人事お役立ち

3つの失敗談から学ぶ育成の心得|育成しくじり先生 俺みたいな上司になるな!!

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社会人として長年働いていると、“後輩を育てる”ことを必ずどこかで経験します。本記事の読者にも、育成経験のある方はたくさんいるのではないでしょうか。

その中には、「上手に育成できた」という自負のある方もいるでしょうし、その反面、「育成に失敗した」という苦い記憶をお持ちの方も少なからずいるでしょう。そして、そのネガティブな記憶は、なるべく公にはしたくないかもしれません。

ですが、普段は語られることのないその“失敗”にこそ、育成を成功させるヒントは隠されています。なぜなら、失敗の原因を分析することで、人材育成における課題とその対処方法が浮き彫りになるからです。

ここでは、3人の人事担当者にご登場いただき、育成における失敗談を語ってもらいました。各エピソードから、人材育成のエッセンスを学んでいきましょう。

しくじりケースNo.1 “重要だけど退屈な作業”を引き継いだ後、ほったらかし

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【育成失敗者プロフィール】
Tさん。20代女性。中堅IT企業に勤務。カスタマーサポートを担当している。

Tさん:私が失敗したのは、社会人になって3年目の頃。自分の部署に男性の後輩が入ってきたときでした。その後輩の育成を、私が担当することになったんです。当時の私は業務量が多かったこともあり、自分の持っている仕事を少しずつ彼に引き継いでいくことにしました。

その中に、毎週火曜日に2時間くらいかけて実施するルーティンワークがあったんです。顧客のデータを、管理画面から黙々と入力し続けるというものでした。業務そのものは非常に重要な内容だったのですが、作業は退屈です。けれど、なるべく前向きな気持ちで取り組んでもらいたいと思っていました。

後輩には、その業務についてどのように説明したのでしょうか?

Tさん:作業の手順を一通り説明した後に、「面倒だとは思うけど、肩の力を抜いてリラックスして作業してね」と伝えたんです。いま思えば、絶対にそんな言葉をかけるべきではありませんでした。その後に、大きなトラブルになってしまって……。

具体的には、どのようなトラブルに?

Tさん:作業を引き継いでから1か月ほど経ったある日、あるお客さんからクレームの電話がかかってきたんです。「注文していた資料が届かないぞ。どうなっているんだ!」と。青ざめた私はその原因を調査しました。その結果「顧客データベースに、そのお客さんの住所が登録されていない」ということに気づいて愕然としたんです。

その情報って、まさか…。

Tさん:そう。後輩に引き継いだ作業によって登録する情報です。調査をしてみると、作業を依頼したデータのうち数パーセントは、登録漏れや入力ミスがあることが発覚しました。どうも、データ入力後のチェックが雑だったようなんです。

その後、必死にデータを再入力し、お客さんに謝罪をして、なんとか事態は収束したからよかったのですが……。後輩と話をしてみると、「それほど重要な作業だとは思わなかった」という返事をして、とても気まずそうでした。そこから数週間は、関係がギクシャクしてしまったんです。

どのような手段をとっていれば、その事態は防げたと思いますか?

Tさん:その業務は、お客さんの情報を扱う重要な作業であり、入力ミスがないか入念に確認する必要があることを伝えるべきだったと思います。それから、まだ作業に慣れていないうちは、先輩である私がきちんとフォローに入るべきでした。

<人材育成の教訓 1.>
仕事を引き継ぐ際には、その目的や意味、重要性なども併せて伝えておくべき。
相手が若いメンバーの場合は特に。
また、独り立ちするまでは定期的なフォローを忘れてはいけない。

しくじりケースNo.2 「いいよ。俺がやるから」

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【育成失敗者プロフィール】
Iさん。30代男性。製鉄工場に勤務。課長として働いている。

Iさん:私は現在、職場で課長として働いています。どんな仕事かというと、主に工場での検品作業です。課長に任命されてからは、何名かの部下を指導するようになりました。

失敗をしたのは1年前のことです。当時の私は、部下にできない仕事があると「いいよ。俺がやるから」と言って、自分が代わりに受け持っていました。自分としては部下を思いやっているつもりでしたし、仕事を任せるのはリスクが高いと判断していたからです。ですが、いま思い返せば、あれは単なる仕事の横取りでした。

その結果として、何が起こってしまったのでしょうか?

Iさん:何年経っても部下が成長してくれなかったり、「仕事にやりがいが感じられない」と言って辞める部下が出てきたりしたのです。

その結果として、私の持っていた仕事は属人化してしまい、引き継ぎが非常に難しくなってしまいました。この段階になってようやく、自分の育成方法が間違っていたことに気づいたんです。

どうしていれば、その事態は防げたと思いますか?

Iさん:失敗をしてもいいから、難易度の高い業務を部下に任せておくべきだったと思います。もちろん、慣れていないわけですから初めは上手くいかないかもしれません。けれど、失敗をさせ、その経験から何かを学ばせなければ、人は決して成長しないのです。「失敗させるまい」と思っていた私は、指導者として本当に未熟だったと反省しました。

<人材育成の教訓 2.>
誰しも失敗をしながら成長していくもの。
リスクを取って“失敗させる”ことも、上司の重要な仕事だと心得よう。

しくじりケースNo.3 優秀な部下を潰してしまった

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【育成失敗者プロフィール】
Nさん。20代男性。人材斡旋会社に勤務。若くしてリーダーに抜擢された。

Nさん:忘れもしません。私が失敗したのは、社会人になって4年目の頃。私はその年にリーダーに抜擢されました。当時は、若くて怖いもの知らずだったこともあり、「なんとしても、チームの部下を立派に育成したい」という思いでいっぱいでした。特に、ある部下がとても優秀だったため、特別に期待をかけていました。

その部下の作った資料の出来が良くなければ、私の要求するレベルになるまでレビューをくり返し。クライアントから理不尽な要求をされていれば「残業してでも乗り越えろ」と叱咤激励し。精神的に参っているようなら、昼食に連れて行って夢を語り。よく飲みにも連れて行きました。

なぜなら、自分自身が先輩からそういう育て方をされ、成功してきたからです。とにかく、自分と同じように優秀な社員に育てようと必死でした。

それが「失敗だった」と気づいたのは、なぜでしょうか?

Nさん:その部下が辞表を出したと、人事担当者を経由して知ったときです。本当に頭が真っ白になりました。「リーダーの私に、どうして何も相談してくれなかったのだろう」とも思いましたが、いま思い返せばそれは自惚れでした。

失敗の原因は、何にあったと思いますか?

Nさん:「自分の教育方針は絶対に正しい」という考え方しかできていなかったことです。よく考えてみれば、仕事だけではなく昼食や業務後の時間まで縛られてしまった部下のストレスは相当なものだったでしょう。

けれど、当時の私は、成功体験があったからこそ天狗になっていましたし、周りが少しも見えていませんでした。結局、部下ではなく“自分の分身”を育てようとしていたのです。

<人材育成の教訓 3.>
優秀で成功体験のある人ほど、自分が上手くいった方法論を部下に押し付けがち。
その育成方法が“独りよがり”になっていないか、冷静にチェックしてみよう。

“しくじり”の中にこそ、改善のヒントはある

今回の事例を読んでいて「似たようなことがあったな……」と、心にグサリと来た方も多いでしょう。なるべくなら、失敗経験は思い返したくないもの。しかし、その原因を分析して改善への手がかりを見つけなければ、ビジネスパーソンとして大きく成長することはできません。

あなたの胸にしまってある“しくじり”。それがなぜ起こってしまったのか、一度考えてはみませんか?

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