人事お役立ち

近年、増加しているモンスター社員の生まれる背景と傾向を探る
モンスター社員に対する傾向と対策 Part 1

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近年、社会的問題として人事及び労務担当者を悩ましているのが「モンスター社員」です。会社に対する些細な不満を容赦なくアピールし、強引に自己の満足に結びつけようとする彼らの実態は、ときに社会常識を逸脱し、周囲を巻き込んで大問題化します。

この「モンスター社員」について、現状を探っていきましょう。

モンスター社員とは何なのか?

その呼び名には明確な定義や裏付けはありません。もともと、「モンスターペアレント(教育現場に理不尽な要求をする保護者達)」、「モンスターカスタマー(行き過ぎたクレームをぶつける消費者達)、「モンスターペイシェント(医療現場で理不尽な要求をする患者達)」などの言葉が社会的に用いられるようになった流れから、会社にクレーム(言いがかり)をつける社員を「モンスター社員」と呼ぶようになったと言えるでしょう。

「モンスター社員」と呼ばれる彼らが会社に対して、突きつけてくる不満や要求は様々です。「福利厚生に対する理不尽な要求」、「会社個々の制度や組織文化に対する不満」、「人間関係に関する非常識な主張」など、例をあげればきりがありません。

さらに、これらの要求や主張に本人の家族(親兄弟や妻あるいは夫)までもが加担してくることがあり、このことが問題の解決を困難にしています。

また、悪質なケースでは、行政などの外部を味方につけて闘争に持ち込む例もあります。人事側としてもよほどしっかりと理論武装をしておかないと、常識外れの主張がまかり通ってしまう可能性もあるわけで、十分な対策が必要となります。

後天的モンスター社員の場合、社内でのプレッシャーや本人の性格に問題があることも少なくないのですが、むしろ受け入れる側の会社組織にも何かの問題が潜んではいないか、よく分析する必要があります。

上司からの過剰な圧迫であったり、組織内の文化として常識化している事柄やルールが、実は社会的には異例なものであったりと、じっくり分析すると会社側に「モンスター社員化の原因」が隠れていた、などということもないとは言えません。

しかもこの場合には、当面問題視している社員だけでなく、モンスター社員予備軍にも注視する必要が出てきます。

タイプ別にみるモンスター社員分類

モンスター社員の分類には、これといった定義はありませんが、その中身によっていくつかのタイプに分けることができます。主だった例をあげてみましょう。

パワハラ型

中央労働災害防止協会によると、「パワーハラスメント」は、「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的苦痛を与えることで、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」とされています。

パワハラ型のモンスター社員は、相手の立場や気持ちに一切配慮せず、自分が思ったことだけを見境なくぶつけるため、ときに攻撃的な印象を周囲に与えます。

ほとんどの場合、権威的で自己中心的な人が多く、部下に配慮できない身勝手な上司や自分の手柄だけを尊重する管理職などはこれにあたります。

親依存(家族介入)型

社員が抱えた問題に、親や兄弟などが介入して家族ぐるみで会社に圧力をかけてくるようなタイプです。休日取得、給料(報酬)、配属などに不満があっても、常識的な社会人であればよほどのことがない限り、自分だけで問題解決に当たろうとするものですが、このタイプの社員は家族の声を味方に付けることで自分の主張が通りやすくなると考えています。

また、本人だけでなく介入してくる親兄弟にも多少の問題があることを想定しなくてはならないので厄介です。

メンタル不安定型

重篤な精神疾患までは至っていなくても、何らかの問題を抱えている社員が、会社に対して自分本位な要求を訴えるケースなどがこれに当たります。

例えば、悪意をもっての会社の制度を利用するケースや、やっと周囲の理解を得て休職したと思ったら自分の都合だけで復職してきたりするケースです。

また、自分の感情をコントロールできず、その場にふさわしい言動ができない、ちょっとしたことですぐにキレる、といったタイプもこれに当たります。

自己主張押し付け型/自信過剰型

周囲の事情や場の空気感を考慮せずに、自分が思ったことだけを正しい意見として主張するようなタイプです。しかも、その主張が認められないとあからさまに不満を抱き、周囲に同情を求めたりすることもあります。

このようなタイプは、自分の能力を過信していることが多く、過去の実績にこだわり続けたり、「自分は他とは違うんだ」といった思い上がりを抱いていることが多いと言えるでしょう。そのため、傲慢でわがまま、行き過ぎた頑固さ、などの印象を周囲に与えます。

反抗型

相手とのコミュニケーションが、常に「歯向かう(はむかう)」ことから始まっているタイプ。会話のなかで「でも」「しかし」「だって」といった言葉が頻繁に出てくる傾向があります。

メンタル不安定型と同様にすぐにキレる「逆ギレ」要素も持っていることがあります。また、このタイプでは、交友関係にも問題を抱えていることがあります。

被害妄想型

なんでもないことに対し、常に「自分だけが被害者なんだ」という感情を抱き、ヤケになって行動したり、反対に自ら仕事の効率を下げておきながら正当化したりというタイプです。

また、その人には責任がないにもかかわらず「自分が原因なんだ」と勝手な思い込みをして周囲を混乱させるタイプも、これに当てはまります。

いったん卑屈になってしまうと、なかなか抜け出せないため、業務への支障も大きいのが特徴です。

タイプ 行動・言動例
パワハラ型
  • 相手の考えをすべて否定する
  • 自分の尺度でしか物事を捉えない
  • 権利意識が過剰に強い
  • 力関係にこだわり、自分の意見を「力」で押し通す、など
親依存(家族介入)型
  • 給与体系や労働条件に関して、家族が口を出してくる
  • 体調不良を会社のせいにして家族ぐるみで文句を言う
  • 罰則などに家族からクレームが出る、など
メンタル不安定型
  • メンタルヘルスの不調を理由に会社の制度を悪用する
  • 自分の都合だけで行動し、周囲の心配を無駄にする
  • 心の病を自覚せず、自分勝手に動く、など
自己主張押し付け型
自信過剰型
  • 自分の考えや意見がすべてだと考える
  • 自分だけの理屈で業務が行えると思い込んでいる
  • 過去の実績にこだわり、いつまでもそれに依存する
  • 自分がやっておけば、と考えがちである、など
反抗型
  • 会話というコミュニケーション手段がとれない
  • すぐにキレてしまう
  • 感情をコントロールできない
  • 常に人間関係に、問題を抱えている、など
被害妄想型
  • 何事も自分が原因であると思い込む
  • 常に自分が被害者でないと、落ち着かない
  • いったん卑屈になるととことん落ち込む
  • 自分が責任をとるべきという自虐意識が強い、など

モンスター社員のタイプ分類については上記で述べたほかにも、「セクハラ型」のようにジェンダーに関連するものもあります。

次回は、現場での実例も交えながら、モンスター社員への対応と回避策などを探っていくことにしましょう。

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