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企業の大敵となってしまったモンスター社員への対応策と自己防衛方法
モンスター社員に対する傾向と対策 Part 2

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企業の大敵となってしまったモンスター社員への対応策と自己防衛方法
モンスター社員に対する傾向と対策 Part 2

近年の社会的問題として話題に上がることの多い「モンスター社員」。多くは、自分本位な理屈で「不当な扱いだ」「社会的に許されることではない」などと声を上げることで、組織内の調和を乱し、企業に不利益を与えてしまいます。

彼らの多くは、一見正論と見えるようなロジックを盾にしているので、それに飲み込まれないだけの武装と対策が企業側には求められます。有効な対応策、そして事態を未然に防ぐ防御策について考えてみましょう。

「ブラック企業……」は、モンスター社員の決まり文句?

「モンスター社員」と呼ばれる人たちが頻繁に口にするのが「ブラック企業」という言葉です。その主旨は「自分の言い分が正しく、それに理解を示さない企業側こそが社会的に逸脱した存在である」という理屈によるもので、ほとんどのケースでは「言いがかり」の域を出ないものと言って良いでしょう。

しかし、世の中に対して先に声をあげた方の主張が有利になる例は多く、モンスター社員側の意見に世論が味方してしまうという困った事態も起きています。「ブラック企業」という言葉が、一種の流行語のように扱われている今、この一言はモンスター社員にとっての決まり文句となっているのかもしれません。

日頃の、些細な要求を通してしまうことが、社員をモンスター化する

モンスター社員のトラブルに遭遇した時、企業側も振り返るべきなのが「日頃の要求に対して、小さなことだからと許容し過ぎていなかったか?」という点です。

入社時点でモンスター化する背景を持っていた人は別にして、職場環境が原因でモンスター社員となってしまう人の場合、多くがこれに当てはまります。

  • 「あいつは、タバコがないと仕事の効率が下がるから、多少の休憩は目をつぶろう」
  • 「取引先のウケがいいようだから、過剰なアクセサリーも、まあいいだろう」
  • 「もともと身体が丈夫じゃないみたいだから、残業はさせないようにしよう」
など、どれも問題ない対応のように思えますが、こういった個別許容が常態化すれば、通常の会社指示を、非情なものと勝手に受け取り、自分本位なクレームを連発しかねません。

社員の個別事情を汲み取り、良い状態で仕事をしてもらおうという企業側のスタンスは必要でしょうが、日頃の些細な要求をほぼ無条件で許し続けていれば、社員に「思い上がり」の感情が芽生えても不思議ではないでしょう。

こんな思わぬ事例も……

モンスター社員の事例は、数限りなくありますが、なかには「こんなことで?」と思われるようなケースも少なくありません。

■ケース1
「頻繁に労災申請を求め、希望が通らないと不満を社内ばかりか社外の人間にまでもらす」

このケースでは、該当社員は勤務先の工場での怪我に労災適用が認められたために、以来かすり傷程度の怪我でも、労災申請を要求するようになった。

■ケース2
「事業計画に基づいた本来フェアな人事異動に対し、不当と訴え、精神的な保証を求めた」

人事異動や配置転換は、企業にとっては事業効率を優先するための手段として社員に納得してもらう必要があるが、その説明プロセスを怠ったために「不当処遇として」訴えられたもの。

■ケース3
「プロジェクト成功を祝って握手を求めたところ、セクハラをでっちあげられた」

外資系企業などでは、ひとつの文化として握手が慣例となっていることが多い。その会社では、日常的に交わされている挨拶だが、苦痛に思った女性社員がセクハラと捉え、会社及び上司を訴えたというもの。

■ケース4
「夫と共働きしながら子育て中の女性社員が、職場から頻繁に子供に電話をかけるため、注意したところ、性差別だと主張された」

このケースの問題点は、女性社員が子供に電話をかけたのが就業時間であったため、会社が「子供の帰宅を確認するなら、休憩時間にやってくれ」と注意を促したところ。一見常識的な対応ではあるが、注意の言葉のうち「子供の帰宅を確認するなら」という部分が一種の性差別として受け取られた。

■ケース5
「制服のデザインに気にいらないことで、女性社員たちが集団で訴えを起こした」

スカイマークエアラインで、フライトアテンダントのミニスカートが問題視されたことがあるが、同様に「女性社員の人権を無視した制服デザイン」という主張でモンスタークレームとなったもの。
本来、制服のデザインは企業のアイデンティティに通ずるものであり、就業効率を著しく損なったり社会的常識から逸脱しない限り、着用する個人の好みが反映されるものではないと考えられる。

■ケース6
「営業上の値引き条件について、取引先を味方につけ、自社に圧力をかけてくる」

この得意先にはこの条件を飲むのが妥当です、という主張に対し会社が決済を出さないため、取引先担当者と一緒になってプレッシャーをかけてくるもの。

■ケース7
「仕事中のインターネット閲覧を注意したら、これも情報収集のひとつですと、反論され、ブラック企業呼ばわりされた」

社内備品の私的利用は、本来であれば禁じられて当然であるが、ネット閲覧という行為の性質上、それが私的であるか業務に関係するものであるかの判断は難しい。大企業であれば閲覧履歴などの定期的チェックがなされるが、中小企業では同様の対策が困難なため、反論しにくいことも少なくない。

事態を未然に防ぐ対応策と、起こってからの対応策

その社員がモンスター社員であるか、あるいはモンスター社員となる可能性が高いかは、簡単には判断できませんが、例として次のようなポイントを意識して見ると良いでしょう。

面接時のチェックポイント

  • 「短期間に転職を繰り返していないか?」
  • 「転職回数は少なくても、就職後すぐに退職していることがないか?」
  • 「自己都合による退社が異常に続いていないか?」

すでに勤務している社員においては、

  • 「仕事上の注意をしても、反応がなかったり、不機嫌になったりしないか?」
  • 「決められた勤務時間以外は、会社のことに一切タッチしないところはないか?」
  • 「社用車を自分の車のように使ったり、傷をつけても悪ぶれていないか?」
  • 「5分程度の遅刻はまったく気に留めていない」

実際には、ほかにもいろいろな特徴や兆候が見られますし、こういった特徴に当てはまらなくても、モンスター社員化する可能性はあります。

重要なことは、「モンスター社員をそのままにしておかない」ことであり、そのためには「相手と同じレベルに立って議論をしない」というコツが必要です。例えば、仕事中の私用電話を注意するときに、「業務時間に家に電話なんかするな」という言い方をモンスター社員にすれば、「喧嘩腰にものを言われた」と受け取られてしまうかもしれません。

そうではなく、相手よりも一段上に立った気持ちで「業務時間が終わってからのほうがゆっくり電話できるよ」と言ったほうが効果的でしょう。

また、あまりにも頻繁に繰り返される不平不満には、いちいち耳を貸さずに無視することも必要です。もし、そういった不平不満が周囲に悪影響を与えたり、業務自体の効率を下げているようであれば、就業規則と照らし合わせて毅然とした態度を取るべきでしょう。会社側が就業規則上の取り決めとして主張することで、仮に訴訟問題に発展したとしても裁判上有利に進めることができます。

理論武装が彼らの得意ワザ

モンスター社員たちの主張には、一見、正論と見えるものが少なくありません。しかも困ったことにこういった問題を起こす社員に限って、「仕事はできるし頭も切れる」といったケースも多いのです。社会常識的には「気持ちは判るけど、無理があるよ……」といった主張であっても、彼らなりのロジックで理屈を積み上げられてしまうので、正攻法では反論できないことさえあります。

いわば「理論武装こそがモンスター社員の得意ワザ」と言えるでしょう。彼らへの対応策としてもっとも重要なのは、会社として「できることと、できないことを明確し、それを理解させる」ことであり、常に冷静になって事態に当たることです。相手の態度に合わせて、企業側も熱くなってしまうのがいちばんいけないと考えられるでしょう。

最終回となる次回は、モンスター社員の実例と企業の対応例を考えてみます。

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