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「専業禁止」で、採用力、そして人材を強化!エンファクトリーが掲げる「複業」という解

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働き方の多様性が叫ばれる昨今。終身雇用制は破綻し、企業と従業員の関係性は、過去のような主従では成立しないと言えるのではないでしょうか?

そんな中、「副業禁止」ならぬ「専業禁止」を打ち出すのは、代官山にオフィスを構えている、株式会社エンファクトリー。
株式会社オールアバウトから分社後、創業初期からパラレルワークを推奨。
この取り組みは企業と人との関係を考えるうえで一つの大きなヒントを与えてくれます。

なぜこの制度を取り入れたのか、採用にはどのような効果があったのか。代表の加藤氏にお伺いしました。

まずは、御社の事業内容から聞かせてください。

加藤:主な事業は4つです。1つ目はもともと株式会社オールアバウト時代から行なっていた「スタイルストア」。これは少ないロット数でこだわりの物を作る日本全国のつくり手さんの物を我々が販売するサイトです。
次が「専門家プロファイル」。これは1000名を超えるあらゆるジャンルの専門家の方々にPRとして活用して頂く場です。専門家といってもB to Cから、B to Bの士業の方々などジャンルが広く、約130職種の方々がいます。

この2つの事業がオールアバウトから分社し、現在に至ります。
3つ目は、メンバーの約半数を占める開発部隊によるプロジェクト受託開発です。

新しいところでは、「TSUKURITTE(ツクリッテ)」。DNPさんと提携して主にデザイナーや技術者などの「つくり手」にソーシング、クラウドファンディング、販路までプラットフォームでサポートしていくサービスです。

最後に「プロクル」。Webや新規事業などを立ち上げる際に、中堅、中小企業だとなかなか人材を抱えきれない、立ち上げに貢献できる人もいない、採用もできない中で対応していかなくてはいけない。そこに実際の経験値を持ったプロを我々がマッチングしていくサービスです。

「専業禁止」はなぜ生まれたか?

創業4年半で22名、会社もだいぶ形ができてきたなかで、「専業禁止」という部分がやはりインパクト強いですね。いつ頃からこういうアイデアをお持ちだったのですか?

加藤:分社した時からですね。メディア掲載も最近多いですけども、分社して一年後くらいからポロポロと取り上げていただけて。

 

私自身、オールアバウトの立ち上げ期からいたのですが、もともと人材ポリシーに、「人材の自立」、「自立人材の応援」を掲げていました。

いわゆる「個」が中心の時代が来るといわれている中で、その延長線上で従業員も含めて、自立をしていくことに対して会社も応援していこうと。当時私は人事も含め会社の全体を見ていたので、その時のテーマとして「自立」を掲げていたんですね。

現在、エンファクトリーとして分社して、よりもっと人材の自立、いわゆる全員プロになっていく、プロフェッショナルとしてのビジネスマンになっていくことに対して、1つのメッセージとして「専業禁止」を打ち立てたのが流れです。

例えば自分の技術を生かした社会貢献するボランティア活動の「プロボノ」という形でしょうか?

加藤:「プロボノ」とは少し違いますね。ここで言う兼業というのはパラレルワークのことです。僕らが掲げている「複業」というのは、例えば空き時間にマクドナルドでアルバイトをして時給を稼ぐようなことを言うのではありません。

個人でお客さんがいて、プロセスを経て価値を提供して、収益が出るようにし、最後はキャッシュを回収する。これで商売が成り立つわけでしょ? だからそういう流れを自分自身で経験してみる、体験してみる、やってみるということ。それ自体が成長に繋がるのですよ。

よく「経営者目線で物事を考えろ」と言われますが、そういうのは無理。結局、ビジネスは自分でやらないとわからないですよね。実際に会社を辞めることなく、会社にいながらリアルでやる。それで人材が育ち、リーダーとしての素養・素質が開花されて育っていくと考えています。

人材育成に対する研修というか、開発の1つになっている。そういうことが言えるわけですよ。

副業ではなく、“復業”。パラレルだから起こる化学反応もある。

社内ではエンファクトリーの仕事が本業で、それ以外を副業と呼んでいるのですか?

加藤:いえ、どっちも本業の扱いですね。そのため、複業の「ふく」は弊社では「複」の字です。どちらも主業です。お坊さんの修行ではないけど、そういう意味も含めています。
だけど、複業を全員に強制しているわけではありません。そこは自分自身が選択します。

社員の方々も、自分で何をやるか、自分で探さなければならない。

加藤:もちろんそうです。こちらから何も与える事はないです。与えても意味がないから。人材の自立、とにかく自分で生きていくことが大事です。現在は、名だたる大企業でも、安泰ではない時代です。

うちの会社だってどうなるかわからないですし、不確実な時代の中で会社も生き残りに必死です。企業が従業員の生活の保障をしてくれる時代は終わりました。 だからそういう時代の中で、個人としてどうやって生き抜いていくか? それが大きなテーマですね。そこを社会背景からしっかりと理解し、自分でどういうふうに生きていくのか、飯食っていくのか、人生を楽しんでいくのか。そういうことを個人がしっかり考えていくのがベースにあるのですよ。

経営者側からすると複業はリスクではないのでしょうか。違うところで成功して独立してしまったり、こちらの仕事にエネルギーを注いでくれなかったりといった可能性はないのですか?

加藤:むしろ、それでも全然いいと思っています。個人の人生を縛ることなんてできないですよね。若くて優秀な人ほど、会社に頼らず自分で動きます。個人を会社に縛るのではなく、緩やかで誠実な信頼関係でつながる。それがこれからの会社のあり方だと考えています。

よくいう会社へのロイヤリティ、つまり「会社のために行動する」、なんて極端に言えば誰も考えていないんじゃないでしょうか。会社はある種のプラットフォームで、そのプラットフォームを個人として生かしていく。会社自体がプロジェクトで、そこのメンバーであることにすぎません。

ここで一つ注意してほしいのが、愛社精神的なものを否定しているわけではありません。会社というのはただの箱なので、個人は会社をうまく使って、結果として会社も発展していくというこれからの新しい会社と個人の関係性にチャレンジしていきたいです。

愛社精神と自立型人材は両立する、と?

そうですね。愛社精神という言葉にはちょっと語弊がありますが、この会社というプラットフォームには、自分が参画することによって自分の力が発揮できる。そこでプラットフォームにも貢献できれば、それが結果的にロイヤリティに繋がると思います。あと、ここに集う意味、会社という箱のミッションやビジョンも大切ですね。

社会システムの変革を見据え、自らの行動を決定する

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会社に骨をうずめるということがなくなりつつある現在、会社と個人を繋ぎ止めるものは何になるのでしょうか?

加藤:明確な答えを言うのは難しいですが、不確実な変革の時代に、会社組織の一員としての個人はどう生きて、そして活きていくのか、その解の一つが、僕らの会社では「専業禁止」なのです。

バブルが終わって以降は経済状況、世の中の仕組みが大きく変わり、そしてインターネットが普及して個人がいろんなことができるようになってきています。

社会的な背景からいえば、お金とキャリアを自らデザインしていく時代になりました。かつては年功序列賃金、終身雇用、公的年金、退職金と全てが画一的だったものが制度疲労を起こし、うまくいかなくなっている。

その社会システムが崩壊していることに加え、選択の自由度が高まり、すなわちできることがたくさんあり、逆にすべて自己責任になってきた。

この時代背景をわかった上で、自分の暮らしや仕事や自己実現を含めてデザインしていくことが必要です。エンファクトリーの「生きるを、デザイン。」というメッセージはそこを表しているのです。

オープンイノベーションは中小企業から起こせる

専業禁止で個人の価値を発揮した結果、外部との間でビジネスが生まれてくると思います。実際のところ、御社の中で変化が起きている実感はありますか?

加藤:大企業がよくいう「オープンイノベーション」は、中小企業でも可能です。まず、新しい事業を起こすためには、外を目指すことが必要です。外を志向することで、入ってくる情報量が圧倒的に違うのですよ。

新しいビジネスのネタとか、既存ビジネスに対する新しいやり方だとか、そういったものが入ってきます。そのなかで僕らの実感値としてあるのが、イノベーションを興していくことに対して、中小企業でもイノベーションができるということです。

外部とネットワークを持っていることで、これまで20名程度の中小企業ではできなかったことが、アイデアの棚も広げ、次第に自社でも生まれてくるようになりました。
実際、2014年の1年間でだいたい月に1件、ビジネスが生まれていました。社内だけじゃなくて、パラレルワークで仕事している人が外から持ってきたネタから発生した案件などもありましたね。

社内事業として実行する案件、事業パートナーとして関わる案件、開発パートナーとなる案件など、いろんなパターンがあるのですよね。たとえば、東急不動産さんとの事業開発で、自社オフィスの入っているTENOHA内にリアル店舗「TENOHA & STYLE STORE」をオープンしましたし。自社の新サービスの開発なども含め、産まれ、実現する組み合わせはたくさんあります。

その組み合わせを産み出す可能性がすごく開かれている。だから大企業のオープンイノベーションに限らず、この10人、20人の企業でもできるということですね。

加藤:そうは言ってもまだ4年半ですが、パラレルワークの方が上手くいって独立していく人も出てきている。現在、半数くらいのメンバーが大なり小なりそれぞれのパラレルワークを実践しています。

最近になってやっと想定していた全体感というものが出てきています。組織の形も現在ではうまくいっていると感じています。当面は現状の形をブラッシュアップし続け、新しい事業も作っていく。新しい価値を提供して、さらに収益を上げていきたいですね。

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