上手くいかないエンジニア採用!その原因と対策
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IT企業には、エンジニア採用が難航しているケースが多いようです。そのため、選考方法を模索しながら採用に取り組まれていることでしょう。具体的には、数多くの企業が次のような採用問題に直面しています。
・エンジニアが不足しているため獲得競争が激しい
・募集してもエンジニアからの応募が得られない
・応募はあるが採用に至らない
・採用してもすぐに退職してしまう
・待遇を上げても採用できない
これらの問題は、エンジニアより採用する側の課題といえます。闇雲に採用活動を続けても、事態が好転する可能性は低いでしょう。
当然のことながら、転職を希望するエンジニアの人数は限られています。これに対して採用したいと考える企業は増えており、競争が激化しているのです。そんな中、どうすれば難しいエンジニア採用をスムーズに行えるのか。採用課題や背景、対策についてご紹介しましょう。
転職方法の多様化に対応する
昨今は、エンジニアの転職方法にも変化が現れています。転職サイトや人材エージェントへの登録などはもちろん、ソーシャルリクルーティングのように新たな転職サービスが出始めているのです。自社の求める、あるいはマッチしたエンジニアがどこにいるのかを的確に捉えなければ、多くの応募を得ることは難しくなるでしょう。
さらにインターネットが普及した現在、人々は個人レベルで膨大な情報を集めることが可能です。転職においても、応募前には複数企業をよく比較検討しています。すでに転職活動を行っているエンジニアはもちろん、潜在的な転職希望者まで含め、自社に関する情報を伝える手段を持つと良いでしょう。その際、他社との差別化ポイントや自社独自のメリット、特徴などを訴求することが大切です。
本音の転職理由を知ってミスマッチを防ぐ
エンジニアに限らず、転職者の多くは現状からの脱却や改善を求めています。つまり、何かしらの現状に不満を抱えているのです。不満と言っても、人間関係や業務内容、社内体制など様々でしょう。一見前向きに思えるキャリアアップを目指すための転職も、環境への不満と置き換えられます。しかし転職活動では、応募企業に対して不満を口にしないよう指導されます。そのため、不満はなかなか表面化しづらいのです。
もし転職先で前職と同じような不満を感じてしまったら、その人はどうするでしょうか。仕事への意欲が低下し、場合によってはすぐに再転職してしまう可能性もあります。こうした背景から、採用では転職理由を本音でヒアリングしておくことが重要です。それが解消できれば、同じ不満を持つ転職者にとって応募動機の形成にも役立ちます。
エンジニア目線から自社の魅力を伝える
同じ会社でも、仕事において何を魅力に感じるかは職種によって異なります。教育制度やキャリアステップ、待遇、あるいは関わるプロジェクトやサービスなど、採用担当者が魅力的だと考えて伝えるメッセージも、エンジニアには届いていないかもしれません。魅力が感じられなければ、当然ながら転職先として選択肢から漏れてしまうでしょう。
では、どうすれば良いのか。最も効果的なのは、やはりエンジニアから意見を集めることです。いくら採用のプロでも、エンジニア経験を持たない人がエンジニア目線から魅力を捉えることは困難でしょう。
現状、エンジニアにとって良条件といえる環境が整った会社は多くありません。だからこそ、エンジニアの応募が一部企業に集中してしまうのです。場合によっては、長期的な視点で社内体制の改善などが必要になるかもしれません。しかしそれこそが、エンジニアから「働きたい」と思える環境作りに繋がっていくのです。
エンジニア採用の事例
エンジニアの採用に難しさを覚える企業がある一方、実際に多くのエンジニアを採用している企業もあります。ではそうした企業は、一体どのようにして採用活動を行っているのか。いくつか、事例を挙げてみましょう。
1)知人からの採用情報シェア
エンジニアが自社の採用ページをSNSでシェアしたケースです。知人が「おすすめ」と言って広める募集ならば、転職者も安心して応募できるでしょう。
もちろん自社のエンジニアに限らず、全く知らないエンジニアがシェアしてくれる場合もあります。そのためには、エンジニアにとって魅力的な募集要件であることはもちろん、キャッチコピーなど目に留まりやすい工夫が重要となります。
2)エンジニアがエンジニアを採用する
エンジニアに採用の裁量を持たせた事例です。社内環境の整備や求人情報の掲載、採用における決定権の一部をエンジニアに持たせました。これによってエンジニアの望む環境が整い、技術面を含めた質の高いエンジニア獲得が実現しています。
もちろんこれは、社内理解と環境が整ってこそ実現できる例です。全てをエンジニアに任せるのではなく、採用担当者との連携も必要でしょう。しかし応募を獲得した後に優秀なエンジニアを見抜き、採用するには、適切な人材配備といえます。
これら2つの事例に共通しているのは、採用活動にエンジニアが何かしらの形で関わっている点です。採用にエンジニアの視点を導入することは、現状打開のキーとなるかもしれません。
エンジニア採用のまとめ
売り手市場とも言えるエンジニア採用において、給与など表面的な条件だけで応募を集めることは難しいでしょう。エンジニアは入社後をイメージしながら、社内体制や業務環境、あるいはチームとしての雰囲気などをよく観察・分析しています。もし「好条件にしているのに」などと疑問に思っているのであれば、その時点でエンジニアの気持ちが理解できていないのかもしれません。
今後もエンジニア不足は続くでしょう。採用のみならず、エンジニアを社内で育てる必要性も高まっています。IT企業にとって、エンジニアの存在はまさに生命線とも言えるでしょう。だからこそ抜本的な環境改善など、早い段階からの着手が大切といえそうです。