人事お役立ち

待機児童問題・厳しい保活…育休社員からのSOSに対して、会社ができること②

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前回、待機児童問題・厳しい保活…育休社員からのSOSに対して、会社ができること①に続いて、待機児童問題から人事の育児休業社員への対応方法を考えていきます。

育児休業の期間と延長

保育園++2

育児休業は、育児介護休業法によれば「子が1歳に達する日」まで取得することができます。パパ・ママプラスといって、父母の両方がそれぞれ育児休業を取得した場合は、1歳2か月まで認められます。なお、会社によっては「子が3歳に達する日まで」など、法定以上の休業を認めるケースもあります。

また、1歳に達するまでに「保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当該子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合」には、会社に申し出ることにより、子どもが1歳6か月になるまで育児休業を延長することができるとされています。

ですから、育休中の社員から「1歳になるまでに保育所の空きがないので復帰できません……」と連絡を受けた場合には、「お子さんが1歳半になるまで延長できますよ」として、育児休業期間の延長の手続をすすめましょう。

延長しても入園できなかった場合には

先ほどの厳しい待機児童の現状を見ると、育休期間を半年延長して、それでも保育所へ預けることができない可能性も0ではありません。この場合、会社としてはどうすべきでしょうか。もし、育休期間が終了するのが3月半ばで、4月1日から保育園に預けることが可能ということであれば、ブランクの2週間程度を有給休暇等として取り扱うことも考えられます。

問題は、年度途中でどうしても預けられなかった場合です。もし、社員本人が「預け先もないので、退職します」と申し出れば、そのまま自己都合退職として取り扱うことで問題はありません。しかし、たとえば「週2日はなんとか実家に預けるので、週3日だったら働けます」「9:00~16:00の時短勤務なら何とか働けます」などと相談があった場合は、どうでしょうか。会社としては申出のとおりの勤務を認めるべきでしょうか。

労働者には「働く義務」がある

会社と社員の間には、労働契約が結ばれています。これは、会社は賃金を払いますよ・社員は働きますよ、ということを約束するものです。そして、社員が妊娠・出産によって働けなくなってしまったので、休んでいる間はこの義務を免除しましょう、というのが育児休業の制度になります。

育児休業の期間が終了した場合は、労働の義務の免除もなくなりますので、労働者にはまた「働く義務」が生じます。ですから、育児休業期間が過ぎても子どもを預けられず、働く義務が果たせないとするならば、それは自己都合による欠勤となります。
この場合は、本人からの退職の申出がない限り、就業規則にそって対応することとなります。

育児休業法に基づき会社が配慮すべきこと

ただし、育児休業について定めた育児介護休業法に基づく配慮は必要と考えられます。育児介護休業法によれば、事業主は育児休業後の職場復帰がスムーズに行われるようにするため、労働者の配置や雇用管理、労働者のスキルアップ等に関して、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定められています。

要するに、社員が育休後に復帰する場合は、その配属等に必要な措置を講じるように努力しましょう、とされているのです。また育児介護休業法により、子どもが3歳になるまでに、社員が希望する場合は1日6時間の時短勤務を認めなければなりません。

ですから、もし育休中の社員が「9:00~16:00の時短勤務なら何とか働けます」と申し出た場合は、会社としてはこれを認めなければならないと考えられます。また、「週3日なら働けます」との申出についても、会社としては何とか雇用を継続できないか、できる限りの努力はすべきでしょう。一時的に雇用形態を変えてでも就業させられないか、職場の状況と社員本人の希望を聞いて調整してみましょう。どうしてもダメなら、社員と話し合って退職の道もやむなしと考えます。

なお、本人の意思に反して会社から辞めさせる場合は解雇となりますので、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支払って即時解雇するか、30日前に解雇の予告をするかの手続をとることとなります。解雇という形をとる場合には、後々になってトラブルが起こる可能性がありますので、十分な説明と承諾を得るように慎重に手続をすすめ、かつその記録を残しておくことをおすすめします。

    まとめ

  1. 待機児童問題・保活は深刻な社会問題。
  2. 育休は1年6か月まで延長することができる。
  3. 育休期間を過ぎても保育所が見つからなければ、自己都合による欠勤に。
    ただし、会社と本人とでよく話し合い、雇用を継続する道を模索することが望ましい。
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こばやし つかさ

元労働基準監督官。
事業場への指導経験と、2児をもつワーキング・マザーの視点から労働問題を中心に執筆活動を行う。

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