従業員の「素質」をデータ化。組織を強くする!適性テストの活用方法

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売り手市場の今、採用だけに注力していては企業の競争力は高められません。採用した人材の育成方法や既存社員のパフォーマンス向上の模索、的確な人材配置など従業員一人ひとりに目を向けることが、重要になってきています。

そこであらためて注目されているのが適性テストです。適性テストの結果を採用の場面だけでなく、人材活用の場面でも活用する企業が増えつつあります。企業力を高めるためにどのように適性テストを社内活用しているのか。独自の「パーソナリティ検査OPQ」を開発し、多くの企業で採用されている日本エス・エイチ・エル株式会社(以下SHL)の杉浦征瑛さんにお話をお伺いしました。

汎用性が高い、パーソナリティ検査OPQ(適性テスト)

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適性テストが採用場面に限らず人材活用においても有効なのはなぜでしょうか?

私たちが提供している「パーソナリティ検査OPQ」は、受検者の能力適性をパーソナリティから予測する適性テストです。「人との関係」「考え方」「感情・エネルギー」の3つの領域で、30の尺度から測定します。

そのため、多様な角度から受検者のパーソナリティを把握できるのが強みです。個々が持つポテンシャルや特性が細かく見られるので、採用場面だけではなく、実際に働いたときにどのように行動し、どんな成果を上げてくれるのか、というところまで予測できます。つまり個々の適性がわかることで、採用だけでなく、入社後に一人ひとりに合った仕事やミッションをお願いすることができるのです。

具体的にどのような場面で活用されるのでしょうか?

採用の場面で使うイメージが強い適性テストですが、目的は「その人のことを良く知るツール」として使われます。ですから、「その人にどんな仕事をお願いするのか」「どのような方法で育成すると成長していきやすいのか」というような配属・育成などの場面で、ここ最近は使われることが増えています。

その要因としては、人手不足。人材の採用が難しくなっている状況なので、今いる従業員を戦力化することに重きを置く企業が少しずつ増えてきているからだと考えられます。配属を考えるとき、その人の個性をきちんと把握することはとても重要です。その上で仕事に必要な能力を発揮してくれる可能性を判断し、活躍の可能性が高い部署へと配属する。従業員と配属先とのマッチングを図ることが、各事業の最大限のパフォーマンスを引き出すことにつながっていくのです。

「育成環境の醸成」に成功した事例(金融系A社)

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育成力が課題と感じていたA社が適性テストを社内で活用したきっかけは何だったのでしょうか?

中期経営計画が変わるタイミングで、事業戦略に合わせた人事改革を行わなければいけないという危機感を持たれていました。そこに採用・育成部門の新しい室長として、マーケティング部門出身の方が就任されたことがきっかけです。人事のデータベースを見てみると、定性的な情報はあるのに定量的に物事や人を分析していないことに気づいたそうです。

「数字で語れない経営はダメなんじゃないか」という意識を持たれていたんですね。そうした中で、採用の場面で活用していた当社の「パーソナリティ検査OPQ」の適性テスト分析レポートで、行動特性が数値化されている点に着目され、社内でも活用できるのではないかという発想を持たれたそうです。

どういうタイミングで従業員に受検をしてもらったのですか?

最初に導入していただいたのは、研修のタイミングです。入社5年目に行う研修があり、そこで100名くらいの従業員の方々に受検してもらいました。実際に適性テストを受けてもらって、本人たちにフィードバックすると非常に納得感があったそうです。本人たちも良く当たっていると感じていましたし、人事としてもこういう情報があると人事面談がやりやすいという意見もいただいています。

その後、約1年かけて、全従業員に適性テストを受検していただきました。あわせて、部下の育成責任を持つ全マネージャーに対して、結果の読み方や結果を活かした指導の方法に関する研修を行いました。結局、仕事の能力は「現場」で身につきますので、業務の中で指導をしているマネージャーが有効に活用できるかが鍵になっているという問題意識からでした。定性的な人事データしかなかったものが、定量的なデータも集められたことで人事改革にも良い影響を与えられたのではと思います。

どのような変化があったとお聞きしていますか?

まず、従業員一人ひとりが自分の強みと弱みについて、客観的に理解できたことが大きかったようです。適性テスト導入後は、仕事に取り組む際にも自分自身の素質を念頭に置いて物事を考えることが浸透しているとお聞きしました。自らのキャリアプランニングもしやすくなったことで、モチベーションを高く持って働く従業員が増えたようです。

また、マネージャー陣が育成する上でも適性テストの結果を参考にマネジメントができたことも育成力の向上につながっています。競争の激しい業界を勝ち抜く人材を、従業員の中から育てる環境が生まれるきっかけをつくれたことは、適性テストの社内活用の可能性を感じました。

「離職対策」に活用した事例(メーカーB社)

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採用に力を入れているB社が採用場面で受検した適性テストを社内活用する理由はなんでしょうか?

B社は、年間で数十人の人材を採用し、適性テストを必ず受検してもらっています。その結果を人事担当の方々がしっかりと読み込まれ、採用者のテスト結果から見えた特徴や育成する上での注意点を現場の担当者にフィードバックします。そうすることで、現場では共有された情報をもとに接していくことができ、最適な育成や指導へとつなげていくことができます。こうした活用の仕方が、従業員の定着率向上の1つの要因にもなっているようです。

育成や指導する以外にも適性テストの結果が役立っていることはありますか?

定着率の向上は、見方を変えれば離職率の低下を意味しています。B社は営業職の採用割合が高いのですが、成果を求められる職種のため退職を考える従業員もなかには存在します。そんなときにこそ、役立つのが適性テストです。個々の能力から判断してジョブチェンジを行なうなど、適性テストから見える特性から対策を練り、毎年3〜4名の退職を未然に防ぐことに成功しているのです。従業員からすれば、会社が一人ひとりの能力をしっかりと発揮できるように配慮してくれることは、モチベーションにもつながることですから。

適性テストを一度受検したら結果は永久的に活用できるのですか?

さまざまな要因で人は成長していきます。そのため、適性テストの結果で変わらない部分もあれば、変わる部分もある。退職の話が出た際にテスト結果を参考にするのであれば、定期的に適性テストを受けてもらうほうが効果的です。有効期限で言うと1年半〜2年くらい。B社の場合も研修のタイミングなどで再受検していただいています。

「優秀な人材の発掘」につながった事例(メーカーC社)

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企業の競争力を高めたいC社が取り入れた優秀な人材を発掘する活用方法を教えてください。

C社では、「新規事業プログラム」という新規事業を開発する人材を育成するプログラムを内製で立ち上げています。新規事業に対するポテンシャルの高い人材のみが参加できるため、その能力を持つ人材を発掘するために適性テストを利用していただいています。

優秀な人材を発掘するために数千名の従業員が受検。その中から選ばれた20〜30名の従業員が新規事業の開発に取り組んでいるそうです。

企業の競争力を高める新規事業で活躍できる人材を見つけて育成するための方法として適性テストが活用されているわけですね。実際に適性テスト導入によって、新規事業開発にどんな影響を及ぼしたのでしょうか?

新規事業プログラムを卒業すると「新規事業コンテスト」に出場するのが慣例です。そのコンテストでは、それぞれが考えた新規事業を審査するのですが、二次選考まで残っている人はみんな、ポテンシャルの高い人だったそうです。選ばれた人たちはアイデアの質が良く、たまたまタイミングが少し遅かったため製品化が見送られてしまったものの、海外で製品化されたものと同じ製品のアイデアを考えた卒業生もいたそうです。

育成やマネジメント以外でも適性テストは活用できるのですね。

そうですね。お話させていただいたC社のように、優秀な人材を見つけたいときにも適性テストはとても有効です。実際に新規事業のヒット率は適性テスト導入後に大きく改善されたそうです。適性テストは人材発掘を行う場面で高い効果を発揮するので、プロジェクトを成功させるためにリーダーを選抜する際にも活用できます。このように、適性テストを活用して事業開発の能力に長けている人材を発掘することもできるので、新規事業を生み出す必要性が高まっている日本企業の中では利用が広がっていくのではないかと思います。

適性テストで「素質」を見極め、組織を強くする

採用場面での活用はもちろん、社内での活用も視野に入れて適性テストを導入される企業が増えています。従業員のテスト結果を参考にして採用基準を作ったり、育成力を向上させたり、分析して施策を展開したりと、幅広く応用できるのが「パーソナリティ検査OPQ」の魅力。従業員の「素質」を見極められることが、強い組織づくりにつながるのです。

まだ導入されていない企業は、まずはサンプルを受検いただき、その効果を実感してみてください。