編集部が教える グローバル人材の魅力

目次

2021年2月、編集部では「マイナビニュース」にて、グローバル人材(※)の採用経験のある方、グローバル人材と一緒に働いたことのある方にアンケートを実施しました。採用するメリットはどこにあるのか?実際に一緒に働いてみて、どんな点が「よかった」と感じたのか?そして、実務での活躍以外に、会社・チームにどんな影響をもたらしているのか?寄せられた最新の声を通じて、グローバル人材の魅力をご紹介していきます。
※語学が堪能、留学・海外生活・ワーキングホリデーなどの経験がある方。国籍問わず、外国語は日本語以外を示す

【アンケートに関して】
調査方法:マイナビニュース会員 グローバル人材の採用経験や一緒に働いたことがある方へのアンケート調査
調査機関:2021年2月12日(金)~2021年2月26日(金)
調査対象:マイナビニュース会員(グローバル人材の採用経験や一緒に働いたことがある方 506名)
マイナビニュース調べ 2021年2月

採用メリットは「語学力」「コミュニケーション能力」

「グローバル人材を採用するメリット」についての最多の回答は、全体の約半数があげた「英語などの語学力」「コミュニケーション能力」です。「語学力」が生かされた具体例としては「海外企業との交渉がうまくいった」「現地法人の外国人スタッフとの会議がスムーズに行えるようになった」「外国人のお客様との接客で助かった」など、実務に役立ったという声が多数寄せられました。また「コミュニケーション能力」については、積極的で柔軟なコミュニケーションへの驚き・評価の声が目立ちます。以下「優秀な若手人材の確保」「異文化に対する理解」「多言語対応」「新しいアイデアの創出」は、40%以上の回答者がメリットと感じています。

【アンケートに関して】
調査方法:マイナビニュース会員 グローバル人材の採用経験や一緒に働いたことがある方へのアンケート調査
調査機関:2021年2月12日(金)~2021年2月26日(金)
調査対象:マイナビニュース会員(グローバル人材の採用経験や一緒に働いたことがある方 506名)
マイナビニュース調べ 2021年2月

一緒に働く人は、どんな刺激・影響を受けている?

グローバル人材と一緒に働いた時に「よかった」と思った点を問う設問については、前項のメリット同様「英語などの語学力」「コミュニケーション能力」という回答が最多でした。一方、印象に残ったエピソードとしては「自身の考えが狭いことを痛感」「柔軟な考え方、斬新な切り口に驚嘆した」「考え方がまったく違っていて、新しい物の見方を学べた」「既成概念にとらわれない考え方ができるようになった」など、多様性・柔軟性や発想力に刺激を受けたという声が目を引きます。さらに「周りの人間も刺激を受けて部署全体の成績が上がった」「英語スキルを高めようという動きが生まれた」など、組織全体に対する好影響への評価も見られました。

実務はもちろん、組織全体の活性化に貢献

グローバル人材というと語学力が注目されますが、今回のアンケート結果から、コミュニケーション能力、多様性への理解、柔軟性、積極性、発想力、周りを巻き込む影響力なども高く評価されていることがわかります。実務で活躍できるだけでなく、組織全体の活性化にもつながる魅力的な人材と言えるでしょう。そうしたグローバル人材を多数輩出しているのが「JICA海外協力隊」です。採用者目線で、その魅力をご紹介していきます。

「JICA海外協力隊」の活動をご紹介

「海外協力隊」という言葉を聞いたことはあっても、その活動内容まで知っている方は少ないかもしれません。JICA海外協力隊とはどんな事業で、どんな人材が活躍しているのかをご紹介します。

「JICA海外協力隊」とは?

JICA海外協力隊とは、政府開発援助(ODA)の一環として、国際協力機構(JICA)が実施する事業です。1965年以来、世界98カ国に5万人以上の隊員が派遣されてきました。その目的は「開発途上国の経済会の発展、復興への寄与」「異文化社会における相互理解の深化と共生」そして「ボランティア経験の社会還元」の3つ。日本の技術や経験を開発途上国の人々に伝え、隊員と現地の人々が互いに理解を深めながら共生する試みを通じて、持続可能な開発の実現を目指しています。さらに現地での活動だけでなく、身につけた経験・スキルを帰国後に社会に役立てられる人材の育成にも力を入れています。

どんな人が隊員として活躍している?

JICA海外協力隊には、自分の持つ技術・知識や経験を開発途上国の人々のために生かしたいという強い意欲を持つ人たちが参加しています。派遣期間1〜2年の「長期派遣」には「一般案件」と、より専門性の高い「シニア案件」があります。またJICA海外協力隊の選考に合格すると、約70日間(※)の派遣前訓練を受け、現地で有意義な活動ができるよう、語学はもちろん、異文化理解、健康・安全管理、協力活動などを学んでから渡航します。
※2021年度派遣前訓練は、コロナ感染症拡大防止のため訓練期間を短縮して行っています。

どこで、どんな活動をしている?

JICA海外協力隊の派遣国はアジア、アフリカ、北米・中南米など幅広く、平常時は全世界で常時約2,000人の隊員が活動しています。職種としては、学校教育・スポーツなどに携わる「人的資源」分野、看護師などの「保健・医療」、コミュニティ開発などの「計画・行政」など、多岐に渡ります。隊員が取り組むのは、現地の人々と一緒に課題を解決することです。自ら課題を発見し、現地の人々と共有し、異文化の壁を乗り越えて、多くの人を巻き込みながら解決していく挑戦を通じて「世の中を良くしたい」という強い思いをカタチにしていきます。

帰国後の進路は?

年間1,000人以上の隊員が、2年間で培った経験とスキルを携えて帰国します。2018年4月1日から2019年3月31日までに帰国した隊員についてJICAが実施したアンケートによれば、回答者のおよそ半数が就職。協力隊経験者は、採用した企業・団体からさまざまな点で評価されています。日本を外から見られるグローバルな視野、価値観の違いを越えて信頼関係を築いていくコミュニケーション力、想定外の出来事に動じない柔軟性など、グローバル人材としてはもちろん、組織を活性化する多様性をもたらす人材として、検討してみてはいかがでしょうか。

Interview

JICA海外協力隊の経験者が、実際にどんな活動をし、何を得て、帰国後のキャリアに生かしているのか?2011年から2年間マラウイで理数科教師(現:理科教育、数学教育)として活動をした平塚千都さんの経験、そして最後に、平塚さんを採用した矢崎グループの採用担当者のお話をご紹介します。

[プロフィール]

矢崎エナジーシステム株式会社
管理室 企画部
平塚 千都さん

価値観の違いに驚き、課題意識の共有からスタート

JICA海外協力隊を知ったのは、高校生の時、電車広告を見たのがきっかけでした。大学では元国連関係者の教授の研究室で国際協力政策などを学び、金融機関で営業を3年間経験した後、JICA海外協力隊に参加しました。

派遣先のマラウイでは、地方の8つの高校で理科教育の向上に取り組みました。現地の先生たちは現状の自分たちの授業のやり方に満足をしており、授業をより良くする意欲に欠けることを課題と感じていました。そこで、「生徒のために授業をもっと改善していくことができる」という意識を共有するところから始めました。

近くの地域の先生を集めて、知識や情報を共有する勉強会を実施。授業のポイントを知ると同時に、お互いがライバル意識を持つことで先生たちの授業スタイルも変わっていけると思ったからです。また、この勉強会を実施できたことで、自分とは違う価値観をもつ現地の人たちを動かしていくためには、まずは私自身が考え、一緒に成長していかなければいけないと実感しました。

顕微鏡などの実験道具が揃っていない学校も多かったのですが、足りない備品を互いに貸し出す仕組みを企画。それまで設備の整っていなかった学校で、初めて顕微鏡を使った授業を実現し、先生と達成感を分かち合うことができました。

異文化を受け入れ、ゼロから切り拓く力を手に入れた。

JICA海外協力隊での経験を通じて身についたのは、異文化理解の力、そして、ゼロから開拓していく精神です。全く価値観の違う相手と何かを成し遂げるためには、まず相手のことを深く理解し、そして、違いを受け入れながら相手に伝わるアプローチやコミュニケーションをとることが大切だと実感しました。

価値観の違いを受け入れることで新しい関係を築くことができ、同じ目線で課題を共有できるようになりました。そうすることで、自分が主役になるのではなく、現地の先生たちと一緒に解決策を見つけていけることに気がつきました。こうした姿勢でゼロから担当エリア内の人間関係を築いていったところ、首都の大きな学校から赴任してきた副校長から、応援して頂けるようになりました。その国の文化に根ざした物事の進め方を学びながら、他の先生たちも巻き込んでいき、活動に弾みをつけることができました。

開発途上国に向けた事業をゼロから立ち上げ、実現へ。

帰国後、BOP(※)向けの事業を手がける企業や団体を中心に転職活動をする中で、矢崎グループを知りました。当時、BOPビジネスを展開していたわけではありませんが、開発途上国に多くの拠点を持っている上、オーナー自らの意思で社会課題の解決につながる事業に力を入れている点が、入社の決め手でした。

現在私は、生活関連機器を扱う矢崎エナジーシステムで、開発途上国の課題解決につながる新規事業の立ち上げに携わっています。BOP事業の立ち上げを提案した背景には、マラウイでの衛生環境にあります。マラウイで住んでいた地域には多くの子供たちが暮らしていましたが、衛生環境が整っていないことが原因で体調を崩してしまう姿を何度も見てきました。日本であればすぐに改善できるようなことをどのようにすれば変えていけるのか―。この経験を原点に、開発途上国向けの商品・サービスの開発をゼロからスタートしました。

現在は、事業の実現に向けて、さまざまな事業部のメンバーに参加してもらい、商品開発・生産・販売などを検討しています。関係者が多く、調整に苦労することもありますが、多様な価値観を受け入れて関係性を築き、枠にとらわれず柔軟に挑戦することで乗り越えた海外協力隊での経験が、日々の業務に生かされていると思いますね!

※BOP (Base of the Economic Pyramid):購買力平価で年間所得が3000米ドル未満の層

採用担当者の声

「問題を粘り強く打破する」、
JICA海外協力隊ならではの突破力を評価。

矢崎総業株式会社
総務人事室 人材開発部 採用チーム
岸 忍さん

矢崎グループは45の国と地域に142法人を展開する企業です。グループ従業員の約9割、グループ売上の約65%を海外が占めています。社是は「世界とともにある企業」「社会から必要とされる企業」です。

現在、平塚さんは企画部で海外の新規事業をゼロから立ち上げ、実現しようとしています。語学や異文化を理解する力などのグローバル人材としてのスキルはもちろん、想定外の問題に直面したとき、粘り強く打開していく突破力は、JICA海外協力隊の経験で培われた力の1つでしょう。

当社はこれまで協力隊経験者を十数名採用してきた実績があります。単に語学ができるというだけでなく、語学をツールとし、高いコミュニケーション力で何かを変えていくことにこれからも期待しています。今後も、もっと多くの協力隊経験者に活躍していただきたいと思います。

JICA海外協力隊の公式WEBサイト内でも、協力隊経験者の現在の仕事・帰国後のキャリアについて紹介しています。