人事お役立ち

企業力強化の一歩目は組織の“健康診断”から!
組織文化の「見える化」が長寿企業をつくる

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長く続く“強い”会社には、しっかりとした文化がある――といわれるものです。
その組織にとっては“当たり前”のことすぎて、なかなか表に出てこないという「組織文化」を「見える化」し、効果的に「変革」へと結びつけるにはどうすればよいでしょうか?
経営コンサルタントとして活躍を続けるかたわら、長年、慶應義塾大学大学院SDM研究科と共同で「組織文化」に関する実験・検証を重ねてきた越善哲哉氏にお話を伺いました。

長寿企業に共通する「組織文化」とは?

今、企業の業績や競争力を高めるための施策として、「組織(企業)の文化を見直し、必要があれば変えていこう」と考える企業が増えていると聞きます。
この「組織文化」への取り組みは、何か特筆すべき大きな成功事例やトピックスによって気運が高まったわけではありません。それぞれの企業が経営や人材のマネージメントなどに取り組むなかで、組織(企業)文化による「壁」にぶつかり、その「影響力」の大きさに気づかされた――とケースが多いように感じます。

日本は世界一の「長寿企業国」といわれ、創業から200年を超える企業が3,000社以上も存在しています。実に世界中の長寿企業の56%が日本に集中しているのです。ではなぜ、日本には長寿企業が多いのか?
その研究を進めていくと、そこには「挑戦・革新」「協調」「貢献」という3つの共通した「組織文化」があることがわかってきました。

長寿企業に見る「3つの共通文化」

  1. 挑戦・革新
    守るべきものは守りつつ、新しいことに挑戦する
  2. 協調
    部門や部署にとらわれず、即座に一致団結できる力がある
  3. 貢献・お役立ち
    「人のために」「誰かのために」役に立ちたいという想い

長く続いている「長寿企業」は、伝統も大切に守りながら、現状に甘えることなく、常に新しいことに挑戦しているものです。そして、部署や部門などの垣根を越え、一致団結して仕事に取り組む、そして「誰かの役に立ちたい」「もっとお客様に喜んでもらいたい」などといった価値観や文化が根付いているのです。

組織文化の「見える化」で、組織の“体質”を変える!

そんな多くの長寿企業を抱える一方で、日本の倒産企業の平均寿命は23.2年(2014年/東京商工リサーチ調べ)。
つまり、多くの企業が30年をもたずにその歴史を閉じています。変わり続ける社会のニーズや環境にも柔軟に対応し、長く生き残ることができる組織(企業)づくりのためにも、組織に根付いた文化を診断(見える化)し、必要であればそれを変えていくことも一つの手段ではないでしょうか。

組織文化を診断し、「見える化」する最大のメリットは、その組織を変えていくために「何から手をつければいいかが明確になる」こと。目に見えないため、「なんとなくおかしい」とは感じていても、表面化せず、放置されてしまうことも多い組織文化の“今”を知り、的確な治療法を知るための「(企業の)健康診断」のようなものだといえます。

その手法としてはさまざまな企業が提供する「組織文化診断」の利用や、社員へのインタビューなどが知られていますが、どちらも社内ではなく、外部の第三者に入ってもらわないと実現は難しく、また客観的評価も得られないと思います。組織文化を「見える化」させるためには、社員一人ひとりの話を聞いて、その後ろにある「比較的大多数の人が“当たり前”だと思い込んでいる、文章になっていないもの」を見つけなくてはなりません。

しかし、その組織に長く在籍している人ほど、そうした“当たり前”に気付きにくく、アンケートやインタビューでも「(この組織に)問題はない」と答えてしまうもの。また、在籍期間が短い(まだあまり組織に染まっていない)社員が調査を担当した場合、社内から強烈な抵抗にあったり、知らず知らずのうちに組織の既存文化に染まってしまうといった恐れもあります。
自社の組織文化を知り、それを「組織・会社を変えるためのきっかけ」にしたいと本気で考えるのであれば、せめて「組織文化の見えるようになる」までは、外部の専門家の力を借りるべきだと思います。

その場しのぎの施策では、組織文化は変わらない!

もしも、あなたが健康診断の結果「高血圧」だと診断された場合、その症状に合わせて薬を処方されると同時に、お医者様からきっと次のような指導をされると思います。「食事や睡眠、適度な運動など、毎日の生活習慣を見直しましょう」と。

日頃の生活習慣が原因で起きた身体のトラブルは、確かに処方された薬を飲めば症状を改善することができます。しかし同時に、病気の原因となった生活習慣を見直し、体質を改善しなければ、薬が切れたとき、また同じ症状に苦しめられることになってしまいます。

実は、組織文化もそれと同じこと。長く発展する「長寿企業」を目指すためには、その場しのぎの施策ではなく、組織の体質(=文化)を改善し、根本からの治療(=変革)を行わなければなりません。

では、組織・企業の体質(=文化)は何によって形成されていくのか?
そこにはマネージメントが大きく影響してきます。例えば営業日報の提出ひとつをとっても、そのマネージメントの違いで組織大きく変わってしまうように、組織の体質(=文化)を変えるためには、組織の体質改善、すなわち『マネージメント習慣の改善』が欠かせません。

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組織文化を「見える化」し、その良い点、悪い点が見えてくれば、その組織のどういったところをさらに伸ばし、どこに手を打てばいいのかもおのずとわかってきます。それに基づいて、「日常のマネージメント」を見直していくことが大切なのです。

自分たちで考え、自分たちで目標を設定する

組織文化の診断や社員へのインタビューで「見えてきたこと」を生かし、組織をどう変えていくか。 診断の結果を踏まえ、外部のコンサルタントが提案する「改善案」に取り組む――そういった方法もあるかもしれません。しかし、そうした“治療”は、一時的なものにすぎず、薬が切れれば(コンサルティング契約が切れれば)、元の状態に戻ってしまう可能性もあります。

組織文化を「見える化」したら、組織のリーダーを中心に、自分たちで改善点・目標を定め、それをどう実行するのかを話し合い、決めていくべきです。
診断やインタビューによって見えてくる(文化)結果は、その組織に所属するメンバーであれば「やっぱりね」「うすうす感じていた」というものがほとんどであることでしょう。組織に対して感じていた“なんとなく”がハッキリすることで、その問題点や改善点も、よりリアルに浮き上がってくるはずです。

また、話し合いのなかで、日常の業務を振り返り、「慣例でやっていたけれど、これって本当に必要?」「必要性が分からず放置していたけど、こんなに重要なものだったとは!」といった新たな“気づき”もたくさんあります。もし外部コンサルタントの力を借りるなら、こうした場にアドバイザーとして参加してもらいながら、最終的には、あくまでも“自分たちで”決め、実行することが重要です。

マネージメントの変化によって、メンバーが“良い成果”や“成功”を体感すると、それは個々の「やる気」につながります。そして職場環境の変化は、一人ひとりの心の変化へとつながります。こうした“良いサイクル”が持続すると、やがて、それが文化として根付いたとき、それが組織の強みとなり、成長への武器となります。

組織文化を変えることは、確かに容易ではありません。しかし、お客様に愛され続ける「長寿企業」を創るためには、やはり“組織文化の革新”は欠かせない取り組みなのです。

組織文化を「見える化」するメリット

組織文化を改善するための「手段」「方法論」がハッキリと見えてくる

その組織に根付いた文化の「良い点」「悪い点」が分かることでどこに手を打てば組織を変えることができるかが見えてくる

組織のリーダー・メンバーの問題意識が高まる

自分たちが「なんとなく」感じていた文化が明確になることで、組織が抱える問題点・改善点もよりリアルに浮き上がってくる

組織の「マネージメント改善」の大きなきっかけとなる

組織の変革のために「優先して取り組むべきこと」が分かるため、これまでのマネージメントを見直し、改善するきっかけともなる

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株式会社ジェック
越膳 哲哉

取締役。コンサルティングや研修・トレーニングを通じ「需要創造型経営への変革支援」に取り組む。メーカー・医療業界を中心に、営業・製造・開発・技術部門などさまざまな分野でのコンサルティング実績を持つかたわら、「組織文化」についての実験・検証を行い、数多くの講演も重ねている。

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