1on1ミーティングを上司に依存しすぎてはいけない

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プロフィール
株式会社タバネル
代表取締役 奥田和広
上場ファッションメーカー、化粧品メーカー、コンサルティング企業 などで勤務。取締役として最大170人の組織マネジメントに携わる。
自らのマネジメント経験とコンサルティング経験を経て、成長企業の共通項OKRに出会い、株式会社タバネルを設立。著書「本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR」

上司と部下が週1回~月1回程度の頻度で定期的に面談をする1on1ミーティング。人事評価や仕事の進捗管理を行う面談とは違い、部下の成長を支援することを目的にし、部下のための時間と考えられています。近年では多くの企業で導入が進む一方で、期待した効果が出ない事例も見受けられます。

このような事例は上司に原因があると考えられがちですが、上司だけに原因を押し付けても解決しません。そこで、今回は部下も巻き込みながら1on1ミーティングを成功に導く方法を解説しましょう。

1on1ミーティングが機能しない3つの誤解

部下の成長を支援する、部下を育成することは上司にとって重要な役割の一つです。この役割を果たすための手段の一つが1on1ミーティングです。しかしながら、1on1ミーティングについて誤解をしているとうまく機能しません。

誤解①1on1ミーティング導入教育は上司が受ければよい

人事部門は、1on1ミーティング導入時に上司に対して、説明、研修などを通じて教育するケースが多くあります。1on1ミーティングが初めての試みである上司にとって、その目的を理解することや実施方法についてレクチャーを受けることは有意義なことです。

一方で、現状をみると、部下に対しての人事部からの導入教育は手薄になっていることが多いようです。1on1ミーティング導入時の部下への教育、研修なども含め、上司自らが行うことが求められてしまいます。しかし、上司自身もまだ実施していない初めての試みであるため、部下への十分な説明や教育は期待できません。そのため、部下は1on1ミーティングについて十分な理解ができず、せっかく実施している1on1ミーティングは多くの現場でうまく機能しない残念な結果に陥っています。

誤解②上司のスキルを上げなければ1on1ミーティングは機能しない

1on1ミーティングで上司には、質問力、傾聴力、コーチングスキルなど様々なスキルが必要であるとされています。このようなスキルを使いこなし、部下がオープンに話すことができ、そのことで、成長するきっかけを掴めるように促すことを上司は求められます。

しかしながら、日常の業務ですでに様々な成果を求められている上司はつねに時間に追われ、多大なプレッシャーを感じていることが想像できます。さらに、1on1ミーティングを成功させるためのスキルを求めることは過剰な負担になるでしょう。言い換えれば上司にこれらのスキルが十分に備わっていなくても、1on1ミーティングが機能する仕組みを構築する必要があるのです。

誤解③1on1ミーティングの効果検証は部下に聞けばよい

人事部門は新しい取り組みを導入した際は効果検証をすることが大切です。1on1ミーティングを導入する際も、導入後の効果検証が重要になります。

この効果検証を行う場合、部下に対して上司の1on1ミーティングのやり方を評価するアンケート調査を行う会社が多いです。アンケートで効果検証を行い、改善策を立てることは大切ですが、上司のみが評価対象となる設計には要注意です。そのような設計では上司を対象とした改善策しか生まれません。その結果、上司にさらなる改善策や努力義務を強いることになってしまいます。

上司と部下の両方から効果、課題、改善策をアンケートなどを用いて引き出すことが重要です。なぜなら、効果が出ていない原因が上司ではなく部下にある可能性もあるからです。

1on1ミーティングに部下が主体的に取り組むためのポイント

1on1ミーティングは上司と部下の二人で行われるミーティングであり、どちらか一方では当然のことながら成立しません。上司が部下の成長を促すためのスキルを磨き、主体的に取り組むことはもちろん重要です。しかし、本当に高い成果を発揮する1on1ミーティングにするためには、上司だけでなく部下も主体的に取り組むことが必要です。

人事部は1on1ミーティング導入時に部下を巻き込むべし

1on1ミーティングの導入に際し、忙しい日常業務を裂いて上司とわざわざ時間をとって話すことに抵抗をしめす部下もいます。そこで、人事部門から導入目的や運用方法を部下にも説明、教育することが重要です。上司だけに教育するのではなく、部下も巻き込んで実施する意義を伝え、教育しましょう。

1on1ミーティングは部下の成長のための時間であることをしっかり理解してもらいましょう。そのような認識がなければ十分な効果は期待できません。部下には自分の短期的な成長だけでなくキャリア形成も含めて、上司との時間を有効活用できる機会であると認識してもらうことが大切です。

部下はアジェンダを作成して1on1ミーティングに参加すべし

振り返りや現状の課題を認識することが成長には不可欠です。1on1ミーティングで何を話すべきかを考えることは、振り返りや課題認識の機会となります。そのようなアジェンダを部下が作成することで1on1ミーティングに主体的に参加できるようになるだけでなく、短い時間でも有意義なミーティングになります。

できれば事前にアジェンダを上司に伝えておくと、なお良いでしょう。アジェンダなしで上司がその場で対応しようとすると、瞬発力で上司は回答しなければならず、部下にとって価値の薄い回答になりかねません。またアジェンダを利用することでミーティングメモが簡単に作成できますので、次回以降の振り返りにも有効活用できます。

まとめ

1on1ミーティングは上司にとっては部下育成のための時間です。同時に、部下にとっては自分の成長のために上司に対応してもらえる時間です。時間は有限ですので、上司も部下も最大限に有効活用できるように望みましょう。そのためには。上司だけでなく部下と一緒に1on1ミーティングを作り上げていくことが大切です。