採用ノウハウ

スターバックスの採用強化策「従業員の大学教育費をサポート」

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2015年のはじめ、米スターバックスコーヒーは従業員が4年制大学の通信教育コースへ進学する際の学費をすべて負担するという、衝撃的な施策を発表しました。25億ドルという巨額の予算を使って実現されたこの進学支援制度(The College Achievement Plan)は、2015年度の雇用者数を前年度より 600,000人も増加させるという大きな成果を生みだしています。

今回は、米スターバックスコーヒーが実施したこの制度が企業にもたらした効果を、採用戦略や社会貢献の観点からご紹介します。

働きながら学位を修得。米スターバックスコーヒーの進学支援制度

カレッジアチーブメントプランと呼ばれるこの進学支援制度は、米スターバックスコーヒーで働いている社員は、パート、正社員にかかわらず、アリゾナ州立大学の4年制大学の通信教育コースで学ぶ金銭的なサポートが受けられるというもの。50以上のコースから自由に選択が可能で何を学んでもかまわないという、うれしい制度です。米スターバックスコーヒーでは、2025年までにこの制度を利用して25,000人の卒業生を輩出することを目標にしています。

採用戦略としての成果

コンサルタントのミカ・ソロモン氏は、進学支援制度の開始から半年後の結果を、スターバックスコーヒーからの情報をもとにForbsに紹介しています。

  • 2015年度の採用者のうち63%がこのプログラムに興味をもっていた
  • 2015年度の雇用者数は2014年度より60万人増加(2014年度580万人、2015年度640万人)
  • 2015年10月時点で4,800人が受講中で今後2、3年のうちには入学者が15,000人を超える見込み
  • 制度利用者の平均年齢は26歳で50州すべてから参加している
  • アリゾナ州立大学の報告によると、スターバックスコーヒーの進学支援制度を利用している受講者は、出席率がほかの一般的な学生よりも5%高い。

こうした報告結果からは、米スターバックスコーヒーが、働きながら学業を修めようとする志の高い求職者を多く集め採用成功したといえます。彼らは卒業後の進路が決められているわけではありませんが、学位を修得した後も、スターバックスコーヒーに残ってリーダーとして活躍する人が出てくるかもしれません。

また、全州から通常よりもやる気のある学生が入学しているということは、大学側にとっても成果が得られているといえるでしょう。

全米を感動させる、米スターバックスコーヒーの社会貢献活動

採用戦略として成功した米スターバックスコーヒーの進学支援制度ですが、この制度が企業の社会貢献活動の一環であることはいうまでもありません。

小さなコーヒーショップを世界的なチェーン店に育て、現在もCEOを務めるハワード・シュルツ氏。彼は、スターバックスコーヒーがこれほど大きな企業になる前から、「自分がビジネスで成功したら、自分と一緒に働く人たちの生活を必ず変える」と公言し、実行してきました。シュルツ氏は、正社員、パート社員にかかわらず従業員に健康保険を提供しています。これは、スターバックスコーヒーのように大きく広域にわたるアメリカの企業では、めずらしいことだそうです。

スターバックスCEOハワード・シュルツ氏の生い立ち

シュルツ氏は、労働階級の両親に育てられました。父親は一生懸命働いても苦労するばかり。高校を卒業することができなかった母親の夢は、3人の子ども全員に大学で教育を受けさせることでした。
スポーツによる奨学金を使って大学を卒業したシュルツ氏は、ゼロックスの営業マンとしてキャリアをスタートさせます。ゼロックスの教育機関で、セールスやマーケティング、プレゼンテーションを学んだことは、若いシュルツ氏にとってかけがえのない経験になったと、著書『Pour Your Heart Into it』に書かれています。

進学支援制度の成功や、社会貢献を軸にした米スターバックスコーヒーの企業精神も、シュルツ氏個人の体験から生まれたものでしょう。こうした精神が感動を呼び、スターバックスコーヒーのファンを増やすことにもつながっているかもしれません。

進学支援は、採用戦略としても有効な社会貢献活動

米スターバックスの進学支援制度は、採用戦略として功を奏しました。もちろん、大企業の成功例をそのまま取り入れるのは、多くの企業にとって難しいことだと思います。しかし、従業員の教育をサポートすることが採用に影響する例としては参考なる部分も多いのではないでしょうか。

文部科学省が発表した「学生の中途退学や休学等の状況について」という資料によれば、2014年度に全国の国・公・私立大学および短大、高等専門学校を経済的理由で退学した学生は16,181人。全退学者の20.4%が経済的理由で退学しています。この数字のほかにも大学受験をする前に進学をあきらめた人がいるでしょう。
一方で、少子化に伴い学生が集まらない大学があることも問題となっています。今回ご紹介したスターバックスの事例は、採用活動を有利にするといった側面だけでなく、こうした社会貢献としても意義のあるものです。

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