採用担当が理解しておきたい -数字で読み解く自分の会社-
目次
アウトソーシングテクノロジーの若林です。今回は、自社の魅力を正しく伝えるために必要な「数」について考えていきたいと思います。
入社を決めて頂くまでの過程で、応募者から信頼を獲得しなければならないのが採用業務。
言葉で自社の魅力をお伝えするだけでなく、具体的な数値を交えて自社の状況を伝えることが出来るようになると、応募者が受ける印象も変わり信頼を獲得しやすくなるため、採用力も向上してきます。
では、どのようなカテゴリ・項目で自社の魅力を伝えていければ良いのか。自社の企業文化や数値の内容や状況によって出せる出せないはあるものの、広く考えていきたいと思います。
自社の規模を伝えるための【数】
まずおさえておきたいのが、自社の規模を表す数です。例えば在籍人数は、どれだけの数の人を雇用出来る体力があるかどうかを示すことに使えますし、逆に敢えて企業規模を大きくせずに少数精鋭でやってきたことを示すことにも使える、ベースとなる数字です。
どんな企業規模であっても、今までの企業の歴史背景や企業としての考え方など、なぜ今その企業規模であるのかを説明できるようにしておきましょう。
その他、在籍人数以外にもグループ会社を連結した際の在籍人数、グループ会社国内・海外のそれぞれの数などを把握しておきましょう。
働きやすさを伝えるための【数】
次は、福利厚生など働きやすさを伝えるための数です。有給取得率や平均残業時間を始め、働きやすさを示す数はおさえておきたいところです。
離職率はもちろんですが、5年以上勤続している社員割合、各世代の社員割合、40歳以上の直近の入社数、持ち家社員比率、現在までの定年退職者数なども説明できるようにしておくとよいと思います。
全ての情報を出す必要はないのですが、調べて把握することで、自社としてPRしたい(したほうが効果的な)数値が出てくる可能性があります。自分が思っていたよりも高い数値が出ることもあるので、是非一度確認してみてください。
給与についての【数】
続いて、応募者が1番気にする給与についての数です。給与については、平均年収、平均年齢がベースになるかと思います。
その他、非常に重要なポイントになるのは、入社後の努力に会社がどう応えているかを示す数です。
例えば、その年の〇〇〇〇円以上の高額昇給者が何人いる、会社に利益貢献することで1回のボーナス〇〇〇万円以上出てる人がいる、どんな時にインセンティブがどれくらい出るなど、自身の努力に応じてどれくらい還元が発生するかを伝えること。
入社後の期待値を高めることは、内定承諾の後押しになる可能性が高いと言えます。
会社成長の伸びしろを伝えるための【数】
最後は、会社のこれからの数です。今まで、自社の規模・働きやすさ・福利厚生・給与面についての数を見て来ましたが、会社が掲げる中長期戦略の提示も必要に応じて話せるよう準備しておく必要があります。
営業戦略・採用戦略・社員育成に向けた取り組みなど、会社が大きく掲げている中長期の戦略で社会にどういう働きかけを行っていくのかは、数値を元に話をしたいところです。
例えば、弊社、アウトソーシングテクノロジーの場合は技術者派遣会社なので、中途採用と新卒採用の年間採用目標数や、研修制度を介して技術者としての一歩を歩み始めた人数、現在の成長率を示すために3年前の自社の株価と現在の株価をそれぞれ把握し、何%UPしているかを伝えることなどで対応しています。
株価の面については、投資家からの評価が現れているので、新卒には伝わりづらいかもしれませんが、30歳以上の応募者にはどれくらい凄いことかを理解いただけるので、積極的に伝えるようにしています。
さいごに
家賃補助や出張手当金額など、普段から社員規則に記載されている数ではなく、自社の現在の状態を把握するための数について考えてみました。
私がここに提示する項目以外にも、皆さんの会社ならではの数、得意とすることで他社との差別化が提示できる数があると思います。是非一度社内で「どんなことが知りたいか」「うちのいいところはどこか」などをディスカッションして、どんな数を揃えれば良いかを検討していただきたいと思っています。
集めた情報は、きっと皆さんの会社パンフレットに載せるための情報となりますし、応募者だけでなく紹介会社の営業担当者、求人広告を作ってくれる営業担当者など、誰かに自社の魅力を伝えるときに皆さんの武器になるはずです。
みなさんの会社の個性が、正しく伝えきれるような採用活動になることを祈っています!
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