採用ノウハウ

人事担当者必見! 本当にあった中途採用のミスマッチと対策

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「こんなはずではなかった。」そう語ってくれたのは、広告業界からITインフラ業界に転職したヨシオカさん(仮名)。彼は、都内在住の既婚者で、就業時間の目処が立たないことを理由に、ITインフラ業界へ飛び込んだそうです。入社して数ヶ月が経ったある日、上司から言い渡されたのは、地方への異動でした。

「面接時にそんな話は聞いていない」

会社の事業拡大のために仕方ないことだと聞く耳を持たれず、それを機に、再び転職を希望するのでした。

このように、大手企業に限らず中小企業でも発生する、雇用のミスマッチ。これらは、採用側と転職者側との間に、業務内容や就業時間などに関する誤解が生じています。その結果、早期の離職ということに。今回は、さまざまなケースから、雇用のミスマッチの原因と解決策を考えてみます。

【ケース1】「勤務形態の認識」によるミスマッチ

元大手インフラ企業勤めのシステムエンジニア・ナカノさん(仮名)

「26歳のころに心の病気を抱えてしまい、安定した働き方を求め、高待遇のインフラ企業に転職しました。社員が10名以下の小規模経営なこともあってか、提示された給与に不満はありませんでした。しかし、入社2ヶ月目を迎えたころ、手元に届いた給与明細にふと疑問を抱きます。残業代が支払われていないのです。」

すぐさま人事担当者に相談すると、『内定通知書に、裁量労働制と書かれていたはず』と突き返されてしまいました。そんなこと聞いていない……しかし、内定通知書を見返すと確かに『裁量労働制』の文字が。

そういえば、面接時に労働条件のことを触れていなかった、と悔やんでも後の祭り。結局、ナカノさんは、入社3ヶ月を迎えるころに転職することになりました。

【解決策】
『内定通知 及び 条件面提示面談』の実施を進める

最終面接後は「内定通知(採用通知)」だけではなく、「労働条件提示書」を通知するのは当然のこと。しかし、一方的に書類を送るだけでは、受理側は全文に目を通していない可能性があります。その結果、こうしたトラブルを引き起こしてしまうのです。

入社希望者は「希望の企業から内定をもらった!」としっかり確認しないまま承諾している可能性があるため、雇用形態はできるだけ直接説明し、目の前で同意のサインを受理できる仕組みづくりをしましょう。

加えて、入社時の説明会では雇用契約内容を再度説明し、同意のサイン捺印を受け取りましょう。こうした緻密な反復作業は大変かもしれませんが、企業と入社希望者のミスマッチを防ぐ要因となるでしょう。

【ケース2】「労働時間の認識」によるミスマッチ

広告代理店に中途入社した“ブラック体質”のヤマダさん(仮名)

「中途採用にも関わらず、任される案件の規模は大きく、優秀なチーム内で仕事を任せてもらえていたので、刺激的な毎日を送っていました。同時に、『早く出世したい!』と息巻いていた私は、成果をあげるべく、朝一番に出社し、終電の時間帯まで会社に残っていました。」

そんなある日、総務部から『定時退社』の指令がくだります。

その理由は、低い生産性・効率性にありました。聞くと上司からの評価は低く、社内では残業代を荒稼ぎしているようにしか見られてなかったそうです。それ以降、社内で転々と異動を繰り返し、希望の仕事ができなくなくなり、不満を抱きながら転職を決意しました。

【解決策】
労働時間を意識する環境づくりを推進する

「ブラック企業」が蔓延る現代社会では、「10時間以上働くことが当たり前」「残業代で生活している」という実態もあり、渦中の当人は“ブラック体質”であることに気づくことができません。ただし、決してブラック体質となっている当人が悪いわけではありません。昨今常態化しているブラックな労働環境に問題があるのです。

では、企業側はどのようにチェックすべきなのでしょうか。今回の場合は極端に空回りした例ですが、仕事と勉強の時間をバランスよく調整してもらうためのマネジメントを行う必要があるのではないでしょうか。

たとえば、月に一度社内での勉強会を開催したり、社外で行われるセミナー・講演の参加費を負担したり、やりようはさまざま。パフォーマンスアップと社員としての意識の統一がはかれるよう、企業のカラーにマッチした提案をすることを心がけましょう。ただし、労働時間外での勉強を無理強いしてしまうのはNG。それに対して真っ当な報酬を与えなければ「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまう可能性もあります。

また、社内で労働時間を徹底して守るための工夫として、オフィスの消灯時間を設定し、抱えている仕事の状況を把握する面談を定期的に行うことも必要です。人事担当者は、「現状と課題」に対して、経営層とのコミュニケーションを怠らないようにしましょう。

ブラック体質をチェックするために、面接時には、前職の会社での労働時間を細かく聞いておくとよいでしょう。ブラック体質の特徴として「週末も仕事のことで頭がいっぱいだった」「いつも仕事に追われていた」などが挙げられます。もしこうした人材が入社した際は、社内のクリーンな環境で働き方を教育し、心身共々ケアすることを優先すべきではないでしょうか。

【ケース3】「リファラル採用」によるミスマッチ

リファラル入社後に急変した社内の雰囲気。マーケター・オカダさん(仮名)

「高単価な大きな案件、優秀な社員ら、きれいなオフィス……T社は、華やかな印象のメディア事業を中心とする会社でした。フリーランスとして行き詰まりを感じていた私にとって最適な環境だと思い、勢いで入社。

しかし、組織の一員として働き始めた途端、そのイメージは崩れ去りました。

なぜなら入社1ヶ月目にして、優秀な社員が次々と独立し、人材流失で案件が回らなくなったからです。その結果、社内全体の士気が低下。”華やかな職場”がたった数日にして息苦しく感じるようになりました。私もその流れにのって退職しました」

【改善策】

企業の規模を問わず、どんな企業でも当てはまるこの事例。今回のケースは「タイミングが悪かった」で済ますのではなく、組織の制度改善・経験のマネジメントを行うことが一番のリスクマネジメントとなります。

人材流失の大きな要因は「会社に所属する必要性」にあるため、肩書きを与えるだけではなく、「社員が会社に何を求めているのか」に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。

一例ですが、教育制度やインセンティブ制度を導入するだけでも、従業員のモチベーションは大きく変わってくるはず。何よりも「愛社精神」を育てることを忘れないように。

最大限の能力を引き出すためのマネジメントを検討しましょう

採用段階での判断は、スキルチェックだけではなく、前職の労働時間や勤務形態、転職理由を細かく聞いておく必要があると言えます。さらに、人事担当者のみで判断を行うのでなく、配属部署のリーダーと面接を行うのもひとつの手。社内全体で同じ方向を向き、当人の長所を伸ばし、短所をカバーできる企業として迎え入れるように準備しておきたいものです。

雇用のミスマッチを防ぐために、「即戦力の社員」だと期待するだけでなく、その人材の能力を最大限に引き出すためのマネジメントを検討する必要がありそうです。

協力/ITコンサルタント・大貫祐樹

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