人事お役立ち

社員が抱えるストレスに対して、 会社や上司はどうフォローすべきか

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職場内や取引先での人間関係や仕事と家庭の両立、そして自らのキャリアアップなど…。社会人として毎日を送る以上、ストレスの蓄積は誰にでも起こりえます。ストレスに悩む社員に対して、会社や上司、同僚はどう接し、対応していけばよいのでしょうか。2つの事例をもとに考え方のポイントを探っていきます。

<CASE 1> 突然の異動辞令!これまでのキャリアは無駄だったの?

「これまで技術職としてグループのリーダーを務め、長く経験を積んできたが、会社の方針転換により、突然、営業職への異動を言い渡された。お客様と対峙する仕事は経験がなく、これからどう取り組んでいいのかもわからずパニック状態。しかも異動と同時にリーダー職からも外されてしまった。これまでの自分のキャリアは、いったい何だったのだろうか……」

このように「大きな変化がいくつも重なって起きた」ときは、周りの変化に追いつくことができず、自分がいったい「何に対して」、「どんなことに」不満やストレスを感じているのか判らなくなってしまうもの。ましてやその変化の要因が自分の意思ではなく、不本意と感じるものであればなおさら。日々の業務に追われて、気持ちの整理がつかず、自分の置かれている立場や環境を客観的に見つめるのも難しい状況に置かれてしまいます。

こうした状況が続くと、心の中に不満やストレスがどんどん蓄積してしまい、最終的には「深く考えないようにしよう」、「言われたことだけこなせばいい」と、思考が止まり、感情までマヒしてしまう可能性すらあります。

●抱えているストレスの原因を明らかにする

そんな時に有効なのが「今抱えているストレスが“なにか”を明確にする」こと。そこで、今、自分が不満・ストレスを感じている原因を考えられるだけ書き出してみましょう。「CASE1」のようなケースであれば、

  • 自分のキャリアを認めてもらえなかった
  • やったことのない仕事を手掛けるのが辛い
  • リーダー職から降格となった

などの原因が挙がるのではないかと思います。

こうして、一つひとつ「自分が抱えているストレスの要因」を文字にしていくことで、自分を客観的に見つめ直すことができ、「自分はこんなことを不満に感じていたのか」と気づくこともできるはずです。
中には、この行動だけでこれらのストレス要因に対して、自分はどう対処すべきなのかを考え、打開策を見出せる人も少なくありません。

また、考えられるストレス要因を書きだしたら、その要因が自分にとって「どのくらい重要なのか」、「仕事に対しての影響力はどうなのか」を分析してみましょう。

「確かにストレスは感じているが、仕事に支障が出るほどではない」、「この状況が続くと健康にも影響がでてしまう」など、自分にとっての“重要度”を考えていくのです。それによって、職場でのストレスを軽減するためには、まずは何から改善していけばよいのかもおのずと見えてくることでしょう。

<CASE 2> 女性の“幸せ”とキャリアアップは両立できる?

「仕事も順調、ポジジョンも得て仕事にもやりがいを感じているが、そろそろ30代も後半。結婚・出産願望が自分の中で年々強くなっているのを感じている。このまま一人でいるのはイヤ。でも、今のやりがいのある仕事を手放すのも怖くて決断できずにいる」

仕事も家庭も、そして子育てや介護など、さまざまなことに同時に取り組む“密度”の濃い時間が多くなると、その分、どうしてもあきらめざるを得ないことや、割り切らなくてはならないことも増えてきます。毎日、とても忙しい、なのにあきらめざるを得ないことがこんなにある……、という状態が続くと、なんとなく「もやもやした」、「やりきれない」感情に心が支配されてしまうもの。
最後には「自分ばかりがこんなに我慢している」とストレスがたまり、家族や同僚との人間関係にヒビが入ってしまう可能性もあります。

●現状を整理し、キャリアの「ありたい姿」を描こう

このような場合も、先に述べたように、自分が今、どんな点にストレスを感じているのかを考え、書き出してみるのも有効です。そして、同時に、自分と家族の現状を踏まえたうえで自分のキャリアの「ありたい姿」を描き、客観的に現状を見つめ直してみましょう。

こうして自らのキャリアプランを“見える化”し、整理することで、「自分が今、この年代で何をすべきか」、「いつまでに何をすべきか」を客観的に見つめることができます。そして、たとえ子育てなどで20~30代の間は短く、限られた時間でしか働くことができなくても、その後、少し時間に余裕ができた40~50代の“自分のありたい姿”に近づくためには、何をすべきなのかも見えてきます。

自分の現状を整理し、受け止め、「今」を受け入れる、これによってストレスはグンと軽くなります。そして、少しでも現状に変化があればそれを踏まえてプランを修正し、自分の意思をコントロールする。それが“キャリアデザイン”なのです。

社員が抱える“ストレス”を軽減するために

しかし、いくら一人ひとりが「ストレスの要因」を客観的に見つめ、自分のキャリアプランをしっかりと組み立てたとしても、やはり所属しているそれぞれの企業・グループが、社員のキャリア支援に向き合い、丁寧に対応していかなければ、抱えるストレスを軽減することはできません。

では具体的にどのような取り組みが必要となるのでしょうか。ここに3つのポイントを挙げてみたいと思います。

1.メンバーとリーダーとの話し合いの場を持つ

メンバーそれぞれが自分のキャリアについて何を考え、何に悩んでいるかを把握。定期的にじっくりと話し合う時間を設け、その内容を、マネジメントに組み込めるようにしましょう。

2.リーダーと人事部で情報を共有する

メンバーが、今後、どんなキャリアデザインを描きたいと考えているのか、そのためにどんな取り組みをしているのかを可能な限り人事部と共有し、定期的・継続的に支援できる体制を整えておくことが求められます。

3.経営層と雑談・対話できる環境をつくる

経営層とあえて「雑談」できる場を設け、経営層に対するメンバーの不安を解消することも重要。ランチ会やカフェ、アフター5での懇親会など、気軽にコミュニケーションし、メンバーの不安や疑問を解消できる場をつくることでモチベーションアップにもつながります。

まずは現状の客観視からはじめよう

ストレスの要因となるものは、一人ひとり違うものですが、その根本には、「自分が描く“自分のありたい姿”と“今の自分のキャリア・現状”に大きな隔たりがある」ことが多いのです。そのため、ストレス要因を取り除くためには「自分がありたい姿」を具体的に描き、その理想の姿に近づくために足りないことは何かを客観的に見つめることが重要。そして、企業(特にリーダーや人事部)は、個人が抱えている不安や改善要望を“本音”で語れる関係性を日ごろから作っておくことが大切なのです。

社員のメンタルヘルスマネジメントが求められている今、このように社員一人ひとりの抱えるストレスを見つめ、自覚してもらい、その改善策について本音ベースで話し合える、そんな機会を設けてみてはいかがでしょうか。

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