採用ノウハウ

求職者の気持ちは“しぐさ”に表れる。有名心理学者が教えるホンネの見抜き方

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人事のみなさんは、今まで一度は「採用面接で求職者に嘘をつかれて、入社後に痛い目を見た」という経験があるのではないでしょうか。また、嘘とまでは言わなくとも、入った後にマインドやスキルに期待とのギャップがあり、それが原因でトラブルになるケースもあるでしょう。

このような事態を回避するために、採用面接ではどのような対策をとるべきなのでしょうか。そのひとつとして、求職者の発する言葉の内容ではなく「行動」を元にして、相手の本音を見抜くという方法があります。

今回は、ビジネス心理学の第一人者であり『「人たらし」のブラック心理術』『【図解】読心術トレーニング』など多数の著書を持つ内藤誼人(ないとう・よしひと)さんに、求職者のふとした表情の変化やしぐさから心理状態を見抜く方法を伺いました。

質問への拒絶が現れる「微表情」。その時間はわずか0.1秒

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単刀直入に聞きたいのですが、そもそも表情やしぐさから求職者の本音を見抜くことは、本当に可能なのでしょうか?

内藤:結論からいえば、「イエス」です。面接者の質問に対して、求職者がどのようなしぐさをとるのか、あるいはどんな表情を顔に浮かべるのかをきちんと判断すれば、求職者が考えていることは手に取るように見えてきます。

私たちは、自分の感情をある程度までは偽装することができますが、感情自体を消すことはできません。そのため、本当の感情は、ほんの一瞬だけ表情に表れてしまうのです。これを「微表情」(マイクロエクスプレッション)といいます。カリフォルニア州立大学のポール・エクマン教授の造語です。

微表情……?具体的には、どんな反応が顔に表れるのでしょうか?

内藤:たとえば、「あなたはこの3年間で、4回も転職なさっているのですね」と面接官が質問したとしましょう。そして、求職者は「できればその話題には触れてほしくなかった」と考えていたとします。

こんなとき、ほんの一瞬なのですが、質問を受けた瞬間に眉をひそめたり、不愉快そうな顔を見せたりするはずです。「嫌な質問をするなよ」という不快感が表情に出てしまうのですね。この微表情は、時間にして0.1秒ほど。すぐに消えますが、一瞬だけ臭いものでも嗅いだような不愉快な顔をします。

0.1秒とは、本当に一瞬ですね。きちんと求職者の顔を見ておかなければ全く気づけないでしょう。

内藤:たいていの人は、なるべく自分が不愉快であることを悟られないようにするため、すぐに表情のコントロールをします。見抜く勝負は一瞬です。求職者が無自覚のうちに発している大切なシグナルを見落としてしまわないように注意しましょう。

ネクタイをしきりに触る求職者は、嘘をついているかも?

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表情以外に、求職者の心理状態が表れるしぐさはありますか?

内藤:求職者が緊張しているサインを見分ける方法はあります。緊張している人は、喉の下あたりにあるくぼんだ場所、専門的には「頚切痕」と呼ばれる部位をよく触ります。この部分には迷走神経などの神経が豊富に走っていて、やさしくなでていると気分が落ち着いて、心拍数が下がるのです。

そして、この頚切痕のある部位というのは、男性でいうとちょうどネクタイがあるところです。そのため、ネクタイの結び目あたりをしきりに触っている人は、間接的に自分の頚切痕のあたりをなでて自分を落ち着かせようとしています。女性の場合は、ネックレスを手でもてあそぶようなしぐさをすることが多いです。

そうしたしぐさによって緊張を見抜くことで、面接にどのように役立てることができますか?

内藤:例を出しましょう。

「給料は安いと思いますが、大丈夫ですか?」 「地方への単身赴任はできそうですか?」 「最初は見習い期間がありますが、よろしいですか?」

面接官にそう質問されたとき、「はい、大丈夫です」と答えながら、自分のネクタイをしきりに触っている求職者がいるとしましょう。

その人は、本音では、「はい」と答えたくなかったのかもしれません。つまり、嘘をついていて、その緊張を隠すために、頚切痕(けいせっこん)を触って落ち着かせようとしている可能性があります。

「この回答は嘘かもしれない」と判断できるのは大きいですね。そのほかに、嘘をついている人に見られる特有のしぐさはありますか?

内藤:シャツの首元に指を入れるなどのしぐさも見られます。嘘をつくと身体が熱くなるので、シャツを緩めて冷たい空気を取りこみたいと無意識のうちに思うからでしょう。

さらにいうと、嘘をつくときには体温が若干上がるので身体がむず痒くなります。そのため、鼻や手を掻くようなしぐさが見られることも覚えておくとよいでしょう。

口元に手を伸ばすのは慎重派?余計なことを言わないか警戒している

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ここまで、求職者の拒絶や緊張の反応について伺ってきました。他に、もっと本質的に求職者の特性を見抜けるような方法はありませんか?

内藤: オックスフォード大学のピーター・コレット教授によると、私たちは自分の言葉をしっかりとコントロールしながら受け答えをするとき、質問をされた際に口元やあご周辺に手をやるしぐさをよくするそうです。

頭の中で返答する内容を考えながら、おかしな答えをしないように注意しています。自分の長所をうまくアピールしたいとか、悪い印象を与えないように、言葉を選びながら答えようとしているのです。

言葉を選ぶと、なぜ口元やあごに手が行くのですか?

内藤:うっかり口を滑らせないように無意識に自分を抑えようとするからです。つまり、「自制のジェスチャー」なのでしょう。言うまでもなく、言葉には形はありませんから、いったん口から出てしまったら元に戻すことはできません。

けれども、心理的には、「おかしな言葉が出そうになったら、すぐに手で口の中に押しこんでやる」という気持ちが働き、そのため手を口元にやって押し込む準備をしているのだと考えられます。唇に触れたり、指を唇にあてたりするのも、同様のしぐさですね。

そういうしぐさをする求職者の傾向とは?

内藤:おかしなことがうっかり口から飛び出たりしないよう、あるいは飛び出してもすぐに口をふさげるように、手を口元に置いて不測の事態に対する準備状態を作っています。

手を口元にあてながら質問の受け答えをする求職者は、性格のタイプでいうと慎重派。あるいは計画性の高い人であるともいえます。うっかり失言をしないよう、自分の行動をコントロールしたいという欲求を強く持っているのです。

しぐさひとつでここまで求職者の心理を見抜くことができるのですね!今回はどうもありがとうございました。

嘘をついている気配を見抜き、精度の高い面接を

今回ご紹介したしぐさが面接中に出たからといって、必ずしも「嘘をついている」「本音は別にある」と断定することはできません。しかし、回答を受け取る際のひとつの判断材料にはなるはずです。「嘘かも」と思ったら、さらに深堀りしたり、別の角度から質問したりすることで、真偽を確認できるでしょう。

どんなに本心が隠すことがうまい求職者でも、無意識のうちにしぐさとして出てしまう感情は隠せません。ポイントを押さえ、精度の高い面接を実施しましょう。

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