採用ノウハウ

3つの失敗談から学ぶ採用の心得|採用しくじり先生 俺みたいな人事担当者になるな!!

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採用の成功事例と比較すると、採用の“失敗事例”を語りたがる人事担当者は少ないものです。それもそのはず。多くの企業にとって、失敗事例とはなるべく隠しておきたいネガティブな情報。それを語るなどもっての外だというのが一般的な考え方でしょう。

ですが、普段は語られることのないその情報にこそ、採用成功のヒントは隠されています。なぜなら、失敗の原因を分析することで、その企業が採用において抱えている課題が浮き彫りになるからです。

ここでは、3人の人事担当者にご登場いただき、採用における失敗談を語ってもらいました。各エピソードから、採用業務のエッセンスを学んでいきましょう。

しくじりケースNo.1 大企業に勤めていた人をベンチャー企業で採用したら、全く力を発揮してくれなかった

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【人事担当者プロフィール】
Tさん。30代女性。ITベンチャー企業に勤務。この道10年以上の大ベテラン。

Tさん:私が失敗したのは、過去に大企業出身の営業を採用したときでした。「前職では企業トップレベルの成績を収めていました」と話していたから、すごく期待していたんですけど。実際に働き始めたら、なかなか成果を上げてくれないだけではなく、不満を漏らすことが多くなって。

具体的には、どのようなことに不満を言っていたのでしょうか?

Tさん:「社内の教育制度が整っていないから、仕事の仕方を体系的に学ぶことができない」とか「担当する業務の幅が広すぎて、自分の得意なものに集中できない」という内容が主でした。何度か説得はしてみたんですが、会社の風土が合わなかったのか、やる気をなくしていって。結局は数か月で辞めてしまいましたね。

大企業で活躍していたはずのその人が、御社では今一つ力を発揮できなかった。その原因ってどのような部分にあると思いますか?

Tさん:私たちのようなベンチャー企業と大企業とは、文化が全く異なっています。その文化の違いが合わなかったのかなと思いました。

大企業の場合だと、既に様々なルールが作られており、部署ごとの仕事も明確に分けられています。それに、社内の教育制度も整備されている。だからこそ、仮に本人が受動的な性格だったとしても、大きな問題を起こさない限りは仕事をしていけるんですよね。

一方、ベンチャー企業の場合って、会社の仕組みやルールがほとんど整っていない場合が多い。だからこそ、待ちの姿勢ではいつまで経っても仕事を覚えることはできません。混沌とした状態の中で上手くやっていけるスキルが必要になってくるんです。このスキルのことを私は“カオス耐性”と呼んでいます。

“カオス耐性”とは、言い得て妙ですね。その能力の有無は、どのようにしたら見分けられると思いますか?

Tさん:採用面接の際に、「5年後、10年後先の未来に対して、明確なキャリアプランを描けているか」を確認するのは、そのスキルの有無を測るために有効な手段だと感じています。それを持っている人は、たとえ逆境や困難に突き当たっても上手く乗り越えてくれることが多いんです。

<人材採用の教訓 1.>
大企業で活躍していた人材でも、ベンチャー企業で活躍できるとは限らない。
まだまだ発展途上の社内体制の中でも活躍できる人材かどうかは、明確なキャリアプランの有無で見分けられる。

しくじりケースNo.2 採用したエンジニアが、たったの3か月でより好条件の会社に転職した

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【人事担当者プロフィール】
Yさん。30代男性。大手IT企業に勤務。数多くのエンジニアと面談を重ねてきた。

Yさん:これは私が人事に就任したばかりの頃のエピソードです。中途でエンジニアを1名採用する必要があったので、何名かと面談をしました。その中で、2名のエンジニアが採用候補として挙がったんです。

その2名は、どのような特徴があったのでしょうか?

Yさん:一方は、会社が必要としているプログラミング言語のスキルを持った人でした。けれど、会社の目指すビジョンには全く興味がなかった。この人をAさんとしましょう。

もう一方は、プログラミング言語のスキルとしてはマッチしていなかったのですが、ビジョンに対して深く共感してくれた人だったんです。こちらはBさんとしましょうか。

両者のうち、最終的にはどちらを採用しましたか?

Yさん:開発部署のリーダーから「技術力のない人を現場に入れるわけにはいかない」という意見が挙がり、Aさんを採用することになりました。けれど、採用のなんと3か月後に、より給与の条件が良い会社に転職してしまったんです。

それは……。

Yさん:もちろん、Bさんを採用していたら成功した保証はどこにもありません。でも、少なくともすぐに会社を離れてしまうようなことはなかったのではないかと、当時はすごく後悔しました。

その失敗の原因って、どのような部分にあると思いますか?

Yさん:そのエンジニアの持っている価値観を全く把握できていなかったことにあるのかなと。具体的には、「この会社でどんなことを達成したいか」「何のために働いているのか」といった部分を深掘りしておけば良かったですね。

収入や役職などを重視する人の場合、より良い条件の企業があればそちらに移ってしまうリスクが常につきまといます。ですが、会社の持つビジョンや風土を重視する人は簡単には転職しません。企業文化というものはそうそう変わるものではないからです。だからこそ、マインドを共有してくれる人かどうかを面接のときに確認しておく必要があると、その一件から学びましたね。

<人材採用の教訓 2.>
会社の持つビジョンや風土に共感してもらえなければ、転職リスクは常につきまとう。
その人の持つ価値観を、面接時に把握しておこう。

しくじりケースNo.3 採用した新人が周囲と上手くコミュニケーションを取れず、潰れてしまった

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【人事担当者プロフィール】
Sさん。20代男性。中堅人材派遣企業に勤務。人事の仕事には最近ようやく少し慣れてきた。

Sさん:私が失敗したのは、ある年の新卒採用です。採用後、4月から新人たちが入社して各部署に配属された後、ある新人だけがどうしても部署の先輩や同僚と上手にコミュニケーションを取れずにいました。

それが原因で、仕事のスキルもだんだん伸び悩むようになってしまったんです。わからない部分があっても他のメンバーに確認を取らずに我流でやってしまったり、ミスをしても隠ぺいして後から大問題になったり。最終的には、会社で働くことが苦痛になったようで、退職してしまいました。

その新人が上手にコミュニケーションを取れなかった原因は、どういった部分にあると思いますか?

Sさん:もしも、その新人が特定のメンバーとだけコミュニケーションが取れなかったのであれば、配属部署を変えたり、相談役を置いたりして改善できたかもしれません。実際に、私たちはそういった施策を行っていました。けれどその人は、複数のメンバーとの関係が上手くいかなかったので、ちょっと酷な言い方をすると本人の適性にも問題があったのかもしれないと思っているんです。なぜかと言うと……。

弊社には、採用の際にチェックしている「これだけは必ず持っていてほしい」というベーススキルがあります。例えば、「性格が素直」とか「周りの出来事に対する感受性が豊か」とか「論理的思考ができる」とか。そのスキルが不足している人は、基本的に採用しないようにしているんです。

けれど、その年は優秀な新卒の人数が少なくて、採用目標の人数に足りなさそうだったので、少し甘い基準で新人を採用してしまいました。採用した中の、「基準ラインに足りていなかった人」が、まさに先ほど話した新人だったんです。

最低基準を下げたことの弊害が見事に表れてしまいましたね……。ちなみに、どうしたらその失敗は防げたと思いますか?

Sさん:目標人数に到達しなかったとしても、基準となるベーススキルに足りていない人は採用すべきでなかったと思います。そのメンバーが辞めてしまったら、採用と育成にかかったコストだって無駄になってしまいますし、社内のモチベーションだって下がってしまう。何より、辞めてしまった人自身が一番苦しい思いをしてしまうでしょう。それは絶対に避けるべきです。

経営層や現場のリーダーに「なぜ目標人数に達していないんだ」と説明を求められることもあるかもしれません。けれどその際に、「どのような基準で採用をしたか」そして「その基準に達していない人を採用してしまうと、どのようなリスクがあるか」を論理的に説明することも、人事担当者の重要な役割だと思うんです。

<人材採用の教訓 3.>
企業間の競争が激しくなっている今のご時世、たとえ採用目標人数に到達していなくても、基準となるベーススキル未満の人は採用すべきでない。
そして、どのような方針で採用活動をしたのか経営層や現場のリーダーに説明するスキルも、人事担当者には必要となる。

“しくじり”の中にこそ、採用成功のヒントは隠されている

何かに失敗したとき、人はその事実から目を背けて“無かったこと”にしたくなります。採用においてもそれは同じ。「自分にとって耳の痛い話を掘り返したくない」と思う人事担当者が大多数でしょう。

ですが、その失敗の原因を分析して改善への手がかりを見つけることこそ、より良い人事業務への近道なのです。あなたの胸にしまってある“しくじり”。それがなぜ起こってしまったのか、一度考えてはみませんか?

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