仕事とプライベートが両立できる、フレックス勤務体系のこれから
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昨今増えつつある、週3~4日勤務などのフレックス勤務体系。価値観の多様化に伴い、今後もこうした勤務体系が広まっていくことは想像に難くありません。多くの選択肢があることは求職者にとって魅力であり、選択肢が少ない企業は、人材を確保するうえで不利になるといっても過言ではなくなってきています。
また、今後既存社員からフレックス勤務を希望する声が上がることも予想され、そうなれば企業側も検討せざるを得ないでしょう。フレックス勤務の実態とこれからについて考察します。
フレックス勤務の実態とは?
最近、機会があっても正社員にならず、あえて派遣社員などの雇用形態を選択する人が増えているのをご存じでしょうか。こうした働き方が選択される理由はさまざまですが、ひとつにプライベートの時間を重視したいという意識があるようです。
最も多いのが、家族との時間を大切にしたいというケース。子育て中のワーキングマザーは、子どもを保育園に預けて勤務後に迎えに行くと、一緒にいられる時間が限られてしまいます。一部でも在宅勤務が認められれば、子どもと一緒にいられる時間はぐっと増えるでしょう。
また、子育てだけでなく、家族の介護も大きな理由のひとつ。要介護の家族を介護施設に預けても、勤務中に気になれば仕事に集中できないこともあるでしょう。在宅勤務の時間であれば、家族が目の届くところにいて、同じ空間を共有できるというだけで、大きな安心につながります。
そのほか、家族との時間以外の理由としては、時間に縛られずにパフォーマンスを発揮できるタイプの人がいます。特に感性が重要になるクリエイティブワークにおいて、時間、空間を拘束されると十分に能力が発揮できず、自分のペースで進めて初めてクリエイティビティが活かせるというタイプです。
従来の労働条件ですと、感性を犠牲にしてでも協調性が優先され、同一の時間、空間において作業することが求められましたが、労働条件が自由になることで効率が上がり、存分に能力を発揮できるクリエイティブ職が増えています。
これまでの勤務時間における給与やポストを天秤にかけても、家族との時間を尊重する。また、能率を上げるために自分のペースを優先する。それが、フレックス勤務が求められる背景の本質です。
フレックス勤務の未来はどうなる?
トヨタなど、国際的な大企業でも在宅勤務を採用した例が出てきており、この流れが加速することは間違いないでしょう。IoE(Internet of Everything)などテクノロジーの発展により、産業全体が属人的・属地的な縛りから解放されつつあることも背景にあるでしょう。例えば、農業でいえば気候や土壌、作物の監視を、現地にいなくても遠隔から最適化して行うことができるようになってきています。技術が進歩することで、農業従事者の労働体系も当然、変わってゆくのです。
また、欧州では市役所が完全にバーチャルになったバルセロナ市の例もあります。市民は市役所へ足を運ばなくても、すべての行政サービスを受けることができます。つまり、オフィスワークにも位置の縛りは無くなってきているのです。こうなると、労働組織における属地的コミュニティとしての役割は薄れ、働くために一箇所に集まる必要がなくなり、人がよりプライベートにもコミュニティの軸足を置くようになるのは必然と言えるでしょう。現在でも出勤日数や時間に対して自由な働き方を求める人は、この大きな流れのひとつであると言えます。
大きな時代の変化の中にある現代では、人々の働き方もまた、大きく変化しています。この変化に合わせ、業務体系や働く人の意識も変わっていくことは想像に難くありません。柔軟な思考をもって変化を肯定的に受け止め、輝ける未来を仲間とともに迎えましょう。