるチームワーク、創造的思考力、プレッシャーへの耐力など9つからなる「能力特性(コンピテンシー)」も予測できますし、受検者の強みや弱み、職務適性、マネジメント資質などもみることができます。

他社の適性テストとの比較では、OPQは測定領域が広く、様々な職種の成果に直接つながる部分の「行動」のみを計っていることが特徴と言えるでしょう。

ビジネスシーンに特化していると。受検者のウソも見抜けるのでしょうか?

竹沢:はい。また、OPQは4問2択形式の強制選択方式を採用しており、作為的な回答がしにくいという研究結果が出ています。作為性を極力排除することにより、その人本来のパーソナリティが明らかになるわけです。

1970年代前半のイギリスで約4年間、さまざまな仕事の行動調査を行い、研究の結果開発されたのがOPQです。OPQの信頼性(テストに誤差が含まれず、何度受けても同じ結果が出るかどうか等の品質を表す指標)としては、信頼性係数が0.7以上確保されているものを提供しています。ですからOPQを一度受検すれば、何度受けても、ほぼその通りの結果が出るわけです。

また、妥当性(測りたいものが測れているかどうか)という観点でも、精度は高いです。OPQは、業績評価、新規営業獲得件数、早期退職者などといった仕事に関わる外部指標との関連があるかどうか、導入企業国内500社以上を対象にデータ検証しています。例えば、ある因子の得点が高い人が多い企業ほど、業績が高いなどです。これを500以上の仕事に関して分析をし、何らかの関係性が、ほぼ得られています。

この適性テストを使用することで、面接でのウソを見抜くだけでなく、様々な企業風土や職種における「良い人材」の予測もしやすくなるのです。

どういったきっかけで導入する企業が多いのでしょうか。

竹沢:先述した、短時間の面接だけで応募者の全てを知るのはどうしても無理があり、本当のパーソナリティを上手く見抜けない場合を考えた際のリスクヘッジが一つ。

また、適性テストで応募者の性質を網羅的に把握し、面接では自社にとって重要な特定の部分を深掘りするという組み合わせによって、より適切な人材を見極めるためなども多いですね。

それによって、応募者側からしても多様な観点から自分のことを判断してくれている、といった納得感を得てもらうこともできます。

具体的に、どんな業種で、どのように活用されているのでしょうか。

竹沢:業種問わず幅広い業界でご利用いただいており、最近では、独立行政法人や市役所、自治体の導入も増えています。

導入後の活用例としては、適性テストを活用し、マッチングのため応募者のスクリーニングをする。入社後は、早期段階で戦力化し会社に定着してもらうために、入社前に行った適性テストの結果を新入社員の育成や教育、配置を行うのに積極的に活用する。そして将来の採用活動のため、既存のデータをさらに分析する。といった方法があります。

OPQのサンプルを受けていただいて、実際に効果を感じ導入される企業様も多くいらっしゃいます。手軽に試せるので、是非ご受検いただければと思います。

適性テストにご興味をお持ちいただいた皆さまへ

下記リンク先のお申し込みフォームをご入力いただくことで、最大2名様までサンプル受験いただけます。サンプル受験の結果はSHL担当者より活用方法と共にご案内申し上げます。ぜひこの機会にお申し込みください。

サンプル受験のお申し込みはこちらから(無料)

【ご注意】 個人、及び人材サービスなど同業者様からのお申し込みはお受けできません。また、既にSHLテストのお取引があるなど、上記以外であってもお申し込みをお断りする場合がありますこと、予めご了承ください。

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