採用での動画作成は「エチケット」の時代へ!具体的事例から見る、動画活用のポイント

目次

プロフィール
株式会社NewsTV
杉浦 健太
早稲田大学法学部卒。株式会社ベクトルに入社後、株式会社サイバーエージェントの子会社立ち上げを経て、2010年に独立。独立後は複数社の経営を行う。2014年にベクトルとマイクロアドの合弁会社ニューステクノロジーの立ち上げに伴い再度ベクトルにジョイン。2015年よりNewsTVの経営に携わる。

オンラインの採用活動が主流になる中、今後は企業と求職者の間で動画によるコミュニケーションが当たり前の時代になります。NewsTVが制作した活用事例をもとに、採用活動における、動画でコミュニケーションをとるポイントを紹介します。

年々増え続ける動画広告の市場

2019年には、テレビの広告費を超えたインターネット広告市場。その中の10分の1強は、動画広告に使われている状況です。これが2023年には、インターネット広告自体も大きく成長し更にその約5分の1は動画広告で占められることが予想されています。

このように成長し続ける動画市場において、これからは「動画を作るかどうか」はもはや議論されず、作ることを前提に「どういうコミュニケーションの目的で動画を作っていくか」が注目される時代になっていくでしょう。そのような状況の中でNewsTVは、企業の商品やサービスに関するニュースを無料でビデオリリース化しています。動画制作費は無料で、ターゲットへの配信においてご予算をいただくというモデルです。

動画を後押しする5Gの存在

こういった動画環境を後押しするのが「5G」です。通信の規格というのは重要で、たとえば、電話回線でインターネットを繋いでいた時代は、webページには画像が出てこないという環境でした。これが、通信環境が進化すると、「画像」もしくは「画像と文字」でのコミュニケーションが増えてきました。これと同じような進化が、動画環境の周辺においても起こっているのです。

今は認知型の施策に動画が使われることが多いですが、興味関心や比較検討、購入の後押しといったマーケティングファネルにおいても、立体的に動画を使っていく時代になると思います。

「動画をどう使うか」という時代がくる

2023年くらいには、「動画を作るかどうか」ではなく「動画をどう使っていくか」という時代になると思います。たとえば、わずか10年ほど前、企業が新商品などを発表する際は「スマートフォンのページを作るかどうか」という議論がなされていました。しかし、もう今はスマートフォンのページを作らない企業はほぼありません。

動画においても同じことが起こると予想しています。顧客や求職者に対して、動画でアクションを起こすことが当たり前になっていくでしょう。

今後の採用活動について

新型コロナウイルスの影響で、企業は会社説明会をオンラインで行うようになりました。これにより、採用活動においてオンラインでも充実した情報を伝えられる動画のポジションが高くなってきています。今後は求職者と企業が動画でコミュニケーションをとることが求められる時代になるでしょう。

採用活動もマーケティングの視点で考える時代

今後は、採用活動も「マーケティングの視点」で考える時代が来ると思います。まず認知をしてもらう、興味関心を持ってもらう、という部分のコミュニケーションがより一層重要になるでしょう。

たとえば、ある会社では会社説明会をやめて、会社説明動画をアーカイブするサイトを作り、これまで会社説明会でやっていた内容をオンライン上で展開し始めています。また別の会社でも新卒向けの会社説明会をやめ、一次選考として5分動画を4本見て200文字で感想をまとめる、というプロセスを取り入れています。

動画活用が求職者に対するエチケットになる

コロナの影響で、企業にとっては求職者の情報が不足しがちになり、求職者にとっても企業の情報が不足しがちになっています。動画は多くの情報と共にコミュニケーションできる手法なので、動画を作って活用することが求職者に対する「エチケット」になる時代がくるでしょう。

求職者からすると、検索してもホームページが出てこないような企業には、面接を受けに行きませんよね。それと同じような状況が動画でも起こる。今後、求職者にとっては動画が重要なポイントになってくると考えています。

「NewsTV」とは?株式会社コナカの次世代オーダースーツブランド「DIFFERENCE」の事例

1分間の動画は、ウェブページおよそ3,600枚分に匹敵する情報量を持っていると言われています。静止画の広告に比べて、動画広告の方が認知やブランドへの好感が非常に高まりやすいもの。株式会社コナカ様の事例をもとに、広告マーケティング業界の変化を紹介します。

広告は動画制作&ターゲット配信の流れへ

NewsTVは、通常は広告マーケティング業界で使われます。60秒ほどの動画を無償で制作し、アドネットワーク(広告動画の配信プラットフォーム)やSNSを活用して、ターゲットに配信しています。

佐藤可士和さんがプロデュースした、コナカの次世代オーダースーツブランド「DIFFERENCE」の動画もおよそ60秒。この動画を「東京都内に住んでいる20代・30代の男性ビジネスマン」に配信しました。すると、開業後3か月間くらいずっと8割予約で埋まったというような成果が出ました。

クライアントの良い商品を、適切な情報に変換して、適切なターゲットに届けると、人や物が動く。そういった情報の流通の仕方に変わってきているのが分かる事例かと思います。

なぜ、動画を使うのか?

例えばコナカのスーツブランドの紹介を文字だけで伝えようとすると相当な文量が必要だと思いますが、動画にすると1分でわかる。それくらい情報が詰まっています。

認知やブランドへの好感というものは、静止画の広告に比べると動画の方が非常に高まりやすい。動画でのコミュニケーションが増えている背景には、こういった効果もあると思います。

採用における動画活用の2つのパターン

最近よくある相談は、大きく分けると「アーカイブ型の会社説明会動画」と、「会社訴求ポイントのトレーラームービー化×配信」の2パターンです。広告マーケティングで使われている「ビデオリリース」という手法を、採用活動にも使っていきたいという相談が多いですね。

アーカイブ型の会社説明会動画

新型コロナウイルスの影響で会社説明会がオンライン化したことで、アーカイブ型(保存された動画を見るスタイル)の会社説明会動画のニーズはとても高くなっています。パターンは大きく分けて2つで、30分~40分のリアルの会社説明会と同じぐらいの尺のものと、3分~10分の事業部ごとで作るものです。全体の会社説明会をしながら、興味を持った事業部については10分くらいの詳細説明動画を見ていってもらう。そのような構成で作られる企業が多いです。

アーカイブ型/リアルタイム型会社説明会のメリット・デメリット

リアルタイム型(生中継型)はリアルな説明が伝わりますし、チャットなどを使って双方向でコミュニケーションできる。さらに、実施する時間に合わせて学生が来ているので、学生の視聴意欲が非常に高いと思います。

デメリットは、配信環境のミスができないこと。それから、時間が限られるので視聴者も限られます。当然、しっかりと集客することも必要です。

一方、アーカイブ型は、1回撮ったものを格納しておけるというメリットがあります。編集も可能ですし、時間を選ばないため広く視聴してもらうことが可能です。

デメリットは、双方向のコミュニケーションが出来ないこと。また、視聴意欲もライブ配信に比べると低くなります。

ですので、どちらか一方にしてしまうのではなく、リアルタイム型とアーカイブ型を両方合わせながら実施していくことが、非常に重要だと思います。

会社訴求ポイントのトレーラームービー化×配信

これは、弊社が広告マーケティングで行なっている手法を、人事採用の領域で活用したものです。

学生に対する会社の訴求ポイントを60秒前後の動画にします。イメージとしては、伝えたい要素を詰め込んで、1分見たら魅力が伝わるトレーラームービーのようなものです。その後はアドネットワークやSNSを通じて、就活中の方々に広告配信していきます。作った動画をそのままYouTubeに置いておくだけでは見てもらえないので、しっかりターゲットに配信して求職者の方に見てもらえるようにしたい、というオーダーが多いですね。

やはり、文字で「風通しがいい会社」と言われるのと、動画で伝えるのだとでは、印象がずいぶん変わってくると思います。先輩社員のインタビューにしても、文字や写真ベースで見るのと、実際に活躍している社員が語るのでは、求職者の受け取り方も変わります。

他社と自社の事例

実際に、企業は動画をどのように活用しているのでしょうか。事例を参考に、動画によってどのような施策をおこなったのか、また、どのような成果が得られたのかをご説明します。

他社事例①:リコージャパン

エンジニアの業務内容の理解促進と応募者の増加のほか、エージェントに対しても自社の業務を理解して欲しい、という目的で作成・配信した事例です。

20代から40代の転職に興味関心がある方や、エンジニア層に配信したところ、採用サイトへのアクセス数が約3倍に増え、応募数も2.2倍に上がりました。また、各エージェントにもこの動画を見せ、業務内容などを理解してもらったことで、紹介も増えたそうです。

他社事例②:ヤマト運輸

アンカーキャスト(契約社員)を募集するための施策として利用頂きました。「アンカーキャスト」自体の認知および、仕事の魅力を動画を通じて伝達し、理解促進のために活用したいというオーダーでした。「活躍している社員の方のインタビュー」を、実際の働き方を取材して動画にしたパターンになります。

たとえば、これを文字と画像で「こんな社員が働いていて、こんな声があります」という風に見せられるのと、動画で見せられるのでは、ずいぶん求職者の感じ方も違うと思います。結果的に、リクルーティングページへの流入が増加し、通常の施策に比べて応募単価が1/3に減ったというフィードバックを頂きました。

他社事例③:東京消防庁

マイナビさんとともにやらせていただいている「Company TV」でご活用頂いた事例です。今やっている仕事の内容や志望動機、やりがいや将来の夢などを、実際に働いている方のリアルな声を通じて発信した施策になります。

他社事例④:元気寿司

こちらも、実際に働く人を通じて「研修の充実度」や「評価されるやりがい」などを伝えた事例になります。

他社事例⑤:ビーウィズ

「毎年2桁成長している勢い」であったり、「AIを活用したコールセンター」というところは、なかなか文字で言われても分かりづらいと思います。こういった業態がなかなか説明しづらい会社や、無形のものを扱う会社からのオーダーも非常に多いです。

自社事例:NewsTV~最終選考時の「自己紹介&PR動画」~

こちらは、NewsTV自身の採用における動画の活用事例です。

弊社では、トレーラームービー型会社説明動画の作成・配信に加えて、今年はZoomでの会社説明会を行い、昨年対比で約2.5倍の応募者増につながりました。

また、今年から最終選考では「自己紹介&PR動画」を作る、というハードルが高いものを設けています。なぜ最終選考で動画を作ってもらったかと言うと、オンラインでは学生の人となりが分からないので、動画で表現してほしかったからです。また、この動画のクオリティ自体が、志望動機と直結しています。

たとえば、志望動機がそこまで高くない学生はぱっとスマホで撮った動画をそのまま送ってきますが、志望動機が高い学生はしっかり編集を入れて作ってきたりします。そういうアイデアや行動力がある人は入社後も活躍する傾向にあるので、そういった部分を見るために動画を活用しました。

企業側、求職者側の両方から動画を使ったコミュニケーションをして採用活動を行う、という1つの事例にもなったように感じています。

まとめ

オンラインでの採用活動が当たり前になり、求職者も企業も情報不足になっています。そんな中、これからは企業がリクルーティングページを設けて動画を掲載したり、事業の紹介動画の配信などをしたりといった工夫をすることが、『採用のエチケット』となるでしょう。

同様に、今後はコミュニケーションツールとしても、動画の活用がエチケットになってくる時代がくると思います。

採用活動もマーケティング視点で考える時代。つまり、各求職者のフェーズに応じて、「何の目的でどういう動画をどう配信をするのか」、「どういうコミュニケーションに使っていくか」という設計が、非常に重要な時代になってくると思います。