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経営コンサルのプロに聞く! 本当に“有意義”な社員研修とは? 

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本当に“有意義”な社員研修_w800h450

失敗しない企業研修・セミナー選びのポイント

企業の業績アップに「社員教育」が欠かせないと言われ続けてきた昨今。今では、社会人としての自覚・スキルを身につけるために行う新入社員研修だけでなく、管理職・営業職向け研修やクレーム対応研修など、年次や職種、コンセプトを絞ったさまざまな企業研修が行われています。そんな数ある研修・セミナーの中から、自社のニーズに最適なものを選ぶのはなかなか難しいものです。

そこで長年、企業経営のコンサルティングに関わってきた市耒晃次氏に、「失敗しない企業研修・セミナー選び」についてお話をうかがいました。

せっかく研修・セミナーを導入したのに……

社員の意識・スキルの向上にと、せっかく社外研修を導入したのに、参加した社員の満足度が低い、研修の効果が感じられない――そんな経験はありませんか?

企業研修には大きく分けて、会社のトップや優秀なスタッフが講師となって行われる「社内研修」と、外部から講師を招く、または社外の研修に社員を参加させる「社外研修」の2種類があります。近年、「社内と異なる価値観に触れることができる」「(社内にはない)新たな発想やスキルを得ることができる」という理由から、社外研修を導入する企業が増えているといいます。

しかし、企業研修は先述したようなメリットがある反面、社外の人間が講師となるため、導入した企業が求めるとおりの研修カリキュラムとなるとは限りません。
また受講者と講師の相性の良し悪しや考え方の相違によって、研修・セミナーの満足度が大きく左右されるというデメリットもあります。

実際、社外研修を導入したものの、参加した社員に事後アンケートを取ってみたら「(研修内容が)今後の業務にあまり役に立つとは思えない」という回答が多かった――なんてケースも少なくないようです。

では、そんな残念なケースが起こってしまう理由はなぜでしょうか。市耒氏いわく、以下の3つの要因が考えられるといいます。

(1) 企業の理念が反映されていない

社外研修を導入する際、研修会社が提案する「研修カリキュラム」をそのまま鵜呑みにして実施していませんか?

人材戦略としての社員研修を企画する際には、まずその企業の理念実現のために「社員の何をどう変えていきたいか」というコンセプトを明確にすることです。そのためには、社長(企業トップ)と社員研修を担当するスタッフ、社外スタッフを担当する研修会社との間の意思疎通をしっかり図ることが必要不可欠なのです。

(2) 研修内容が講師個人の体験談でしかない

現在、営業研修、管理者研修、コミュニケーション能力向上など、業種別・目的別にさまざまな研修が用意されていますが、そのすべてに共通して重要なのが、「技術・テクニック」だけでなく「企業理念」や「(その仕事に対する)考え方・意識」まで教えてくれるかどうか、という点です。

技術やテクニックばかりを教えられる研修は、「講師の成功体験を聞かされている」のと同じことです。もし、その“成功体験”が「研修を導入した企業の理念と一致する」、もしくは「現場で活用できる」ものでなかったら、受講者は成功期待感を持つことすらできないはずです。

(3) 「研修=コスト」と考えている

社員教育が重要だとはわかっていても、企業のトップや研修担当が研修にかかる時間や費用を「=コスト」だと考えていたら、社員にとって本当に有意義な研修を企画することはできないでしょう。また、社員に2~3日間の研修を一度受講させただけで、「社員研修を実施している」と満足して終わってしまうケースも少なくありません。

社員教育はコストではなく「=業績へとつなげるための投資」である――そう考えれば、研修の企画や研修後のフォローがいかに重要であるかも自然に理解できます。こうしたトップや担当者の意識が業務に直結した実践的な研修カリキュラムを生み、参加者にとっても満足度の高い結果が得られるのです。

3. 失敗しない研修選びとは?

では、実際に社外研修を導入することになった場合、数ある研修会社・提案の中から、自分たちのニーズに一番合った「有意義な研修・セミナー」をどのようにして選んだらよいのでしょうか? 市耒氏にいくつかのヒント・アドバイスをいただきました。

◆研修会社の歴史・実績をチェックしよう

やはり、研修会社を選ぶうえでその会社の歴史や実績をしっかり確認することは大切です。
社員教育の重要性が叫ばれ、多くの研修会社が誕生している今、歴史ある会社には必ず「長く選ばれている理由」があります。また、社歴は短くても、確かな実績を重ねている研修会社には独自の特徴的なノウハウがあるはず。まずはそういった視点から研修会社を絞っていくといいでしょう。

◆研修会社の「提案力」に注目しよう

 

満足度の高い社員研修のためには、先にも述べたとおり、研修の企画と受講後のフォローが欠かせません。だからこそ、その点も含めた研修カリキュラムを提案してくれる企業会社を選びたいものです。

2~3日の研修をたった一度受けただけで、社員の意識や会社の雰囲気が一変することはありえません。その企業にとって何が足りないのか、理念の実現に向けてどうしたいのか。そして、研修によって、受講者がどう変わったのか。さらに足りない部分はどう補っていくのか――その積み重ねが重要なのです。
常に研修の内容ばかりを説明してくるような研修会社では、“有意義な研修”の実現は難しいでしょう。

◆カリキュラム内容を確認しよう

もちろん、実際の研修カリキュラムがいかに実践的・具体的であるかも重要なポイントです。講師個人の「成功体験」をただ聞き続けるだけではなく、自分たちの仕事に直結した具体的なノウハウと、理念実現に向けた考え方まで教えてくれるかどうかを確認しましょう。

人は考え方が変わらなければ、行動も変わりません。いくら成功体験に基づいたノウハウや技術を教えてもらっても、そこに「何のためにこの仕事をするのか」といった“考え方”が伴っていなければ、日常の業務に活かすことはできないのです。

「人は考え方が変われば行動も変わります。行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば人格が変わります。“社格”とは人格の集まりです。だからこそ、社員教育には、技術やノウハウと同じくらい、考え方を学べるかどうかが重要なのです」と語る市耒氏。

社員の考え方を変えるには、2~3日の研修を一度受けるだけでは難しいでしょう。やはり満足度・実感度の高い社員教育のためには、長いスパンでの取り組みが欠かせないようです。そのためにも、まずは「社員教育=コスト」ではなく、業績をアップさせるための「投資」であるという意識を徹底する。
そして、もう一度会社の理念に立ち返り、「会社をどう変えていきたいのか」を見つめ直す――これこそが、社員教育成功の第一歩だといえそうです。

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市耒 晃次氏

コンサルティングや研修・トレーニングを通じ「需要創造型経営の変革支援」に取り組む。自らもインストラクターとして経営者・管理者・営業担当者向けセミナーを担当、多くの企業の業績向上に貢献している。

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