採用ノウハウ

良い人材が来ない原因は“PR”不足! プロ広報が教える、採用力向上ブランディング術

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多くの中小企業は、採用において「応募が集まらない」という課題を抱えています。この状態では、どれほど書類選考を頑張っても、面接に力を入れても、なかなか良い結果には結びつきません。

では、“なぜ”人が集まらないのでしょうか。自社と同じような事業内容・福利厚生の企業であっても、応募がたくさん集まっているところはあるはずです。その企業と自社は何が違うのでしょうか?

その理由として考えられるのは、自社の“ブランディング不足”です。「この企業がどのような企業で、どんな魅力を持っているのか」が求職者に伝わっていなければ、数ある企業の中から選んではもらえません。人は、興味のない企業に応募しようとは思わないからです。

そこで今回は、「どうすれば自社のブランディングが上手くいくのか」を広報のスペシャリストに教えてもらいましょう。ご登場いただくのは、化粧品会社であるドクターシーラボの広報グループ長、ファッションアプリを開発・運営するVasilyの広報マネージャーを歴任した後、現在はフリーランスとして多くの企業のブランディングを成功させているプロ広報・井関紀子さんです。

採用につながる企業ブランディングとは何か。その秘訣を探ります!

他社の事例を参考に、ロールモデルを定める

今回は、自社ブランディングのノウハウについて聞いていきたいと思っています。まずは、ブランディングのために必須となってくる「PR」を成功させるために、担当者は何をすべきでしょうか?

井関:PRの「目的」を考えることが重要です。私は現在フリーランスとして複数の企業の広報をしていますが、PRを依頼されたときにまず目的を聞くようにしています。そこを明確にしなければ、何も取り組みようがないからです。

そうすると「売り上げをアップさせたい」「代表自身の名前を売りたい」など様々な答えが返ってきます。今回のケースだと「採用を成功させたい」になるでしょう。

目的を聞いたら、次は何をしていくのですか?

井関:PRにおける「ロールモデル」を挙げてもらいます。例えば、「代表自身の名前を売りたい」というケースであれば、目標とする経営者を1人挙げてもらうことが多いです。今回のように「採用を成功させたい」であれば、採用が上手くいっている企業を挙げるのがいいでしょう。

その目標とする人や企業が「どのような媒体で」「どのような露出をして」「インタビューにどのような受け答えをしているか」を分析する。それを模倣することで、PRの戦略を立てることができます。つまりはPRのロールモデルができるということです。

“PRのロールモデル”という発想は珍しいですね。なぜそういう発想に行き着いたのですか?

井関:私がドクターシーラボにいた頃の経験からくる考え方です。同社では、ベンチマークとなる他社の商品を徹底的に分析し、販売戦略を練っていました。まずは、世の中で上手くいっているものが“なぜ”上手くいっているのかを知ることがスタート地点になるんです。

アピールするものがない“わけがない”

▲「企業のプレスリリースを定期的に更新することも、PRのためには有効」と井関さんは語る。外部の方から企業の活動が見えやすくなる上、プレスリリースの情報があることでメディアも取材がしやすくなるのだという。画像は井関さんが広報を務めるPlanetway Corporationの公式Webサイト(http://pwlvc.com/jp/infomation/press-release/)より引用。

多くの企業は「自社のサービスや各種制度が“ありきたり”すぎて、アピールするものがない」というところがほとんどだと思います。そうした場合、どのようにしてPRポイントを見つけていけばいいのでしょうか?

井関:まずは、企業やサービスの持つ“ストーリー”をPRポイントとする方法があります。どのような過程を経て企業が成長したのか、製品開発にはどのようなドラマがあったのかなどを発信するだけでも、十分に魅力的な情報になるんです。

それを実現するためには、PRに携わる人が社内のさまざまな場に積極的に参加することが必要です。例えば、私はドクターシーラボにいた頃、化粧品の製品開発の段階からミーティングに参加していました。

なるほど!製品ができてからPRを考えるのと、一緒に製品を開発しながらPRの方法を考えるのでは全く得られる情報が違うわけですね。

井関:そうなんです。PRポイントを見つけるためのもう1つの方法として、「自社が持つ制度と、他社が持つ制度の違いを1つひとつ比較していく」というものがあります。

そうすることで、「リモートワークができる」「たまに自社の商品が貰える」など、絶対に他社とは違う何かが見つかります。みんな、自社が持っている価値を、自分たちで認識できていないだけなんです。

時代の流れを読み、メディアに対して“見せ方”を工夫する

▲井関さんは、「株式会社フーディソン」という“水産業界の活性化”に挑むベンチャー企業の広報も務めている。この写真は、同社が運営する魚屋である「sakana bacca」がメディア取材を受けている様子。彼女の広報力により、テレビや雑誌、Webなどありとあらゆる媒体から取材の依頼が絶えないのだとか。

「いかにしてメディアから取り上げてもらうか」「どういう切り口でメディアから取りあげてもらうか」の戦略を考えるのは、企業ブランディングのためには重要かと思います。それを成功させるための方法はありますか?

井関:「メディアはどんな企業を取材したいのか」を考えることです。そのためには、時代の流れを見極めることが大切になってきます。

“時代の流れ”ですか。具体的には、どういうことでしょうか?

井関:例えば、私はドクターシーラボにいた頃、社内で「ダイエット部」を立ち上げました。社内にいるアドバイザーの指導のもと、3ヶ月間のシーズン単位で団結してダイエットに取り組むというものです。

もともとは、単に私自身が痩せたいからと始めたものでしたが(笑)、驚いたことに全国紙や TV番組などでも取り上げてもらい、大きく知名度が上がりました。

そうなんですね!ただ、すごく失礼なことを言うと、メディアに取り上げられたのは偶然では……?どうして、ダイエット部の活動に多くのメディアが注目したのでしょうか?

井関:実は、偶然ではありません。メディアがダイエット部を取りあげてくださった一番の要因は、先ほど話した“時代の流れ”にあります。

ダイエット部が始動した2013年頃は、「社会保険が破綻するのではないか」と言われ始めていた時期です。その前提があったため、“健康”のために努力している企業は、メディアとしても取り上げやすかったんだと思います。

このように、「世の中で何が話題になっているのか」をキャッチして、それに関連して自社の情報を発信する。それを意識するだけでも、メディアから取り上げてもらえる確率はずいぶん上がるんです。加えて、この「見せ方を工夫する」ということが、自ずと企業のブランディングにもつながってきます。

自社が「どんな未来を創ろうとしているのか」を丁寧に発信する

では最後に、求職者から「この企業に入社したい」と思ってもらえるようなブランディングの方法があれば教えてください!

井関:自社が「どんな未来を創ろうとしているのか」を発信することが大事だと思っています。

未来、ですか?

井関:はい。例として、私がVASILYで広報をしていた頃の話をしましょう。VASILYは「iQON」という、ファッションに関する情報を網羅的に得られるアプリを開発・運営していました。私は、単にそのアプリの機能を発信するだけではなく、「iQONによって、どんな世界が実現するのか」を意識的に発信してきました。

具体的には、「iQONによって、それまではあまり売れなかった商品が爆発的に売れるようになった事例」を積極的に紹介し、このアプリが世の中にどれだけ影響を与えているのかを伝えていたんです。

その情報は、若い求職者やモチベーションの高い求職者にとっては非常に大きな意味を持ちます。そうした人々は「自分自身の仕事が、どれだけ社会に貢献しているのか」に強い関心があるからです。

その企業が実現しようとしている未来を、丁寧に発信する。そうすることで、自ずと採用につながるブランディングは実現できるのではないでしょうか。

上手なPRとブランディングこそが、採用成功のスタート地点

採用は、面接がスタート地点ではありません。本当のスタートはもっと手前。求職者に面接会場まで足を運ばせるための“PR”と“ブランディング”から始まっているのです。

「なかなか良い人材が応募してくれない」と悩む採用担当の方。まずは「自社は良いブランディングができているか?」をきちんと考えてはみませんか?

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