「実行力」~目標の実現に向けて最後までやり抜く能力~|ビジネススキルの見極め方

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「実行(execution)」という言葉は、辞書的には「実際に行うこと」の短縮系。「実際に」という部分が「実現する(realize)」という意味を示し、一方で「行う」という部分は単に「行動(action)」という意味にすぎません。つまり、“実現できたかどうか”が非常に重要です。

こういった意味を踏まえれば、「実行(execution)」の派生語として「経営者・管理者(executive)」という言葉があるのも頷けます。経営者はもちろん、管理職に就く人は、指示されることなく、目標を実現するには何をすべきか、自分で決めて動き出すことが求められるのです。

このように、マネージャーやリーダーに必要不可欠な「実行力」。果たしてそれはどんなところに表れ、採用などの場面ではどう見極めればよいのかを、考察していきたいと思います。

実現可能な高いゴールを精査する

物事を実行させるためには、まずは「目標」や「理想」という、実現したいゴールを設定する必要があります。

ゴール設定は自主案でも与えられたものでも構いません。重要なポイントは、それが本当に実現できる「現実的なゴール」なのかが検討されていたかということです。

オーダーが非現実的であった場合、ゴールの設定を修正することも時として必要です。

ここで注意すべきが、「現実的なゴール」とは「達成しやすいゴール」という意味ではないことです。努力すれば実現可能なギリギリのラインにゴールを設定することが、実行するための第一歩となります。

鉄の意志で計画を行動に移す継続力

実行力のある人はゴールを設定したら、次はそれを細かいアクションプランに落とし込む計画を立てていますので、その点を細かくヒアリングしてみるとよいでしょう。ここでは「段取り力(https://careerlab.tenshoku.mynavi.jp/knowhow/knowhow-6650/)」も問われますので、目標を実現するためにはほかのスキルも必要になることを念頭に置きましょう。

実行の次のステップは、この段取りした計画をひとつひとつ行動に移していくことになります。「計画を行動に移す」というのは言葉で言えば簡単ですが、実際にはそれが難しいもの。なぜなら、突発的なアクシデントが起きたり、優先順位の低い案件を指示されたりと、いろいろな障害が起こるからです。

もちろん、計画変更を迫られるような事態であれば柔軟な対応が必要ですが、そうでなければ、計画の遂行を阻害してくるものに対しては、鉄の意志で対抗しなくてはなりません。日本人はどうしても「NO」が言えず、本来すべきことを差し置いて、強く要望されたことをしてしまいがちです。

しかしそんなことをしていては、せっかく立てた綿密な計画も意味をなしません。やるべきことは万難を排してもやる。こういった鉄の意志を持っているかが、実行力には不可欠な要素なのです。

「任せて任さず」の意識でフォローするマネジメント力

大きなゴールであればあるほど、単独ではなく複数のメンバーと分業して実行することになります。自分が担う業務については鉄の意志で行うに尽きますが、問題は他のメンバーが同じようにしてくれるかどうかです。

経営の神様とも呼ばれる松下幸之助さんの有名な言葉に、マネジメントの要諦として「任せて任さず」というものがあります。任せるということは放り出すということではなく、最後の責任は全部自分にあると考えて、任せたものに対して常に関心を持って注意しておく、という意味です。

実行力のある人は、自分のことだけでなく業務分担したメンバーの行動もしっかり見ています。そして、もしメンバーの分担領域に問題が発生した場合に、自分で巻き取ったり他のメンバーに協力要請したりして、計画を確実に遂行することができるのです。

100.5%の達成目標を立てる先見性

楽天株式会社の創業者である三木谷浩史さんの著書「成功の法則92ヶ条」で示している「三木谷曲線」によると、99.5%まで仕事をする人はたくさんいて差がつかないが、最後にする0.5%の努力の差が大きな結果の差を生む、とされています。

普通の人であれば、ゴールまでの道のりの99.5%まで来れば、「もう、ほぼゴールインと同じ」と認識することでしょう。しかしそこで気を抜かず、最後まで100%を目指す。さらには100.5%まで走り抜くつもりでやってみることで、ようやくゴールとして目指していたものを確実に実現することができるのです。

このように一歩先までを見据える視点を持っていなければ、ほぼ手中に入れていたはずのゴールを最後の最後で失ってしまう可能性すらあるでしょう。

求職者の「実行力の有無」を見抜くには?

実行力は結果に大きく影響を与えるものでありながら、過去の業績や成果だけに注目していては、浮き上がってこないものです。

求職者の「実行力の有無」を見抜くには、これまで述べたような「確実なゴール設定を決める過程やそのときの社内状況」「細かな行動計画」「任せきりにしない適切なフォロー内容や業務把握力」を示すようなエピソードがあるかどうかを聞くようにしましょう。

過去の業績が良くても、そもそも設定が低くて簡単に到達するゴールだったのかもしれませんし、追い風で順風満帆に進捗したラッキーヒットだったのかもしれません。実際の面接では、その業績や成果のプロセスに、どのような障壁やトラブル・苦難があり、それをどのようにして乗り越えていったのかを聞き出すことが肝心です。

実行力がある人材は、採用後すぐにでも活躍してくれる可能性があります。特に中途採用でそういった人材を獲得できれば、きっと大きな力になることでしょう。