採用ノウハウ

決め手はUIJターン後の不安払拭――地方就職希望者を採用するためのポイント

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近年、様々な理由から、自分の生まれ故郷など、大都市以外で働きたいという転職希望者が増えています。慢性的な人手不足の流れを受け、こういったUターン、Iターン、Jターン(以降はまとめてUIJターン※と記載)での求職者をターゲットにした採用枠を設ける企業も増加中です。

しかし、UIJターン希望者を対象にした採用活動は、意外に難しもの。通常の採用プロセスに対して、もう一工夫重ねることなしには、上手くいかないケースが少なくありません。そこで本稿では、UIJターン希望者の採用活動において、問題となりやすいポイントや、UIJターン採用を成功させるための秘訣を解説します。

    UIJターンとは
  • Uターン…地方で生まれ育った人が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷に転職すること。
  • Iターン…都心に生まれ育ち、都市の企業に就職した人が、その後地方の企業に転職すること。
  • Jターン…地方出身者が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷近くの地方大都市圏や中規模な都市の企業に転職すること。

UIJターン採用がうまくいかない最大の理由は、条件面のミスマッチ

UIJターンでの求職者は、通常の中途における求職者と「就職観」が異なります。通常の中途採用では「やりたい仕事」や「キャリア」、「収入アップ」を軸に転職活動を行う求職者がほとんど。一方で、UIJターンを希望する求職者が転職活動において重視するのは「勤務地」であることが多い傾向にあります。

なぜ求職者は「勤務地」にこだわるのでしょうか?それは、「生活」に対する以下のような課題をそれぞれ抱えているからです。

  • 地方に住む家族を近くで介護する必要が生じた。
  • 都心に比較して住環境の良い地方で子育てをしたい。
  • 通勤時間が短く、物価も安い地方で生活を充実させたい。

このように、UIJターン転職を目指す目的は「仕事」そのものにあるのではなく、大都市以外での地域で仕事をすることで、「仕事」と「生活」のバランスを取ることが多いのです。

ですから、UIJターン採用がうまくいかない場合、人事担当者や経営者はUIJターン希望者の就職観や転職ニーズを適切に見極める必要があるかもしれません。

例えば、UIJターンを希望する求職者は、基本的に転職後の土地に定着することを望み、会社都合での転勤を嫌います。それにもかかわらず、企業側から提示された求人票の採用条件欄に「転勤の可能性有」と書いてあったらどうでしょうか?彼ら彼女らの求職ニーズに合わない就業条件では、採用面接を辞退されてしまう可能性があります。

また、求職者との採用面接において、転勤可否を問う質問に対して消極的な回答が返ってきた際、つい「やる気がないのでは?」と面接評価を下げてしまってはいないでしょうか?それは、「やる気がない」のではなく、UIJターン希望者の転職活動における前提条件なのです。UIJターン採用の場では、企業側と求職者の間に意識のギャップが生じているケースも多々あるのです。

UIJターン採用に特化した4つの採用戦略

    UIJターン採用に特化した4つの採用戦略
  1. 地域総合職(転勤なし)と総合職(転勤あり)を明確に区分する
  2. 福利厚生面での配慮
  3. 優秀な人材には思い切って給与を上乗せする
  4. 副業許可やリモートワークなど、柔軟な働き方を支援する

UIJターン採用を成功させたいと願うのであれば、まずはUIJターン希望者のニーズをよく知り、求職者の転職後の悩みや課題に寄り添うような採用活動を行うほうがよいでしょう。

そのためには、付け焼き刃的に面接手法を少し変えればいいというわけではありません。長期的な施策として、人事制度や付随する福利厚生の見直しを含めた、UIJターン独自の採用戦略を打ち出していく必要があります。

先述した通り、求職者の転職後の最大の関心事は「生活」です。具体的な方向性としては転職希望者の「就職後の生活基盤」を会社として最大限配慮した就業条件を用意することがカギとなります。

具体的には、以下のような制度や施策を検討してみると良いでしょう。

1.地域総合職(転勤なし)と総合職(転勤あり)を明確に区分する

UIJターン希望者に対して、通常の総合職(転勤あり)とは別に地域総合職(転勤なし)のキャリア区分を用意しましょう。すぐにはこうした制度の見直しが難しい場合でも、何らかの書面などで、求職者に「転勤がない」ことを確約する趣旨の説明を行うことが大切です。

せっかく地域に根ざした生活をスタートさせたいのに、すぐに転勤させられるような採用条件では、安心して入社することができません。

2.福利厚生面での配慮

UIJターン希望者の切実な悩みは、「就職後の生活基盤」です。給与水準が下がる中、遠方の慣れない環境へ適応するため、引越し費用や新生活での支出によって、移住当初はどうしても経済的な負担がかかるもの。

できれば「借り上げ社宅」や「社員寮」を整備したり、引越し費用の一部を会社負担とする制度を用意したりしたいところです。福利厚生面での、より一歩踏み込んだ配慮が、UIJターン希望者の転職を決意させる最後の決め手になることも少なくありません。

3.優秀な人材には思い切って給与を上乗せする

転勤の有無と共に、UIJターン希望者が最も悩むポイントが、転職後の給与水準です。求職者の意識の中でも、物価水準にあわせて、ある程度の給与額の低下は覚悟が出来ているケースが多いです。

しかしこれに甘えて、大都市圏に対して抑えめの給与額を他社同様に設定していては、なかなか良い採用はできません。「これは!」と感じた求職者に対しては、思い切って地方基準で設定した額に上乗せした給与を提示することも大切です。

4.副業許可やリモートワークなど、柔軟な働き方を支援する

子育てや介護など、個人的な事情から、生活面での課題を抱えていることが多いUIJターン就職希望者。そんな求職者に、より先進的で柔軟な働き方を提示できる社内体制を整えることで、あなたの会社のUIJターン採用での競争力は飛躍的に高まります。

たとえば、転職後の給与面での落ち込みを自助努力によってカバーできる「副業許可」や、急な生活トラブルにも柔軟に対応できる「リモートワーク」制度、「フレックス勤務」制度などをいち早くUIJターン希望者へ適用しましょう。

UIJターン採用の成功率を高める5つのフォロー施策

    UIJターン採用の成功率を高める5つのフォロー施策
  1. UIJターンならではの採用活動を行う
  2. ハローワークやローカルメディアを徹底活用する
  3. 入社後の条件を書面で明示して説明する
  4. 配属予定部署の責任者を採用プロセスに参加させる
  5. SkypeやWeb面接を徹底活用。Face To Faceのやり取りにこだわる

求職者の心をつかむため、採用プロセスにおいても一工夫入れる必要があります。カギとなるのは「フォローアップ」。UIJターン採用に特化した説明資料や求職者一人ひとりに向き合う選考体制を整えることで、求職者の不安や悩みと向き合うことで、安心して入社してもらえるようになるのです。

具体的には、採用活動において以下のような施策を検討してみるとよいでしょう。

1.UIJターンならではの採用活動を行う

UIJターンの求職者のニーズに特化した説明会資料や求人票を用意しましょう。また、UIJターン向け専用の採用Webページ、問合せ窓口を設けるのも効果があります。さらに、都市圏の就業者をターゲットとした定期的な会社説明会や自社アピールコンテンツWeb上に掲載するのもよいでしょう。

2.ハローワークやローカルメディアを徹底活用する

UIJターンの場合、ハローワークの担当者や、採用地で力のあるローカルメディアが、様々な局面で求職者と企業の間に立ってきめ細かいフォローアップを行ってくれるケースもあります。通常使っている求人媒体と積極的に併用してみましょう。

3.入社後の条件を書面で明示して説明する

UIJターン希望者の関心事は、地方移住後の「生活」です。給与・勤務条件・福利厚生・大都市圏との給与格差・転勤有無など、採用条件は「書面」で明示しつつ、きっちり説明を行って下さい。

4.配属予定部署の責任者を採用プロセスに参加させる

配属予定部署の責任者を説明会や採用面接の早い段階で求職者と引き合わせることで、求職者に安心感を与えることができます。

UIJターン採用の場合、生活基盤に大幅な変化を伴う転職となるため、採用後の職場環境における世話役が採用プロセスの初期段階から「顔」を見せることによって、UIJターン希望者の不安を払拭できるでしょう。

5.SkypeやWeb面接を徹底活用。Face To Faceのやり取りにこだわる

遠隔地での採用のため、採用面接や内定後のフォローアップなど、求職者とのコミュニケーションがどうしても文書ベースでのやり取りになりがちなUIJターン採用。

そこで、直接会って会話するのが難しい局面でも、極力SkypeやTV会議システムを活用するなど、画面越しでもよいので「Face to Face」でのやり取りにこだわるようにしましょう。顔を合わせて会話することは、求職者との信用醸成に欠かせません。

まとめ

UIJターン採用を行う際は、通常の中途採用とは違ったアプローチが有効となります。入社後、安心して就業が開始できるよう、求職者へ最大限配慮した会社制度を整えつつ、採用プロセスでのフォローアップを欠かさないようにすることで、良い人材を集められるようになるでしょう。

そのために人事担当がやらなければならない行動事項は多岐にわたります。できるところから手を付けて、より良いUIJターン採用に繋げてください。

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