人事考課の策定方法、公平性を保ちながら社員のモチベーションを上げる設計のポイント

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プロフィール
株式会社アウトソーシングテクノロジー
採用キャリアアドバイザー 若林聖子
求人広告代理店で営業職、エンジニア派遣会社で人事労務事務を経て現職。どんな任務にアサインされても常に1カ月目で成果を報告できるよう、垂直立ち上げを自らのテーマとしている。メンバーと共に業界トップクラスの採用に向けての組織構築を実行中。

こんにちは、若林です。みなさん人事考課の評価基準の策定では、どのようなことに気をつけておられるでしょうか。私の所属しているアウトソーシンググループでは、グループとして大枠で設定されている人事考課規定の他に、各会社の部署毎に細かい人事考課規定を設定しています。企業や部署・職務内容により業務の仕方や環境・文化の違いがあるため、同じ業務であっても人事考課の設定方法は千差万別になると思います。

ただ、この設定での公平性が保たれていなければ、社員の長期的就業時のモチベーションにも大きく影響を及ぼすため、広い視野を持って公平性が保たれる考課基準を策定していく必要があります。今回は、弊社・私の管掌している部署での人事考課設定方法をご紹介し、皆様の考課策定時のご参考にして頂けますと幸いです。

まずは評価項目の洗い出しと、特に注目するポイントを検討

01:評価項目の設定

組織運営方針を元に評価をしたいポイントを洗い出しましょう。数字で結果が出る部署であれば評価項目を「数値」で設定します。ポイントは結果に対しての評価項目と、目標に対しての達成率でみる項目を設定することです。 こうした配慮をすることで、大きい目標を持って奮闘してくれている人財への配慮となります。

また、結果に対しての評価項目に、各組織で重要視しているポイントを追加していきます。例えば、採用チームであれば「離職が発生しにくい人財を採用出来ているか」「どういう人財層を採用出来ているか(入社者のスペック)」など、結果に対して複数の貢献ポイントを評価軸に入れていきます。

02:プロセス項目の設定

次に、結果を出すまでのプロセス部分についても考課設定します。前述の採用チームであれば、「全国それぞれで求職者数や集まった応募者に対しての採用率」「どれくらいの経費をかけて低い採用単価で採用を行うことができたか」など、結果を出すまでの取り組みで特別に評価したい点や、一律評価してしまうと逆に不公平が発生してしまう点などを検討し、盛り込んでいきます。 プロセスについては、「数」より「率」を追うほうが適切かと思います。

03:特別貢献ポイントの設定

その他、特別に組織へ貢献したポイント(「みんながやることを引き受けてくれている」「少ない就業時間で高い成果を出している」)などを検討し付け加えることで、より公平性が増してきます。

この特別貢献ポイントについては、その年の組織テーマの色を強めに出すなどして組織マネジメントに活用してもいいかもしれません。 例えば離職率を下げるための取り組みを強化する年もあれば、採用単価を下げたい年、採用単価が上がってもいいから優秀な人財を沢山取りたい年など、組織運営戦略に併せて評価項目に盛り込まれると良いと思います。

評価項目が決まったら、評価係数の割合を考える

項目に公平性があり、どの立場の人財も適切に評価される内容になったら、次は割合を調整していきます。結果にウエイトを置くのか、プロセスにウエイトを置くのかによっても、チームメンバーの意識の置き方は変わってきます。

実際の現場では、結果項目にウエイトが置かれることが多いと思いますが、プロセスも蔑ろにできません。プロセスのウエイトを低くしてしまうと「結果を取れていたほうが評価される」と考え、プロセスに対しての PDCAを後回しにしてしまいます。逆も同じことが言えます。

結果とプロセスを半々に調整する場合は、特別ポイントの影響力に注意して割合を検討しなければいけません。割合によっては、 特別ポイントをつけても影響力が薄く、望んだ効果が得られなくなる可能性があります。 人事考課項目の落とし込みによって効果の得方も変わってくるので一概に言えませんが、ウエイトの調整は組織の方針に影響されることが多くなるため、前述の評価項目の設定時に多くの項目設定を行ってしまうとここに弊害が出てくる結果となりますので注意が必要です。

人事考課のキモは納得感

人事考課に納得感が持てれば、メンバーのモチベーションも維持しやすく、逆に不平等感を持たれてしまうと、“どうせ頑張ったって評価されない”という思考を展開するようになり、モチベーションの欠落に直結してしまいます。

人事考課として重要になってくるのは項目の設定とウエイトの設定ではありますが、メンバーひとりひとりの課題を先取りして目標となる道しるべを示していくことにあります。フィードバック時に納得が出来ていないと、いくら評価項目が公平性を保てていてもモチベーションが上がらない社員も出てくるため、人事考課でのフィードバックは綿密な事前準備が必要です。

本人がどのような意図で業務を行ってきたのかを日々の行動を見ながら想像し、結果に力を入れているのか、プロセスに力を入れているのか、本人の強み弱みはどこにあるか、それを自覚しているかなど、フィードバック前に話す内容と根拠を用意しておくことが重要となります。

今回お話した人事考課の策定方法は、その適切なフィードバックの上に成り立っているものになりますが、公平性を心がけ設計して頂きたいと思います。人事考課方法は常に改善していかなければいけないものになりますので、自組織のメンバーで離職が多いなどの課題がある場合は、こちらをご参考に人事考課の見直しを行って頂ければと思います。

以上、人事考課の策定方法、公平性を保つうえで注意したいポイントのご紹介でした。