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新入社員が人事制度を考案!?「せどつく」から、魅力的なアイデアが生まれる理由|新制度誕生秘話

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働きやすい会社をつくるには、人事制度や福利厚生の充実が必要不可欠。しかし、新しい制度を考案・導入するのは決して簡単なことではありません。では、どうすればそれが上手くいくのでしょうか。

そのノウハウを学ぶために効果的な方法のひとつが、企業が立ち上げた人事制度の事例を知ることです。制度が考案された背景や施行までの道のりには、ケーススタディとして新制度を構築する際に役立つ数々のヒントが詰まっています。

今回ご紹介するのは、日本最大級の結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park 」などを運営するIT企業「株式会社ウエディングパーク」の事例。同社は、“制度を創る”制度である「せどつく」をはじめ、そこから生まれた「カレーファミリー制度」や「8活(はちかつ)」など、ユニークかつ魅力的な制度を運用しています。

ウエディングパークの制度は、いったいどのような経緯で誕生し、活用されているのでしょうか。人事本部長の保田誠一郎さんと、「カレーファミリー制度」を考案した広報の尾崎佳苗さんにお話を伺いました。

新卒社員に制度を考えてもらい、当事者意識を育てる

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まずは「せどつく」の概要について教えてください。

保田:「せどつく」は“制度を創る”の略で、新入社員が社内制度を提案できる制度です。新卒採用を開始した2012年から実施しており、毎年秋にコンテストを開催しています。

新入社員を対象としているのはなぜですか?

保田:人事制度の考案に携わってもらうことで、新入社員にも「自分は会社をつくり上げていくメンバーの1人なんだ」という当事者意識を持ってもらいたいからです。

普通なら、「こんな制度があったらいいな」というアイデアがあったとしても、新入社員がそれを経営陣に話せる機会はほとんどありません。せどつくは、その機会を設けることで経営参加のマインドを醸成しています。新入社員は、チームを組んで発表の準備を進めます。

チーム制になっているのにも理由が?

保田:はい。社内のコミュニケーションを活性化することも、ねらいとしています。4〜5名ずつのチームに分かれるのですが、部署を超えた同期間の交流ができるように、メンバー構成は営業・エンジニア・ディレクターの職種混合です。

また、制度を立案するにあたって先輩社員たちにヒアリングを行うメンバーもいて、全社的なコミュニケーションも促進されていますね。

せどつくのコンテストで立案された制度は、どのような手順で施行に至るのですか?

保田:11月のコンテストで優勝したチームのアイデアは経営陣や人事も交えて検討を重ね、翌年には実際の制度としてスタートします。その過程で、ウエディングパーク“らしさ”があり、かつ時流・社流を加味した制度へとブラッシュアップしていくんです。

ウエディングパーク“らしさ”とは、どういった部分にありますか?

保田:ウエディングパークは「結婚を、もっと幸せにしよう。」という経営理念を掲げていますが、それに基づいて”幸せなサービスを届けるために、まず働く社員を幸せに”というカルチャーがあります。せどつくはこのカルチャーの浸透も目的のひとつとしているので、新制度は「自分たちが幸せになれるような制度」であるかを重視しているんです。

また、ネーミングも重要な要素として考えています。覚えやすくて、社内の共通言語として語られるような愛着ある名前でないと、なかなか浸透しないですから。

「家族になろうよ」という想いを込めた“カレーファミリー制度”

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「カレーファミリー制度(カレファミ)」は、かつて尾崎さんのチームが提案した制度とお聞きしました。ユニークな名前の制度ですが、いったいどんな内容ですか?

尾崎:「カレファミ」は新入社員のためのメンター制度です。部署横断で親担当社員・兄姉担当社員・新入社員という3人構成のオリジナル家族を作り、半年間で3回カレーを食べる会を催します。

メンター制度と言っても堅苦しいものではありません。プライベートのことも気軽に話せる会になっています。カレファミを実施することで、社員のモチベーションアップにつなげたいと思っています。

「カレー」を選んだ理由は?

尾崎:みんなが好きな食べ物なのと、幸せホルモン「セロトニン」が出ることから、「カレーがいいんじゃないか」ということになりました。

▲これが、「カレファミ」で一緒にカレーを食べている様子。楽しそうな雰囲気が伝わってくる。

保田:そもそもなぜ“家族”なのかと言うと、提案の段階では「会社のみんなで家族になろう」という趣旨の制度だったんです。これは、新入社員目線から見た「問題意識」を反映していました。

「問題意識」というと、具体的には?

尾崎:私が入社した当時は社員数が100人を超え、同じ部署内でも「普段なかなか話す機会がない人」が出始めていたころでした。違う部署の人はなおさらです。そういった人たちとも家族のように、気軽に話したり相談したりできるような関係性になれば、もっと仕事がやりやすく、幸せな職場になると私たちのチームは考えました。

では、最初から「一緒にカレーを食べる」というコンセプトが決まっていたわけではなかったと。

尾崎:はい。コンテストで優勝した後、どんな仕組みがいいのか、メンバーの人数・構成はどうすべきかなど、手探りでアイデアを詰めていったんです。その「アイデアを出し合って最終的に良いものにブラッシュアップすればいい」という考え方は、人事制度を作る上ですごく大切なことだと考えています。

「社員が求めているもの」を作るからこそ、上手くいく

▲2017年11月28日に開催された第6回「せどつく」。この会でも、数多くの魅力的なアイデアが提案されたという。

アイデアが制度化するまでにはさまざまな試行錯誤があるのですね。では、制度施行“後”に大きなアップデートがあった例はありますか?

保田:「8活」が良い例だと思います。8活は、世間で朝活が流行っていた頃に社内でも朝の時間を有効活用する人が増えていたため、それを支援するためにスタートした制度です。当初は、早朝出社するとポイントを付与し、一定以上に達したら朝活パーティーを開催していました。

しかし、社員からの「もともと集中して取り組む時間だったのに、意図がずれてしまったのでは?」という意見を受け、早朝出社した社員に朝食を提供する制度に変えたんです。

その制度によって「何を達成したいのか」を考えた上で、随時見直しをかけているのですね。最後に伺いたいのですが、「せどつく」の運用が上手くいっている要因は、どういった部分にあると思いますか?

保田:社員自身が本当に必要としている制度をつくる、という点が成功につながったのではないかと思います。会社側が必要だと思う制度を一方的に社員へ与えるだけでは、当事者意識は芽生えないはずです。

尾崎:制度化が約束されている(毎年必ず1案は採用される)ことも、重要な要素だと思います。いずれ自分がその制度を利用することになるので、提案する側も採用する側もかなり本気になって会社の未来のことを考えるんです。

保田:「せどつく」によって、「自分が良いアイデアを出せば、それが会社を動かせる」というマインドが生まれるのが何よりの成果でしょうね。それがあることで、日頃から社員が「どうすれば良い会社になるか」を考えるようになり、最終的には社員全員が同じ方向を向いて働くことにもつながるんです。

“当事者意識”が、良い人事制度を作るカギとなる

新しい人事制度を考える際、「経営陣やマネージャーが、トップダウンで制度を決める」という会社は多いはずです。しかしウエディングパークは全く逆で、「新入社員」が制度を考え、その運用を成功させていました。

誰かが決めたものを「やらされているだけ」という状態では、社員は制度になかなか愛着が持てず、運用も上手くいかなくなってしまいます。だからこそ、社員の意見を汲み上げ、制度を作る“当事者”であるという意識を持ってもらうことが、良い人事制度を生み出すために重要なのではないでしょうか。

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