人事お役立ち

在宅勤務を禁止したYahoo!-その効果はあったのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

仕事と家庭の両立を可能にする働き方として、海外でも在宅勤務制度には好意的で、導入する企業が増えています。しかし、Yahoo!のCEOマリッサ・メイヤー氏は2013年の2月に、それまでYahoo!で認められていた在宅勤務の禁止を発表。そのニュースは大きな議論を巻き起こしました。

マリッサ、メイヤーが在宅勤務を禁止した理由

Yahoo!の人事責任者であったジャッキー・レセス氏が社員にあてた文書では、在宅勤務禁止の理由について以下のように記されています。

「在宅勤務により、スピードと品質が犠牲になります。私達はYahoo!として一つになるために顔を合わせる必要があるのです。」

メイヤー氏は、在宅勤務を禁止することで、社員同士の協力体制を促し、競争力を取り戻すことができると考えていました。メイヤー氏自身が育児をしながら働く女性であったこともあり、この決定には多くの人が驚きました。妊娠中にYahoo!のCEOに就任したマイヤー氏は、自分のオフィスの隣に育児ルームを作り、出産から2週間後に子連れで職場に復帰しています。

当時のYahoo!は、FacebookやGoogleといった強力な競合にトップの座を奪われ、社員の士気が下がっていると噂されていました。そのため、企業の競争力を取り戻すには、このような思い切った改革が必要だと考える人もいたようです。しかし、ほとんどの専門家や企業家たちは、Yahoo!の決定を疑問視する意見を述べています。

在宅勤務禁止に対する議論

バージングループのリチャード・ブランソン会長は、Yahoo!の在宅勤務禁止の決定に対し、「在宅勤務が今までになく簡単で効率的にできるようになった時代に、このような決定をするのは後退しているように思える」とコメントしました。

また、ボストン大学のブログでは、Questrom School of Businessのキャシー・クラム教授が、仕事と家庭の両立を目指す若い世代のYahoo!離れを危惧しました。仮に在宅勤務を禁止することで社員同士が協力できるようになったとしても、若く優秀な人材がYahoo!に就職することをためらうようになれば、長い目で見て企業に良い影響を与えるとはいえません。

さらにクラム教授は、メイヤー氏が目指す社員同士の協力や相互作用は、在宅勤務を禁止せずとも実現可能だと述べています。例えばSkypeなどを使ったオンラインミーティングをしたり、ビジネスイベントや勉強会などを開催したりすれば、社員の意識向上を図ることができます。また、在宅勤務を全面的に禁止するのではなく日数を減らす措置にすれば、社員同士が対面する機会は増え、家庭の都合で在宅勤務を望む社員にとっても負担が少なくて済むでしょう。

在宅勤務禁止による効果は?

在宅勤務禁止の発表から約半年後、Yahoo!はこの決定により予想通りの効果が得られ、エンゲージメント(仕事への結びつきや関わりかた)と生産性が向上しているという結果を発表します。しかし、企業の総収入や利益が前年度よりも下がっていたため、あまり説得力はありませんでした。

在宅勤務禁止について巻き起こる議論に対しメイヤー氏は沈黙を続けていました。しかし、2013年4月に意見を述べています。「1人でいるときのほうが生産的になれるかもしれません。しかし、他の人と一緒にいるときには、コラボレーションがうまくいき革新的になれます。2人の素晴らしいアイデアを合わせて最も優れたアイデアを作り出すことができるのです。」

この制度変更により、12, 000人の社員のうち約200人に影響があったとみられています。また、マサチューセッツ工科大学の客員研究員で「People Analytics」の著者ベン・ウェイバー氏は、在宅勤務を禁止したことによって、Yahoo!の場合には労働効果が約3%向上すると分析しています。そして、この制度変更に約1億5,000万ドルの価値があると評価しました。

それから2年、2015年現在もYahoo!は在宅勤務を禁止しています。しかし、ハフィントンポストが社員にインタビューしたところ、現場では禁止の規則がいくらか緩んでいるということです。

在宅勤務の禁止は、効果的ではなかった

Yahoo!のケースをみると、在宅勤務をなくしても会社の利益に直接よい影響が出たとはいいにくいようです(参考:2012年度粗利益33億6600万ドル、2014年粗利益33億1900万ドル)。Yahoo!の場合、制度による効果よりも、専門家やマスコミからの批判という悪影響を受けてしまいました。特にハイテク企業の大手がテクノロジーを利用できず、古典的な就業形式にしばられていることに議論が集中してしまったようです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

マイナビ転職で、採用活動をはじめてみませんか?

会員数・掲載案件数ともに業界最大級!
マイナビ転職では、母集団形成から採用業務の改善まで貴社の採用を支援する幅広い商品・サービスをご用意しています。
採用でお困りの際はお気軽にご相談ください。

採用のご相談・お問い合わせはこちら

03-6740-7228
受付 9:15~17:45(平日)

関連コンテンツ

おすすめのコンテンツ