人事お役立ち

企業の業績・競争力を左右する!? 自社の『組織文化』を知る・変える!

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いわゆる「勝ち組企業」の多くが、会社全体に深く浸透し、組織を一つにまとめる“独自の文化”を持っています。今や、企業の業績や競争力を高めるための大きな要因になると認識され、注目を集めている「組織文化」。
しかし、いざ「組織文化を知り、変えていこう!」と思っても、目に見えないものだけに「何から取り組んでいくべきかわからない…」と、悩んでしまうケースも多いようです。

そもそも「組織(企業)文化」とは何か? そして、自社の「組織文化」をどのようにして知り(自覚し)、変えていくべきなのか、2回にわたって考えていきたいと思います。

組織文化を形成する「3つのレベル」

組織文化研究の第一人者であるエドガー・H.シャイン氏は、著書(『組織文化とリーダーシップ』1985年)の中で、『組織文化とは、ある特定のグループが外部への適応や内部統合の問題に対処する際に学習した、グループ自身によって、創られ、発見され、また発展させられた基本的仮想のパターン』であると定義。さらに、その文化は、以下の3つの層から形成されているとしています。

レベル1. 人工物と創造されたもの
オフィスのレイアウトや、社内行事の様子、社長はどんな人か、そして社訓や組織の管理規則の内容など「目に見える」もの

レベル2. 価値
働いている人たちが、自分が所属する組織の雰囲気や人間関係に対してどう思っているのかなど、会社に対する「価値観」

レベル3. 基本的仮想
その組織にとっては「あたりまえ」「無意識」に行動や判断に影響をあたえるような要因。対立や議論にもならない傾向がある

組織文化とは、その組織が「当然」や「あたりまえ」のように共有された価値観や行動が絡み合って形成されているもの。その組織に属する大多数の人が「何を当たり前と考えるか」「どんな行動パターンを取るのか」といった、その企業“らしさ”を形成する要因の一つであるともいえます。シャインは、レベル3の「基本的仮定」が組織における文化の本質であるとし、図表でレベルが下に向かうほど、なかなか変えることが難しいと説いています。

組織文化は、一端形成されると、組織内の大部分のメンバーからは「当然のこと」として受け入れられるため、組織内の細かな方針や取り決めを議論しなくても「なんとなく分かり合う」ことができる、メンバー間では好きない情報のやり取りで多くの内容を伝達・共有できるなど、有効に機能する面もあります。しかし、その反面、一端形成されて根付いた文化は、その内容を改めることが難しく、時にはさまざまなしがらみとなって、組織の成長を阻んだり、他の組織のメンバーとの摩擦を生む、といった可能性も持ち合わせているといえます。

◆組織文化のメリットとデメリット

    メリット
  • コミュニケーションの円滑化
  • 意思決定の迅速化
  • 企業イメージの醸成
    デメリット
  • 思考の画一化
  • 組織への思い入れや依存
  • 価値観を共有しない外部組織への排他的姿勢

組織文化はなかなか変わらない

では、組織文化とはどのようにして形成されていくのでしょうか。そこには、企業トップの理念や考え方が大きく影響を与えているといわれています。企業トップ・経営者の理念とリーダーシップのもと、メンバーとのコミュニケーションを通して共有化した特有の言葉・考え方が、組織の価値観や行動を醸成させ、徐々に「組織文化」として浸透していくのです。

しかし、こうして形成された文化・価値観が企業にとって好ましいものばかりであるとは限りません。時には「チャレンジしない消極的な考え方」「規則を守らないことが慣習化」「建設的でない行動が正しいとされる」といった、企業の成長を妨げる要因となるような文化が生み出される可能性もあります。また、これまで創り上げてきた文化が、いつの間にか時代の要請に合わなくなってきた……というケースもよく見受けられます。

このような場合は、当然、これまでの文化・価値観を変えていくためのアプローチが必要となってきます。しかし、先にも述べたとおり、一度浸透した組織文化を変えるのは容易なことではありません。もともと目には見えないものですから、なんとなく「ここが問題だと感じていたけれど……」と、「なんとなく感じているものの、それが『本当に問題かどうか』分からない」のです。

ですから、組織の文化や価値観を変えるためには、
●自分たちの「組織文化」のどこに問題があるのかを客観的に見つめ直す
●なぜその文化を「変えなくてはならないのか」を明確にし、その意識を組織のメンバー全員と共有する
ことが重要です。

人事によるテコ入れとして、手っ取り早く組織やグループを一新したり、規則やルールを改めたからといって、すぐに大きな変化が期待できるものではないのです。

組織文化を「見える化」させよう

では、目に見えない組織文化を変えていくためには、どうすればよいのか。
それには、まず自社の組織文化を「見える化」させることが必要となります。

企業のトップやリーダーが、組織に所属するメンバーたちが「どんなことを当たり前だと考え」「どんな行動パターンを持っているのか」をしっかりと理解することによって、組織を変えていくためのポイントが見えてくるからです。
組織の“強み”と“弱み”を理解し、足りない点を補うためにはどうしたらいいかを考える……。病気でも、どこが悪いのかわからないまま治療に取りかかるよりも、症状をきちんと把握してから治療するほうが効果も期待できます。
それと同様で、まずは自分たちの弱点を認識し、「問題意識を持つ」ことが組織文化改革の第一歩なのです。

また、組織文化は「社員(メンバー)の意識・価値観が集結」したもの。ですから、その変革にはメンバーの同意も欠かせません。トップダウンで全メンバーに一様に取り組ませるのでは、“やらされている感”が募るばかり。一時的に成果があったとしても、すぐに形骸化してしまいます。
それを避けるためも、トップダウンだけでなく、下からのボトムアップも加え、組織のコンセンサスを得ながらの変革をめざしたいもの。
組織のメンバー全員で問題点・弱みを共有し、共通の目標をつくり、それに向かって全員で取り組んでいくことが重要なのです。

経営者やトップは、「こうしなさい」と命令するのではなく、その取り組みの過程において、インセンティブを与えるくらいの関わり方で充分。組織の変化に対して、トップからの正当な評価を受けることで、メンバーは「自分たちのやり方が正しかったのだ」と実感し、その成功体験がさらなる成長を促してくれます。

組織文化の変革には、とても時間がかかりますが、組織のメンバー一人ひとりが共通の価値観を持ち、「(業務上の)事故を減らしていこう」だとか「業績を上げていこう」といった同じ価値観を持つことで、目標に対して自然に一致団結して取り組むことができるようになります。自分たちの企業の、所属グループの「組織文化」とは……? ぜひ一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?

次回は、「組織文化の見える化と変革」について、もう少し詳しく取り上げていきたいと思います。

組織文化変革に欠かせないプロセスとは?

自社・組織の文化・価値観を客観的に判断しよう
まずは組織のメンバーがどんなことを「当たり前」だと考え、どのような「行動パターン」を持っているのかを把握しましょう

組織の「強み」と「弱み」を理解しよう
自分たちの組織の意識や行動パターンの「優れた点」と「弱い点・足りない点」を確認しましょう。組織の弱点が見えてくれば、そこを補う有効な対策も検討しやすくなります。

「なぜ文化・価値観を変える必要があるのか」を共有しよう
企業トップやリーダーからトップダウンで「こうしなさい」と支持するのではなく、自分たちの組織の問題点をメンバーとも共有し、共通の目標を持って取り組んでいくことが重要

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